店名:亜呂摩
業種:喫茶店
住所:東京都葛飾区宝町2-19-16
営業時間: 11:00~21:00
定休日:火曜
席数:12席

●スープも麺もコーヒー!!
 私がこの店に来たのは、ここでしか食べることのできない、
コーヒーラーメンがあるという噂を聞きつけたからだ。
しかも、特許まで取っているというから本格的だ。

 テーブルに座った私は、メニューを見てさっそく
コーヒーラーメンなるものを見つけた……が、
もっと恐ろしいものを見つけてしまった。

コーヒーもりそば、コーヒー冷やし中華、コーヒーサラダ麺……。

もしかして、なんでもコーヒーを入れればいいと思っているんじゃ……。
 とりあえず、多分コーヒー系の料理の中で一番オーソドックスと思われる、
コーヒーラーメンを注文してみることにした。

 じゃあ、コーヒーラーメンください。
店主 え? いいの?
筆者 いいのって何ですか!?
店主 いや、大丈夫。

 「いいの?」って何だーーーーー!!


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●カラオケ!?
 特許まで取ってあるならもっと自信を持ってくれー!! 
かなり不安になりつつも、コーヒーラーメンの完成を待つ。
店主は厨房に行き、店員らしき10代後半から
20代前半の女性が1人だけ店内に残って、
カウンターで何かを書いている。
麻雀に夢中のカップル客はまだ夢中になってやり込んでいる。
うーん、この雰囲気は、なかなか馴染めるものではない。
 すると突然、厨房にいた店主が私に話しかけてきた。

店主  すいませんね。
筆者  え? 何がですか?
店主  いや、カラオケが……。
筆者  え? カラオケ?
店主  本当にごめんね。
筆者  ?

 私が意味不明でキョトンとしていると突然、
店員の女性がカラオケを歌いだしたのだ!! 
「ごめんね」って、「カラオケうるさくてごめんね」って事!? 
一体なんなんだこの店はァァァ!! 
本当にここは喫茶店なの!? ここはスナックなんですよね!! 
本当は歌えるカラオケスナックなんですよね!! 
頼むからそうだと言ってくれ店主!!
 私の心の叫びは店主に通じることもなく、
店員は大音量でEvery Little Thingの『fragile』を熱唱……。
いくら歌われても、私はあなたと「あいのり」したくない。
ホント、勘弁してください……。

002


●カフェオレ……
 いくら店員が熱唱していても、
麻雀で遊んでいるカップルは平然としている。
きっと、この店員が歌いだすのは日常茶飯事のことなのだろう。
熱唱が終わると店員は「よし、完了!!」と言い、
麻雀で遊ぶカップルの横の席に座った。
やはり知り合い同士のようだ。
 そうこうしているうちに、
20分ほどの時間が経過しただろうか。
コーヒーラーメンがついに完成し、
店主が私の元へと運んできてくれた。

店主 はい、どうぞー♪
筆者 おおお、匂いもコーヒーですね!! 麺もコーヒーなんですか?
店主 うん、そうだよ。麺にコーヒーが練りこんであるのが特許なんです。
筆者 へぇー!! どうアレンジしてラーメンに合う味になっているのか楽しみです。
店主 スープもコーヒーだから、じっくり味わって召し上がってください。

 まずはレンゲでスープを口に含んでみた。
その味はコーヒーというより、カフェオレである。
しかも、かなり甘い。かなりの量の砂糖かみりんが
入っているはずだ。このスープを全て飲み干すのは
ちょっとツライものがある。
 次に麺を食べてみたが、やはりカフェオレの味がした。
この麺は、普通の麺よりも、スープの味に依存される
特徴があるようだ。よって、よく噛まないと麺からは
コーヒーの味がしないのである。
私の独断たる分析でしかないが、
あまりに甘くてクリーミィーなスープが、
せっかくのコーヒー麺を殺してしまっている。

筆者  結構、甘いですね……。
店主  うん、カフェオレラーメンだからね。
筆者  え!? コーヒーラーメンじゃないのですか?
店主  ブラックのスープがコーヒーラーメン。
筆者  えええええ!!
店主  初心者はカフェオレから試したほうがいいんですよ。
筆者  美味しいです……。

 さ、最初からブラックを出してくれ~!! 
もし皆さんが『亜呂摩』に行くことがあれば、
絶対にブラックのコーヒーラーメンを
注文するべきである。必ず、そっちのほうが
コーヒー麺には合うはずなのだ。


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