【アショク・ダハル署名記事】

 

 

ネパールは、毎年10万人分の雇用創出を目指している。

 

しかし、国際労働機関のある調査によると、毎年50万人が労働市場に参入するという。

 

 

「仕事がない。

それが、外国へ出ていく主な理由だ。」

 

 

バニヤン教授は「ネパールに仕事があっても、生活の糧を得るのに十分じゃない」とも言う。

 

 

「たとえ、手取りが少なくても、社会保障がしっかりしていれば、これほど多くが出て行かないだろう。

ネパールには、それも欠けてる。」

 

 

 

 

最近では、外国へ行くことが自慢話にさえ、なっている。

 

 

「ヨーロッパに行った、アメリカに行った、オーストラリアに行った、そんな話題がSNS上で飛び交う。

だから、家族も、外国へ行くのがいいことのように考えるようになっている。」

 

 

 

「お隣さんが外国に行った。

友だちが外国に行った。

だから、わたしも行かなきゃ。

 

そんな理由で、外国へ行く。」

 

 

2023年、一時滞在ビザでネパール人が渡航した上位10ヵ国。

左から、オーストラリア、日本、アメリカ、イギリス、ポルトガル、アラブ首長国連邦、香港、インド、ドイツ、カタール。

 

 

 

2023年、定住許可を得て、ネパール人が渡航した上位10か国。

左から、アメリカ、イギリス、香港、オーストラリア、日本、カナダ、ポルトガル、ドイツ、ニュージーランド、アラブ首長国連邦。

 

 

 

行き先を左右するのは、その国の受け入れ状況、仕事やビザなどの条件だ。

 

 

そして、「ネパールには、何もない」という考えに憑りつかれるようになっている。

 

 

 

ネパール政府は、この流れを止めるべく有効な政策を立ち上げることができないでいる。