このたびの地方選挙は、これまでとはちょっと異なる。
地方行政のトップに、無所属の候補者が数多く名乗りをあげた。
これまで政治畑にいなかったけれど、他の分野で仕事を成し遂げてきた人たち。
既存の政党の力を借りずに、まったく政党と無関係に選挙を戦うのは、容易ではない。
それでも立候補した人びとを、紹介する。
名前は、マヤ・グルン。
登山家。
社会運動家。
村長に立候補。無所属。
「わたしの郡シンドゥパルチョークはカトマンズに接している。
けれど、教育が遅れている。
仕事もないし、人びとの意識も低いように思う。」
「たったひとりの人間が、ひとつの団体が、どんなに頑張っても、現状を変えられない。
だから、規則を作らないとダメな気がする。
それが、立候補した理由。」
「わたしは観光畑の人間。
いろんな場所の知識、外国へ行って得た知見がある。
それを、ここの発展のために使いたい。
観光と教育に繋げたい。」
「名前は、カンチャンラジャ・ギリ。
バネパの市長に無所属で立候補した。
第22期公務員試験にパスして政府職員になったけど、このたび辞職して立候補した。」
「23才まで、バネパ・バザールの学校に通っていた。
当時と今も、バネパはまったく変わってない。
当時も、汚かった。
悪臭がした。
街がごちゃごちゃだった。
今もそう。
教育を受けても、仕事に就けるような技能は身に付かなかった。
将来の仕事を見据えた学びじゃなかった。
今も同じ。
こういったことを全部、変えたい。
バネパを美しい町にしたい。
きちんと整った町にしたい。
緑あふれる町にしたい。
仕事を創設して、生活水準を上げたい。
バレン・シャハ。
structural engineer で、musical artist 。
「僕が10〜12年来、音楽で追求してきたもの。
それは、娯楽性より社会的メッセージ性。
政治のこともたくさん題材に歌ってきた。
人びとのメンタルな健康についても。」
「こういうことを、音楽を通じて訴えかけてきた。
どうすれば社会を変えれるか、考えてなくちゃいけないって。
僕らの考えや理解について、どうあるべきかっていう話。」
これまでの活動を、実行するときが来たって思った。
これまで発言してきたことを実現するために、市長選に出た。」
「僕らのチームには、いろんな専門家がいる。
教育、医療保健、交通、ゴミ処理など。
これら、それぞれのチームが出すロードマップを基に進んでいく。
目下、専門家の視点を反映した選挙用 agendaを作り込んでいる。
これら専門家の支援は5年に及ぶ。」
市長、副市長、村長、副村長その他に立候補した無所属候補者は、全国で、1万2789人。