問題発見の進化 【3「問題発見の4P」の相互作用2】 | コンサルティングサンライズのブログ!

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3「問題発見の4P」の相互作用

■生命保険の営業は、顧客の「あるべき姿」と「現状」のギャップを正確に認識すること
生命保険というのはなかなか顧客ニーズが顕在化しずらい商品である。にもかかわらず、ニーズ=問題発見よりも、いきなり商品設計=解決策へジャンプしているケースが多く見受けられる。本来、生命保険の営業マンの仕事は、顧客あるいは見込客と話をしながら、客の4Pを探り出し、その情報から顧客の問題=ニーズを明らかにし、生命保険商品の設計にフィードバックすることにある。4Pは相互に関係するが、わかりやすいようにここではできる限りわけて記述する。

(1)目的軸(Purpose):保険の目的をどう位置づけるか
何のための保険なのか。例えば妻と小学1年生の長男、3歳の長女がいる35歳の男性を想定しよう。妻はまだ子どもに手がかかるので、専業主婦をしている。もし、いま自分が死ぬようなことがあったら、生活費はもちろん、子どものこれからの教育費、家のローンはどうするのか。
この男性にとっての保険の目的は、子どもが高校を卒業するまでに自分に何かあった場合のための、家族にとっての生活保障である。他にもいろいろ要因はあるし、実際の商品設計には詳細なデータが必要だが、大まかに言うとこういう男性のニーズに応えるには、子どもの高校卒業までの期間は死亡保険を厚くし、そのあとは死亡保険の額を減らすような設計にすることが多い。
別の40歳の男性の場合は、妻と2人暮らし。2人とも仕事を持っている。子どもはいないし、これからもつくるつもりはない。この男性にとっての生命保険の目的は、「もし自分が重い病気になったときに、仕事をしている妻に迷惑をかけたくない。また、もし余命いくばくもないと宣告されたときに宣告されたときに、生きているうちに何か楽しみを持てるようにしておきたい」ということであった。この場合は、死亡保険というよりも医療保険やリビングニーズ(死亡保険金の生前受け取り)といった保険を組み合わせて設計していく。
このように、単に生命保険に入るといっても、「目的」によって商品の選択肢が変わるのだ。

(2)立場軸(Position):だれにとっての保険か
 「目的軸」と重なってくる部分がかなりあるが、先はどの35歳の男性の例で言えば、「家族にとっての保険」である。 40歳の男性について言えば、「自分にとっての保険」という意味合いが強いのだが、この場合、「奥さんにとっての保険」という位置づけだけで見ると、問題が変わり、商品設計が変わる。この「だれにとって」が抜け落ちている場合が非常に多い。

(3)空間軸(Perspective):将来どう生きていくかという人生設計
前述の40歳の男性がなぜ「リビングニーズ」という考え方を待ったのか、それがこのパースペクティブのとらえ方とリンクする。つまりこの男性は、「もし白分かガンになって余命いくばくもないということになったら、そのことをはっきり自覚したうえで、やりたいことをやって死を迎えたい]という人生観を持っているからだ。そういうパースペクティブで生命保険をとらえると、死亡保険金ではなく、生きているうちにお金を受け取れる商品が望ましいという結論になる。
また、ある50代後半の夫婦の場合、夫があと数年で定年退職することになり、退職後は地方に家を購入してのんびり暮らしたいと考えている。子供はもう成人して自立しているので、特に子供のために何かを残すというよりも、自分たち夫婦がやりたいことを最大限できる環境づくりをしている。そんな夫婦にとっては、生命保険にあまりお金をかけたくない。それよりも病気やケガの際の医療保険を充実させ、一生涯保障されるような保険を望んでいる。しかし、多くの生命保険会社では、これまでは終身医療保険を扱っておらず、またある年齢を過ぎると医療保険単独では入れなくなる保険会社もある。

(4)時間軸(Period):保障期間をどうするか
生命保険の場合、保障期間という時間軸はとても重要なポイントである。ある時間を経過するとニーズが消滅していたり、保険以外の経済準備(投資や退職金)が予想されるからである。
先はどの35歳の男性の場合は、下の娘が高校を卒業するまでの間、自分に伺かあった時の保障を厚くしたいと考えている。いま娘は3歳なので、約15年だ。さらに大学卒業までを考えるとすると、約20年となる。たとえば15年の間、死亡時に最大限の保障がされるように設計すると、定期保険付きの終身保険がいちばん妥当だということになるが、これを15年と考えるのか20年と考えるのかで、支払う保険料の額が異なる。生命保険の場合は、時間の軸と支払う保険料の関係は非常に重要なポイントである。いくら残りの3Pを十分考慮しても、時間軸でとらえた場合に適さないという結論が出ることもある。生命保険の期間の問題は、最初の問題発見時にはある程度理想的な時間軸を考えておき、具体的解決のステージに入ったら、支払えるコストと絡めて詰めていく必要が出てくる。
また、先はどの40歳男性のような場合は、自分にとっての保険ということになると、保障期間は終身かそれに近い長期間のものになるだろう。
生命保険と4Pの関係について簡単に説明したが、このように4Pはどれか1つの要素が変わると、他の3つの要素にも影響が出る。そしてそのことが、「あるべき姿」をどうとらえ、その結果「あるべき姿」と「現状」のギャップをどう問題(ニーズ)として設定し、解決するのかということにつながっていく。



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