【ジュガル・プロヒト署名記事】

 *BBCヒンディー語より転載

 

 

問題は、他にもある。

 

政府が十分な予算を割いていないのである。

 

 

マートゥル医師曰く「予算が発表されるたびに、毎年、失望する。

中央政府が予算を十分な予算を割かない限り、問題は解決しない。」

 

 

したがって、外国へ行くインド人学生は、苦い選択を迫られることになる。

 

ガリマ・バジュペイさんは、その典型的な例だ。

 

 

 

 

ガリマさんは、戦時下のウクライナでMBBS (Bachelor of Medicine, Bachelor of Surgery) の3年生だ。

 

ビデオ電話で取材に応じてくれた。

 

 

 

 

「空襲警報が昼夜関係なくひっきりなしになるし、電気や水道が途絶えることもしょっちゅう。

そんな状況下で、勉強するって、大変。」

 

「NEETの成績がよくなかったので、国立の医大に行けなかった。

それで、医学を学びに、2022年にウクライナに来た。」

 

 

 

マートゥル医師によると、外国へ出て行くのは、学生だけでなく、医師も、である。

 

 

「わたしの同期の180人中、40人が、今、アメリカで働いている。

大変な数だ。

しかも、年々、増加している。」

 

 

 

アメリカの Medical Association によると、2023年には、インドで医学を学んでからアメリカに行った医師の数は、4万9961人である。

 

これは、過去最大の数だという。

 

 

 

別の推計によると、アメリカには、2万6200人の医師が移民だということだが、そのほとんどがインド人のようである。

 

 

 

前保健大臣は言う。

「インド人医師は、世界的に高い需要がある。」

 

 

 

 

 

インド人医師が外国へ流出すれば、将来的にインド国内で問題が生じる。

 

 

WHOによると、インドの医師の数は減少しているのである。

 

 

1991年には、1万人あたり、12.24人だったが、2020年には7.26人にまで落ちた。

 

 

 

 

医師数の減少という問題に、政府はどのように取り組んでいるのか、BBCは保健大臣に何度も問い合わせたが、未だ、回答はない。