【ファニンドラ・ダハル署名記事】

 

 

新生児の男女比率の偏りは、たとえば、マデーシュ州(*インドと国境を接する南ネパール)のダヌーシャでは、女児100人に対して、男児133人にもなる。

 

 

 

マデーシュ州での偏りはひどく、平均しても女児100人に対して、男児118人だ。

 

 

極西州の平均は、100対116である。

 

 

 

「これを、自然な妊娠出産の結果とみなすことは不可能。

 

要するに、男児が好まれ、胎児が女だとわかったら、堕胎していることは明らか。」

 

 

 

 

 

 

 

州によっては、偏りは、100対106のところもある。

 

 

 

将来的には、一妻多夫という事態にもなりかねない、とアディカリさん。

 

 

 

ネパールでは、そもそも出生率自体が減少している。

 

 

 

 

トリブバン大学の中央人口科の主任教授ヨゲンドラ・グルン博士によると、子どもの数が減った結果、親は、子の性別を選別するようになった、という。

 

 

なぜなら、ネパールは家父長制社会で、男性が家を継ぐと考える家族が多い。

 

したがって、息子を好む親が多い。

 

 

 

 

グルン博士は続ける。

 

「世間を見渡して気付くこと。

それは、ひとりっ子の家庭は、それが息子だというケースがほとんど。

 

しかし、子どもは、娘がひとりだけ、という例は、きわめて少ない。

 

 

しかも、近年は、出生前の性別判断が増加している。」

 

 

 

 

 

そのうえで、今の子どもたちが成人する頃、彼・彼女らの結婚に影響するとしたうえで、中国の二の舞になる可能性が高い、ともいう。

 

 

 

「女が少ない。

しかし、われわれの社会では、結婚相手は決まったコミュニティーから選ぶ傾向にあるので、中国とまったく同じようにはならないだろう。」

 

 

 

 

男女平等を実現するには、まだまだ改善しなければならない余地は、たくさんある。

 

 

 

 

こういう傾向が続くと、単に結婚難を招くだけではなく、女性の経済社会的状況にまで、影響が出ることもありうる、と専門家は言う。