義実家地方は、一般の女は家から出ないのが普通の地区で、私も滞在中はほぼ義実家から出ることはありません。親類の家を尋ねるとかそういうのが主たる行事です。

 

 

 

親類宅を訪ねると、見せてくれるのは結婚アルバムです。

 

海外旅行したとか、ピアノの発表会に出たとか、そう言う写真はほぼなく(というか見たことありません)結婚の記念に夫とポージングして撮影した、豪華に装丁したずっしりと思いアルバムです。

 

パキスタンの女性は堀が深く、目鼻立ちがくっきりとしているので、

フルメイクした女の画像はモデルと見まごうばかりニヤニヤうっつくし〜〜

 

 

 

 

 

 

私はパキスタンでは、アルバムを見るだけでなく、実際に結婚式披露宴に3回ほど参加させてもらいました。

 

 

 

 

 

初めての結婚式参加は義妹夫妻の友人。

 

1000人くらい出席者が来る、と、夫が言うので、

 

「そんなに?」とびっくり。

 

しかし、パキスタンでは結婚式はみな、とても楽しみにしており、かつ、子沢山の地域で兄弟も多いので普通に出席者もそれくらいで特に驚くような数字でないようです。

 

地方の結婚式などには、会場がなかったり、付近の住人も加わったりで、そのためだけに、主催する家族が、結婚式を行えるような大きな家に家族丸ごと引っ越ししたりすることもあるそうで(新郎側の前夜祭、新婦側の前夜祭は各々の家族で用意するため合同では行わない)

 

なお、私が参加した結婚式は、誰かの自宅ではなく、いずれも結婚式会場のような場所でした。

 

 

 

 

 

 

披露宴の当日、夕刻すぎ、(披露宴は夜)義妹が、コテで髪をセット始めました。

 

私はそのような、義妹が髪型をセットする、そんな光景は初めてで、いわゆる二度見ポーン状態。

 

義妹はいつも長い髪をひっつめて、カバーをかぶっている。

 

1週間に3回くらい洗髪するそうでドライヤーもしない。

 

とはいえ私も、パキスタンでは寝るときシャワーに入る時以外は、髪をカバーしているので、あちらでは髪型など気にしたことがありません。楽かもしれんけど、あっついよ

 

義妹の髪の毛は、猫っ毛で元々カールがあるので、コテでまくとゴージャスに、パキスタン人特有の美しい鼻と大きな瞳。彼女はちょっとしたお姫様のようでした。

 

セットした後、いつもと変わらず髪をカバーしました。

 

見えないところに気を使うということ?

 

いずれにせよ、子供たちの衣装も整え、いざ出発です。

 

義妹の夫と私の夫が運転する車で、義妹家族、私と夫、義母とで、会場まで向かいました。

 

 

 

車は交通ルールはほぼ無視です。会場に詰めかけた家族らの車がひしめき合って、勝手なところから右折や左折するので、大渋滞でした。会場の場所も手伝って、電車や公共機関で来る家族はゼロ。義実家地方はもともと一般人が外を気軽に歩くような歩道はほぼ見ません。出かけるのは男だけの時でも、自家用か、タクシーかリキシャ、バイク。

 

 

 

 

到着すると、驚いたことに、【男女は別会場】 

 

え!結婚式なのに男女別?!

 

義実家に義父の友達が来たときや、夫の友達が来たときは、女性は台所(広い)に隠れます。自室に隠れちゃうとお茶!の時に給仕できないから台所なんですね(日本だったら大問題になりそうw)ま・それには慣れましたが結婚式もなの〜〜〜!?ポーン参加者身バレしてるからええやん。

 

 

彼らにとってはそれが自然だろうですが、私はまさか結婚式まで男女別とは・・・・てっきり夫とずっと一緒にいればいいと思っていたので、そうでは無いとわかり、意気消沈〜〜〜。というか、これから何時間この会場で過ごすのだ?と不安。義母、義妹とは言語の関係でうまく意思疎通できないし。

 

トイレすら「どうやって聞くんだ?」状態・・・

 

 

 

加えて、夫から

「部屋からは僕が迎えに行くまで出ないように、衝立の向こう側は男側だから入らないように」

(つまり、男側から女側へはOKなんだけど、その逆はタブー なんじゃこりゃ!?w)

 

と言われますます残念な気分。【女性専用】の部屋に義妹と子供たちと向かいました。

 

なお、この【女性専用】について、あとで「あれは好きくないわ 泣」と夫に陳情。

 

「女性が安心してくつろげるように、というイスラムの女性を敬うの行動の一つだよ」

 

とのことでしたが、私的には、

 

男も女も一緒に過ごしても、女が安心してくつろげるようにして欲しいものです。

 

もちろん男もくつろいで結構ですし。

加えて、子供たちは結局、全員女側。義妹が中心となり面倒を見るわけです。子供はもちろん可愛い、しかし義妹の夫も加わり二人で手分けすれば、もっと女はくつろげるような気がしますけどっ!!!ニヒヒ

 

まあ、子供の頃から男女別で育てられてきてるから、異性がいたら超緊張しちゃうんだろね。

 

 

 

 

広い会場には円卓が数えきれないほど、並んでいました。

 

 

もちろん、会場は女のみです(あと大勢の子供達)

 

 

ちょっと驚いたのは、その女性たちは、皆、髪のカバーをしていないことです。服装はウエストラインが出ない、手首足首まで隠れたパキスタン特有の服装ですが、髪を堂々と見せているのは驚きでした。

 

妹もカバーをはずして首回りにスカーフのようにかけました。

 

パッと見た感じでは、8割程度の女性が、カバーをつけていない感じでした。

 

皆、記念写真を撮影したり、おしゃべりに花を咲かせたり、子供たちを怒鳴りながら追いかけ回したり(笑)

 

それは、女性同士だから、安心してカバーを外せる、という、そんな小難しいことが混じった笑顔でなく、日本人女性と同じ、綺麗にセットした髪とメイクを楽しむ女性ならではの、

 

「私を見て!いいでしょこのドレス!」そんな、普通に生き生きした笑顔、に見えましたよん。

 

日本で、「若者はあんなカバーなんてしないんでしょ?」と聞かれることがありますが、外出するときにカバーするのは、イスラム法を使っている国では法律で決まっています。イラン等ではヒジャブを外したいと活動していたテコンドーゴールドメダリストの女性がドイツに亡命しています。

 

 

 

 

 

 

なお、男女別室で、では新郎新婦はどうするのか?と言う疑問があるかもしれませんが、新郎新婦はその付き添いの人間やカメラマンと一緒に、【男部屋】と【女部屋】に交互に移動して登場します。

 

結局、それについてカメラマン達も一緒に女性側にも来るので、もう、ミックスでええやん?と思わずにはいられない私・・・

 

食事は立食形式。

 

夫に言わせると、この立食形式も、男と同じ場所だと女が取り負けてしまうから、とのことでしたが、それならそれで量を増やせばいいだけの話では〜〜〜?ニヒヒちゃうか?!

 

 

 

 

新郎新婦と写真を撮るのも話しかけるのも全くの自由。よく言われる、ムスリムを写真に撮ってはいけないという、雰囲気は皆無でした。新婦も髪をきれいにセットしてカバーは頭の後ろにちょこんと乗せて、まるでブーケのよう・・・若さも手伝って日本なら「モデルです!」で通用すると思う。うん。

 

 

また、歌を歌うとか、ビデオを流すとかそういう演出はありませんでしたが、日本では考えられないくらいの数、種類の生花をふんだんに使ったデコレーションは素晴らしい。壁一面花だったり、花を周辺各国に輸出する農業大国のパキスタンならではですね。

 

 

 

 

なお、近しい親戚のみ(新郎側、新婦側と別場所で行う)で集まる別日の会合では、男女同室ですが、

 

ここでも、男の場所、女の場所、と別れていて、またもや夫と離れた状態・・・とほほ・・・

 

私的には女は子守状態。男だけ談笑し踊り狂うニヤニヤ

に見えました。

 

その近しい親戚だけでも100人くらいいましたよ〜〜

 

その席には中央に正方形の板の間が設けられていました。私は社交ダンス講師や競技選手をしていますので、そこがダンスフロアだとすぐにわかり、尋ねると、義妹は「そう。ダンスフロアよ。ダンスは男だけよ」と。

 

声にも表情にも特になんの感情もこもっていませんでしたが、そういう状態に慣れ切っている感じでしたね。

 

子供の頃からそうだったので、私も踊りたいわ!なんでやねん!?って言う疑問は無くって、外出した、ってのが最大の喜びみたい。

 

 

 

近々、夫の末の弟が結婚するようです。しばらくパキスタンには行かない予定でしたが(お金ないもん笑い泣き)、ただただ座ってるだけでも、参加することが最大の「おめでとう!」だそうで、結婚式には(なんとか飛行機代を捻出して笑い泣き)参加しようと思っています!なんでやねん状態にも慣れてきたとこですしね・・・