この夜間学校に学びに来る子らは、昼間、働いている。
家族を養うためだ。
パキスタンには、推定300万以上の働く子どもがいる。
この夜間学校の設立者で、たったひとりの教師でもあるモハンマドさんは、自らの費用でこの学校を運営している。
「この子らは、家事使用人とかして、一日中、働く。
夜しか、時間がない。
だから、ここが、この子らが学べる唯一の場所。」
学校の名前は、SLUM.
Solar Light Under Moon である。
彼らは、ソーラーパネルを販売する。
学校も、ソーラーパネルで発電された電力を利用する。
勉強するのは、算数、科学、英語、ウルドゥー語、そして、コンピュータ・サイエンスだ。
イクラさんは、ここの生徒のなかでは、歳上の方である。
「すごく勉強したかった。
でも、両親が、小さい頃から働きに出した。
自分の子どもには、わたしができなかったような仕事に就けるように、勉強させてやりたいと思っている。」
目下、この学校は、週に2~3日しか開けていない。
とはいえ、この子らが、学校で学んで、自分の夢を叶えてほしいと、モハンマドさんは思っている。