カンガルーとラクダとワニの肉
店名:ローズ・ド・サハラ

業種:アフリカ料理
住所:東京都渋谷区代々木2-10-10-2F
営業時間: 11:30~15:00 / 17:00~23:00(平日)
定休日:年中無休


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●っていうか……
日本料理といえば、寿司に刺身に納豆。
中華料理といえば、餃子に麻婆豆腐に炒飯。
イタリア料理といえば、ピザにパスタにパニーニ!!


アフリカ料理といえば……何も思いつかない!!


ということで、アフリカ料理の店に行ってみた。
なんでも、新宿にあるアフリカンレストラン
『ローズ・ド・サハラ』には、ワニやラクダ、
そしてカンガルーの料理があるという。
これは『微グル』でガイドしなくてはならないだろう!!


……っていうか素朴な疑問だけど
カンガルーってアフリカにいたっけ?


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●ホロホロ鳥って何!?
 ……アフリカでカンガルーを食べるって
「モンゴルで江戸前寿司を握ってもらう」ようなもんだ
とか
いろいろ疑問が頭に浮かんだが、いちいち
そんなこと考えていたら『世にも微妙なグルメガイド』
なんてやっていけない。


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 店は、JR新宿駅南口から緩やかな坂を下り
徒歩5分ほどの場所に『ローズ・ド・サハラ』があった。
店内に入ると、アフリカン音楽が流れている。
お店にはひとりで行ったのだが、8人席に案内をされ着席する。


メニューを見ると……あった!!


カンガルーのから揚げ


ワニのから揚げ


ラクダ肉のグリーンオアシス(ハンバーグ)


ホロホロ鳥のロースト


……なんか日本人の考えうる
アフリカンのイメージを絶してるんですけど。


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筆者: カンガルーのから揚げとワニのから揚げを。
店員: はい。
筆者: それと……ホロホロ鳥って何ですか?
店員: 「ホロホロドリ」じゃなくて「ホロホロチョウ」ですね。
筆者: あ……なるほど。じゃあそれも。
店員: はい。


……って、ホロホロ鳥が何かって問題は解決したっけ!?


筆者: あと、ラクダのグリーンオアシスってどんな料理ですか?
店員: あー、ハンバーグのようなものですね。
筆者: ハンバーグじゃなくて「ハンバーグのようなもの」なんですね?
店員: はい。
筆者: じゃあそれもひとつ。
店員: あ……、ちょっとまってください。
筆者: ?


店員: ラクダの肉ってありましたったけ?
店長: ん………………ある。大丈夫。
店員: はい。


店員: はい、あります。大丈夫です。
筆者: じ、じゃあお願いします。


……もうね、店員さんのこういう
「意味ありげで特に意味のない間(ま)」には慣れました。


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●カンガルーの肉
 まずはじめにやってきたのは、カンガルーのから揚げ。
見た目だけでいうと、から揚げというよりも
沖縄のドーナツ、アンダギーに似ている。


 どんなに美味しいのだろうかと、ワクワクしながら食べてみた。
……味はビーフというか、ラム肉というか……。
厳密にどういう味かを説明すると、牛と羊が交尾をして生まれた
新しい動物、「ウヒツジの肉」という感じの味
だ。
ビーフとラム肉の合体したような味なのだ。
まさに、微妙である。しかし、クセになる美味しさではある。
ウヒツジ……じゃなくてカンガルーの肉には、
ちょっと辛めの赤ワインがピッタリだろう。


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●ワニの肉
 そして次にワニのから揚げがやってきた。
見た目がまったくカンガルーのから揚げと同じなんですけど……。
ナイフで半分に切ってみると、肉の色がとても鶏肉に似ている。
まるでササミのような印象を受けた。



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さっそく食べてみると……味も鶏肉……いや!!
白身魚のような風味もある。なんていうか、
鶏と白身魚が交尾してできた……新しい肉のようだ。
さっぱりしていて、それでいてなんとなく微妙に魚風味。
しかし、美味しいのは美味しい。


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●ラクダの肉
 カンガルーとワニを食べていると、そこにラクダがやってきた。
さっそくラクダをナイフで切って食べてみる。
文面だけだと、まるでジャングルやケニアで野生の動物を捕らえ、
食べているように思えてしまう
が、これは新宿での出来事。
……っていうか、ジャングルにもケニアにもカンガルーはいないが。


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 ラクダ肉のグリーンオアシスは、見た目はまるっきりハンバーグだ。
ナイフでさっそく半分に切ってみると……な、なかなか切れない!!
しかも……ボロボロと崩れる!! そして肉の密度が高い!!
いわゆる、肉汁のない硬めのハンバーグである。


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 食べてみると……なんじゃこりゃあああああああああああああ!!
ラム肉のような、ビーフのような、レバーのような!!
不思議な味だ。今まで食べたことのないような不思議な肉だ!!
別の惑星の別の進化を遂げた未知の動物の肉のようだ!!


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●ホロホロ鳥の肉
 カンガルーとワニを食べ終わり、ラクダを半分くらい
食べ終えたころにやってきたのは、ホロホロ鳥。


 鶏のもも肉を照り焼きにしたような、ホロホロ鳥のローストは、
とても独特な甘みのある味付けになっていた。
ホロホロ鳥自体の味は、非常に上品でさっぱりとしたもの。
つまり、味は他の鶏料理よりも、ソースに大きく左右される。
なんだかんだウンチクたれたが、単純にとても美味しいッ!!
って、ホロホロ鳥って何?


補足:ホロホロ鳥
アフリカ大陸の西南部を主とするキジ科の鳥で、
ヨーロッパでは一般的に料理の食材として長方されているが、
価格がそこそこ高額で、高級な鳥として扱われている。


……よかった。ホロホロ鳥はアフリカにいた。



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▲赤いソースは普通に辛く、緑のソースは激辛。
から揚げにかけて食べる。