【ビシュヌ・ポカレル署名記事】
アンキタ・パンデさんは、バングラデシュを選んだ理由を「食べ物とかも口に合うし、行き来も簡単だから」と言う。
「何かあっても、家に帰りやすい。」
月曜日。
彼女は、バングラデシュの抗議活動が激化して、暴動に発展したので、家に帰るべく、バドラプル空港に来ていた。
「近かったので、こういう非常時でも、車を飛ばすことができた。」
彼女と一緒に行動していたのは、同じ医大で学ぶシュレサ・カフレさん。
カフレさんも、ネパールで医大に入れなくて、バングラデシュを選んだ、と言う。
もうひとり、ラリトプル市のスシラ・ラナマガルさんも、バングラデシュを選んだひとり。
彼女らは、3人とも、1か月前にバングラデシュの医大で学び始めたばかりだ。
なぜ、ネパールでは、医学を学ぶのが困難なのか?
「世界中、どこであれ、医学に限らずどの分野であれ、学びたい学生が全員、入学できるなんてところはない。」と医学教育委員会のアンジャニクマル・ジャー教授。
「ネパールには、医者になりたい学生の数がものすごく多い。
一方で、医学部の定員はそれほど多くはない。」
医学部合格レベルの成績に達しているのは、年間約6000人とのことだ。
これに対して、国立私立の両方を合わせた医大の定員は、2000人。
なかには、ネパールで成績不振のまま、バングラデシュに行く学生もおり「過った考え」が拡がっている、とジャー教授は懸念をあらわす。
「ネパールの Common Entrance Exam が失敗した者は、世界中どこへ行こうとも、留学許可は出ない。」
「それなら、成績はよいが、入学できなかった4000人が、外国へ行ってるのか?」とBBCが質問。
これに対するジャー教授の回答。
「4000人すべてが外国で医学を勉強しているとは言えない。
4000人は、延べ人数だから、ひとりが2~3回受験している場合もあるし、医学自体を途中で学ぶのをやめているケースもある。
ネパールで成績が悪かった者が、外国で学んで帰国しても、メディカル・カウンシルの試験を受験できない、とも。