日米比較、今回は「病院食」編!アメリカの病院で働き始めて驚いたことのひとつです。文化もシステムも考え方も色々違います。おったまげー!そんなアメリカの「病院食」事情を紹介します。

注 : 以下、全て私の経験に基づき話しています。日米共に全ての病院にあてはまるわけではありません。


食事時間

日本一日三食の食事時間が決まっている。病院や病棟によって多少のズレはあるものの、大抵朝8時、昼12時、夕18時で、ほぼ時間通りに配膳される。


アメリカ基本超自由。7〜19時の間は患者さんが自由にオーダーできる。4食くらい食べる方もいれば1食しか食べない方もいる。まー自由!


配膳方法

日本キッチンスタッフが病棟までカートを運び、病棟スタッフが患者さんの名前と食事内容を確認し配膳する。患者さんが食べやすいようにテーブルをセットしたり体位を整えたりするのは当たり前。


アメリカキッチンスタッフがカートを運び、1人1人に配膳する。患者さんが食べやすいようにテーブルやトレイを軽くセットしていくスタッフがほとんどだが、たまーにポイッとテーブルに置いていくだけのスタッフもいる。


食事内容・形態

日本食事の内容や形態は特に制限がなければ常食となる。他には、エネルギー/糖質/脂質/たんぱく質/塩分/カリウムコントロール(制限)食、6回食、低残渣食、流動食、三/五/七分/全粥、軟飯、きざみ食、ペースト食、とろみ付きなど患者さんの疾患、治療、嚥下状態などによって変わる。


アメリカお粥がない以外は日本と大体同じ。術後はClear Liquid → Full Liquid → (GI Soft) → Regularと食上げしていくことが多い。患者さんの回復と食欲に合わせてガシガシ食上げ!!

Clear Liquid : 水、アップルジュース、スプライト、ブラックコーヒー、ブロス、ゼリーなど

Full Liquid : アップルソース、プリン、ヨーグルト、クリームスープなど


メニュー

日本病院の栄養士さんによって決められていて基本選択肢なし、もしくはAかBの二択のみ。多少の好みは反映される。宗教により食べられないものはパソコンに入力され、提供されないようになっている。


アメリカ 食事制限がない場合は頼み放題、食べ放題、残し放題。自分で好きなものをオーダーするので嫌いなものを食べる必要なし。ただ、届いた食事が間違っていたり足りなかったりすることもけっこうよくある。パンケーキを頼んでバターもシロップもついてないとかおかしいやんщ(゚Д゚щ)


*インターネットの画像をお借りしましたが、私の職場のメニューもこんな感じです。画像が粗くて見えへんわ!という方、ごめんなさいm(_ _)m


ドリンク

日本食事時の水やお茶は病棟スタッフによって配膳される。追加で飲む場合は患者さん自身が自販機で購入することが多い。(夫ジョージは患者さんがわざわざ水を買わなければいけないことにとても驚いていた。)


アメリカ病棟にウォーターサーバーやコーヒーマシーンがあるので患者さんはそれらを飲み放題!スプライトやアップルジュースもある。さらにキッチンにはコーラ、ドクターペッパー、マウンテンデュー、ルートビアなどの炭酸飲料、オレンジ/グレープジュース、ゲータレード、バニラ/チョコレートシェイクなどもある。アメリカ人はよーく水分を摂取するけど、糖分も恐ろしいほど摂取している。


ちなみに私は日本で働いている間にコーラやスプライト、ましてやルートビアを飲んでいる患者さんを見たことがない。いたのかな?とにかく全く記憶にない!


食物アレルギー

日本全てのアレルギー情報は患者さんやご家族からの申告のもと、医師や看護師がパソコンに入力し、それらは食事管理にもつながっていて、アレルギー食材の混入がないようになっている。


アメリカ 日本同様に医者や看護師がアレルギー情報をパソコンに入力する。しかしなぜかアレルギー食材が混入していたことがあった。驚いて直ちにチャージナースに報告したが、これは本当に危険だし絶対にあってはならないこと。


食後の歯磨き

日本介助の必要な患者さんには歯磨きができるように準備&片付けしたり、スタッフが直接介助をして歯磨きを実施したりする。もちろん毎食後実施。


アメリカ歯磨きという行為を忘れているのかと思うほど患者さんは歯磨きをしない上に、看護師もそこまで口腔ケアに力を入れていない。歯磨きを促すことすらあまりしない。考えてみたらアメリカで歯磨きの直接介助をしたことがない&直接介助をしているスタッフを見たことがない。口腔内汚染のある方はスポンジで拭う程度。他の病院や施設では口腔ケアをしているのか気になりまする…


気になる点、問題点

日本食事に選択肢がないこと。好き嫌いの多い方には辛いと思われる。また、通常食でも基本的に味付けが薄めなので物足りないと感じる方も多い。


アメリカ食事を自分で選ぶため栄養が偏りがち。糖質脂質を明らかに摂りすぎている人もいる。


料理のオーダー(基本的に患者さんがベッドサイドの電話を使用しキッチンに電話する)に20〜30分くらいかかることが多々ある。これ、本当に本当にほんとーーーに無駄な時間。病気で辛い思いをしている患者さんがオーダーするのも大変だし、スタッフが代わりにオーダーするとなるとこの間仕事が滞ることになる。どうにかしてくれ…


キッチンが忙しかったり人手不足だと患者さんが食事をオーダーしてから2時間以上届かないことがある。そしてその苦情はもちろん病棟スタッフにくる。サ、イ、ア、クゥー\(^o^)/


日本でもアメリカでも、うちの病院/施設はこうだよー!ということがあると思います。ぜひ教えてくださいニコニコ


さて、次回は私が見てきたアメリカの病院食事情をさらに詳しくお伝えします!つづく。