これまた1980年頃のお話しですが、宜しければお付き合いください
母校、山梨県立甲府第一高等学校には強行遠足という
一種特殊な行事があります
当時男子は山梨県の甲府から長野県の小諸まで
104kmの道のりを歩きました
女子はその途中の区間をやはり46㎞、遠足しました
長野県は林檎も梨も素晴らしく美味しいところです
さて、ここに実は思春期の男女の恋愛ドラマが隠されています
強行遠足に向け、女子はせっせとお守りを手作りします
男子はせっせと小諸に到達できるよう練習に励みます
真心の籠ったお守りは
山越えを含む夜通しの強行遠足の無事を祈願するため
さながらバレンタインデイのように男子に手渡されるのです
そしてホワイトデイならぬお返しが、
なんと、小諸の林檎なんです
なかなか粋な校風習です
義理チョコならぬ、義理お守りもありました
人気者のお友達は小諸で1ダースの林檎を箱ごと抱えてました
ふらふらと足を引きずりながら
夜中は寒い寒い山越え、延々と104km続く、長い道のり
20時間ほどかけて夜通しで歩くのです
考えちゃいます、なんでこんなことやってんだ、
こんな辛い思いして歩いてるんだろうって
そんななので、もう皆、到着できる頃は、ボロボロです
蟹股でしか歩けない人たち続出です
もちろん、途中で断念する生徒もそれなりいます
だから、やっぱり大きな励みなんです
手作りのお守りは
僕には貴重なひとつだけでしたけど
だから林檎も美味しのをひとつだけ持ち帰りました
甘酸っぱい大切な想い出です