カナダに留学して、成功した者もいる。
しかし、仲介業者に騙されて、名ばかりの大学に送り込まれる若者も増えている。
2023年のカナダの留学生は、半数以上がインドと中国だった。
しかし、この1年で、インド人とネパール人の数が急激に増えている。
インドのパンジャーブから来たサハジプラティ・シンさん。
2023年12月にカナダに来た。
190万インド・ルピーを仲介業者に支払った。
しかし、その後、4か月間、一度も大学に行ってない。
「クラスの誰一人として、大学に行ってない。
そこには駐車場があるだけで、何もない。
駐車場の上に1~2部屋あるだけ。」
パソコンに大学のリンクがある。
それをクリックすると、数時間、講義が流れる。
「仲介業者は『何も心配しなくていい』と言って、一年分の学費を要求してきた。
1万4000ドルだった。
支払ったら、ビザが出た。
そして、大学のパスワードを教えてくれた。
大学のリンクを開いてわかったのは、仲介業者が大学に支払ったのは、8000ドルだったってこと。」
BBCは彼の仲介業者への取材を試みたが、連絡がとれなかった。
シムラナジトさん。
ネパール出身。
2023年5月にカナダに来た。
仲介業者がこの大学を紹介する。
学生はほとんどが外国人。
インド人が圧倒的に多い。
95%以上。
スマン・ライさんも2023年5月に、妻と一緒にカナダに来た。
スマンさんもまた、95%以上がインド人学生だと言う。
「来る前に聞いてた話と、まったくちがう。
みんなが言ってるようなカナダの教育とは、全然レベルが違う。
早まったかな、って思う。」
弁護士のハルミンダル・シン・ディロンさん。
ここには、大学の名に値しないような大学がある。
卒業証書に何の価値もない。
そんなもの見せたって、仕事に就けない。
モールのなかにある大学もある。
教室がひとつだけ、という大学もある。
そんな大学であっても、留学生ビザが降りる。
ジャスビル・シン・シャミルさん。
ジャーナリスト。
IRCC(難民・市民権省)によると、カナダが留学生から得る収入は、年間200億ドルだという。
州政府から認可されさえすれば、誰でも大学を開校できる。
立派な建物も、試験さえ、ない。