アイスクリームラーメン
店名:菊や
業種:ラーメン
住所:東京都足立区千住大川町10-3
営業時間: 11:00~15:00 / 17:00~20:00
定休日:月曜

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ついに出ました……「微妙」の頂点ともいうべき、
究極の「微妙」ラーメンが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

アイスクリームラーメン……。

まさかね、これはナイと思っていました。
しかしね、やっちゃった店がありました。
なんでね、行ってみましたよ。
そしてね、かなり微妙な衝撃を受けたわけです。
それはね、まず読んでくださればわかると思います。

とりあえず、『世にも微妙なグルメレストラン』始まって以来の
最強で究極のラーメンであることは、今の段階で断言しておきます!!

●究極の微妙ラーメン
 「アイスクリームラーメン」という、
かなり危険なラーメンを作っちゃったラーメン屋『菊や』は、
JR北千住駅から徒歩20分ほどの場所に、ひっそりと建っている。
その店構えは、古き昭和の時代をイメージさせるほど年季が入っている。

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店内に入ると、客席はとても狭いカウンター席のみで、
厨房の奥は住居になっているようだ。
私が入ったときは、店主がひとり、
そしてお客さんがひとり店内にいた。
第一印象だが、とても人のよさそうな、
感じのいい店主

筆者 何にしようかな(もう決まっているけど)。
店主 ……。
筆者 あー、メニューたくさんあるんですねー。
店主 うん。壁に貼っているのが全メニューだから。

(壁のメニューの一部)
味噌ラーメン
ココアラーメン
珈琲牛乳ラーメン
紫色ラーメン
水色ラーメン
赤色ラーメン
青色ラーメン

……ほほう。いろいろあるなあ……って、
味噌以外全部ヤベーーーッ!!
っていうか、○色ラーメンって何!?

筆者 コ、ココアラーメンって何ですか?
店主 ココアのスープのラーメンね。
筆者 なっるほどぉ~(そのまんまかよ!!)。
筆者 珈琲牛乳ラーメンは……

二人 珈琲牛乳のスープ。

店主 そう、よくわかったね。
筆者 いや、なんとなく(ハモってしまった……)。
店主 何にしますか?
筆者 アイスクリームラーメンがあると聞いたのですが……。メニューにないですね。
店主 あー、うしろにあるよ。後ろ見てごらん。
筆者 えっ? うしろ(背後の壁を見てみる)?

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アッターーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!
デターーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
アイスクリームラーメンデターーーーーーーーー!!!!!!!!!!!

ほんとにあったよ……。
と、とりあえず注文をすることに。

●なんだこりゃあああああああああ!!
 店主にアイスクリームラーメンを注文すると、
店主は手際よく中華鍋の熱湯で麺を茹ではじめた。

まだ、アイスクリームは出てこない。

どんぶりも普通のようだ。
具材も、普通にチャーシューや茹でタマゴなどを用意している。
……本当にアイスクリームが入るのか?
変な名前だけで、中身はたいしたことがない店が最近多いので
ちょっと疑心暗鬼に追っている私……ガッカリだけはしたくないな

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しかし、本当にラーメンにアイスクリームが入っていても、

ある意味ショックを受けそうで怖い……。

店主は麺を茹でている最中、
ダシ汁の入ったどんぶりを厨房の置くの部屋に持っていった。
なんで厨房の部屋の奥にどんぶり持っていくんだ!?

そこって店主が生活している部屋だと思うんだけど……。

3分経過……ラーメンは普通に盛られている。
いたって普通のラーメンだ……。
ここからどうやってアイスクリームラーメンにすんだ!?

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デターーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!

ノッターーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
アイスクリームノッターーーーーーー!!!!!!!!!!!!
ラーメンにノッターーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!

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ソフトクリームを輪切りにしてどんぶりに盛り、
しかも青海苔がかけられている!!!!!!!!!!
そして茹でタマゴがアイスクリームに乗っている!!!!!!!!

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まさにアイスクリームラーメン!!!!
ど、どこから食べればいいんだろう?
そんなことに迷いつつ、とりあえずアイスクリームと麺を一緒につまみ
口に運んでみた……………………………………………………。

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……

……………うめぇえええええぇぇえええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
うめええええええええぇぇええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
うめえぇええぇええぇえええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
うめぇええぇえぇぇぇえええぇええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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これはうまい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ありえない!! でもうまい!! 美味しいはずがない!!
なのに美味しい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
オレの脳髄や脳幹がアイスの冷たさでおかしくなっていないならば、
これは確かに美味しい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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このラーメンを作った店主に敬意を表するッ!!
激ヤバだ!! 衝撃だッ!! やばすぎる美味しさだッ!!!!!!!

まさか、北千住でカルチャーショックを受けるとは思わなかった!!

●アイスクリームラーメン誕生秘話
 このアイスクリームラーメン、こんなにうまいのに、
なぜ誰も今まで試さなかったのか?


…………まあ、試すはずないよな。

このラーメンの味は、醤油ラーメンにアイスクリームを入れた味

想像がつかないかもしれないが、まんま、その味なのである。
だから難しい味の説明は必要ない。醤油ラーメンとアイスクリームを
同時に口の中に入れた味なのだから。

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麺には醤油のスープと溶けたアイスクリームがからみつき、
その味はクリーミィーでいて、醤油の味がする。
しかし、醤油のとがった味がアイスクリームによって、
まろやかな味に大変身。

こんなにもアイスクリームと醤油や麺が合うとは、誰も思うまい。
しかし、よく考えれば、乳製品と麺という組み合わせは、
スパゲッティーのカルボナーラもあることから珍しくはない。
ちゃんぽんも、お店によっては牛乳を入れるところもある。

しかし、アイスクリームをラーメンに入れようとは

誰も思うはずがない……。

 さて、問題はこのラーメンをどうして作ろうと思ったかだ。
きっと、これだけ美味しいからには、かなりの誕生秘話があるのだろう。

筆者 いやあ、すさまじく美味しいですわ!!
店主 あはは、ほんと? ありがとう。みんな喜んでくれるね。
筆者 それにしても、どうしてコレを作ろうと思ったのですか?
店主 あーはははは。
筆者 よほど研究しないとこの味は難しいですよ!!
店主 ウチのお客は学生が多いんですよ。中学生とか高校生が。
筆者 ほほう。
店主 中学生の子が、ラーメンにアイス入れてって言ったのよ。
筆者 ほ……ほほう。
店主 だから入れたのよ。
筆者 ……。

デターーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
中学生に頼まれて作った!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

●まだまだ新ラーメン開発は続く……
 個性的かつ美味しいラーメンを作る『菊や』の店主だが、
常にラーメンの研究に余念がない。

とはいえ、やっぱり変な方向に情熱を向けている。
たとえば「健茶ラーメン」は、ラーメンに調合する緑茶のメーカーを
かなり徹底して調べたという。
伊○園はラーメンと混ぜると、苦味が増すという。
ファ○ケルの粉末緑茶は、非常にラーメンの味がまろやかになるという。

しかし、ここで伊○園関係者は落ち込まなくていい。
ラーメンと緑茶を混ぜるなんて、普通の使い方ではないのだから。

……とはいえ、ここまで味と個性を追求したラーメン屋はきわめて貴重だ。
普通のラーメンが非常に美味しいのも素晴らしいではないか。
正直、ここのラーメンの味にハマりそうである。
もし、『菊や』に行くことがあれば、普通のラーメンも食べてほしい
創業40年の味が、そこにはあるはずだ。

ちなみに、他の店にもいつくかアイスクリームラーメンを作っているお店があるという。
しかし、店主いわく「熱いお湯にアイスクリームを入れちゃってるんだ。あれじゃだめだ」とのこと。
確かに、店主の作ったラーメンは、スープがとてもぬるめだった。

また、こだわりとして、
「カップアイスや安いアイスは甘すぎてよくないコーン付きのアイスが一番いい」とも言っていた。

よほど研究したに違いない。

店主 このラーメン、出前したことあったんだけど……。

筆者 ?
店主 途中で溶けちゃってね……。
筆者 ぶっ(笑っちゃいけない)!!
店主 熱を出した子が、どうしてもアイスクリームラーメン食べたいってね。出前したんだ。
筆者 うわーー、そんな秘話が……。
店主 かわいそうなことしちゃったよ……。

ちょっと涙腺が緩んだ。

最初は文体が「ですます」だったのに「熱」と「力」が入りすぎて
「である」になってしまったことは内緒である。

●テレビ局の取材は拒否、その理由
 最後に、店主がこんなことを語っていた。
「テレビ取材がたくさんくるけれども、受けることができない」

最近、テレビ局の取材申し込みが非常に多いのだという。
しかし、体調を崩してしまってからは、
長い時間を必要とする撮影がとても大変なのだという。
取材依頼と思われる電話には、あえて出ないこともあるのだとか。

店主 前にね、4時間以上かけて撮影したんだけども、大変だった。
筆者 10分や15分の放送でも数時間、ときには数日かけますからね……。
店主 うん。でさ、女優さんがもっとかわいそうでねぇ。
筆者 といいますと?
店主 撮影が長いでしょ? だから、ヘロヘロになってんだよね。
筆者 あああ、疲れますよね。準備などの待つ時間というのもつらい。
店主 で、何か飲みながら休みつつ撮影しましょうってディレクターさんに言ったの。
筆者 ほほう。
店主 そしたら、「もうすぐで終わりますから」って言うのね。
筆者 すぐ終わったんですか?
店主 いや、終わらない(笑)。私も疲れたけど女優さんかわいそうだったなあ。
筆者 そういうことがあると取材を受けるのも考えちゃいますね……。
店主 でもね、受けるときもあるんだ。
筆者 どういうときですか?
店主 やはり、電話じゃなくてね。何度もお店に来て頼まれたらね。
筆者 なるほど。やはり、そういう気持ちも大切ですね。

……ということですテレビ局さん!!


■追記
今回の『菊や』“青色ラーメン”に関しては
ポータルサイト『Excite』ニュース“Excite Bit”にも掲載予定です。
http://www.excite.co.jp/News/bit/