少し前にマレーシアで終了したトレイルランニングのアジア大会2024年。
85キロメートルという距離を、約11時間で走ったプリヤ・ライが優勝した。
昨年インドネシアで開催されたアジア大会2023では、ダディン出身のラリラ・タマンが優勝した。
彼女は、今年の大会では、第3位だった。
彼女らは、国際舞台で知られているが、ネパール国内では、さして話題になっていない。
そして、ネパール政府も、まったく支援していない、と彼女らは苦言を呈する。
トレイルランニングとは、どういうものか?
どれほどネパール人向きの競技であるか、について2人は語る。
「わたしは、プリヤ・ライ。
コタン出身。」
「トレイルランニングは、普通のマラソンとは異なる。
普通のマラソンが、整備されたまっすぐな道を走る一方で、トレイルランニングは、上り坂や下り坂や、狭い道とかを走る。」
「わたしが走ってるのを見ると、まあ、どこの娘?
どうしてこんなところを走っているの?かわいそうに。
軍人にでもなるつもり?とかって、尋ねられる。」
「トレーニングしに出掛けるのも、自分の費用。
支援があれば、助かる。」
「何かあっても、補償がない。
スポーツ保険はすごく大事。」
「山道を走るのは、ネパール人が得意とするところ。
技術面で言っても、たとえば、ぬかるんだ道を滑らずに走るには、どんなふうにバランスを取ったり、体重をかけたりすればいいか、とか、子どものときから、体で覚えている。」
「国際試合に出かけるのも、トレーニングをするのも、全部自腹。
優勝すると、ネパールの名前を世界に知らしめることになる。
だから、政府に支援してほしい。」
マレーシアのアジア大会で、85キロを11時間で走って、優勝した。
村の坂道を走りまわって育っているから、トレイルランニングには、有利だ、と彼女は言う。
トレイルランニングで、世界に名を馳せているのに、ネパールでは、さほど知られていないのは、残念である。
地理的条件ゆえに、ネパールはトレイルランニングに最も適している。