国家公務員も使っていないマイナ保険証を強制するな ラサール石井 東憤西笑

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2024/05/23 日刊ゲンダイ 

 

さてマイナンバーカードだ。いよいよ紙の保険証の廃止が始まる12月が近づいてきた。マイナンバーカードは任意のはずなのに、どうしても普及したい政府は保険証を人質に取りマイナ保険証を事実上強制しようとしている。

 私は抗議の意味もありマイナンバーカードを返納した。ホリエモンに「こんな便利なのに、ラサールとかバカじゃない」などと言われた。

 いやマイナンバーカードそのものは別にあってもいい。あらゆるものをそこに紐付けされるのが怖いのだ。しかも「何があっても国は責任取らない」と規約に書いてあるんですぜ。怖いでしょ。

 さらに皆さんはご存じかどうか。自分自身を証明する身分証明書。これがどんどんマイナカードに集約されてきている。

 ある種の公的書類の受け取りやさまざまな入会手続きに、今や保険証は使えない。写真がないからだ。ではパスポートはどうか。こちらも使えない。今や住所が書かれていないからだ。海外で自分を証明してくれるパスポート、なのに自国内では証明書にならないという不思議。マイナ普及のために、どんどん外堀を埋められているのだ。

 しかしマイナ保険証の利用率は全く上がらない。昨年12月には4%ちょい。最近は6%。岸田総理が「利用者は増加している」と言ったが、おいおい、たった2%を評価か。だったら「政権交代すべき」の52%の声を評価しろ。

 この増加のカラクリは、医療機関にマイナ保険証を促したら最大20万円補助を出すと決めたからだ。さらに薬局にも最大10万。薬局の窓口で「マイナ保険証がないと薬がもらえない」と勘違いする人も出てきてトラブルになっている。

 さらに河野大臣は「マイナ保険証を使えない医院があったら報告しろ」と密告を促す恐怖政治。あの強権政治そのものが恐怖だ。

 そもそも今のマイナカードは基本的な設計からやり直さなきゃいけない、デジタル的にレベルの低い代物だ。セキュリティーにも問題がありすぎる。カードと暗証番号と電器屋で買えるリーダーがあれば、誰でも読み取れる。偽造業者は「3日で作れる」と豪語する。

 その証拠に実は官僚たちもマイナ保険証を使っていない。国家公務員の利用率5.7%、防衛省に至っては3.5%。それはやはり、国家の中枢にいる人間が情報流出された日には大問題だからだろう。

 そんなもの国民に押し付けるな。

 毎回持って行かなきゃいけないマイナ保険証、月に1回でいい紙の保険証。紙でいいだろ。

 頼む河野太郎。もうそろそろ次の役所に移ってくれ。