皆さんこんにちはニコニコ

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「スキルス胃がん 胃の全摘出を終えて」です。

 

 

胃の全摘手術から一夜明けて・・・

前日は夕方6時過ぎに麻酔から醒めて「取り敢えず生きている」という事だけを確認して眠りについた。

 

翌日目が覚めて改めて状況を確認する。

全身が管まみれで身動きするのも儘ならない状況であった。

背中から痛み止めの点滴を注入する管が脊髄の間に注されている。

腕には痛み止めや水分、栄養素などを補給する点滴が繋がれている。

心臓には心電図測定用の器具が付けられている。

 

尿管には排尿用の管が繋がれ、手の指には酸素濃度を測定する器具が付けられている。

膝から下の足の部分には血栓が出来ないように(しばらく動けないので)マッサージ機が24時間体制で稼働している。

 

こんな状況が2日ばかり続いた。

 

ほとんど身動きが出来ない状況が続くと、床ずれの痛みとの闘いが生じてくる。

様々な箇所の管が外れないように注意をしながら少しずつなんとか体を動かすようにする。

 

それでも大きくは動かせない。

 

耐えきれないほどではなかったが褥瘡の痛みに数日間苦しめられた。

時間の経過とともに少しずつ管が外されていく。

まずは背中に繋がれた痛み止めの点滴用の管から外されていった。

これが外れると体を動かすのに大分楽になる。

それから酸素濃度の測定器や心電図が外されていき、足のマッサージ機も外されていった。

最後まで残った管は腕から水分・栄養分を注入する点滴と排尿用の管だった。

だいぶ体を動かせるようになったが、まだベットから起き上がるまでには至らない。

 

それから数日が経ち、ベットから起きあがって3メートル先のトイレに補助してもらって

歩いて行けるぐらいの状態となったところで尿管に差し込まれた管が外された。

(外されるときは想像していた以上に痛かった)

最初は一人では歩けない。

トイレに行きたくなったら看護師さんを呼び、

看護師さんにパジャマのお尻の上の部分をギュッと掴まれてトイレに行く。

少しずつ歩行訓練をしていくことになるのだが、

次は病室の外10メートル程度のところにある体重計まで歩いていく。

同じように看護師さんにパジャマのお尻の上の部分をギュッと掴まれて補助してもらいながらの歩行訓練。

 

体重計に乗ってみると約56kg。

臓器を一つ取られて、1週間程度点滴のみによる水分・栄養分補給をすると

体重は約2割(14kg)減っていた。

「まるで女の子のような体重だな」

などと思いながら1日10メートルの歩行訓練を続けていく。

 

しばらくすると腕の点滴も外れお粥を中心とした病院食が始まることになった。

 

 

 

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スキルス胃がん胃の全摘出に向けて➂です。

 

少し記憶が曖昧だが、手術当日は朝8時ごろから看護師さんが来て準備を始めた。

手術に向かうためT字帯と薄い羽織もの1枚に着替えると、

3月の朝の肌寒さに身が震える。

 

手術の当日には妻と実母が病院に来てくれた。

コロナ渦ではあったが家族の付添は一人といった制限がなく、

病室から手術室に向かうエレベーターまでわずか数十メートル程度ではあるが2人に見送ってもらった。

 

たとえ短い時間だったとしても手術前に家族と会うのは

少なからず勇気が湧いてくる。

 

毎度のことになってしまうが

「これが最後の別れになる可能性もあるのかな」

などという思いがほんの少しだけ脳裏をかすめる。

 

T大学付属病院の手術室は審査腹腔鏡の手術の際に一度経験済み。

 

だが、前回が検査的な手術であったのに対して今回は胃の全摘手術。

 

手術に掛かる時間や難易度など格段に違うはずだ。

 

当然前回以上に緊張した。

 

頭の中では何故だかわからないが

「白い巨塔の音楽が ダダダダダダーン」と流れていた。

 

これから大手術という時に、ドクターX大門未知子ではなく白い巨塔かと自嘲する。

 

手術台に乗り麻酔を打たれるとほどなくして意識を失ってしまう。

この頃頻繁に出てくる思いなのだが、手術台を照らす眩しいライトを見て

「これがこの世の見納めになるかなー」などと思いながら手術は始まった。

 

何時間経過したのだろう目を覚ますと見慣れた病室に戻っていた。

手術が成功したかどうかなどわからない状況ではあったが、

目が覚めたということは取り敢えず「生きている」ということは認識ができた。

 

今何時だろうかと、ほとんど身動きできない状態であったが

何とか体を動かして時計を確認してみる。

 

夕方の6時を回っていた。

 

「病室に戻ってからも麻酔で眠っている時間があっただろうが手術時間はどれ位だったのだろう?」

「妻も母親ももう帰ったかな?」

「待合室でどれ位待っていたのかな?」

「手術結果に関しては家族に告げられているのかな?」

などということが取り留めもなく思い浮かんできた。

 

ただそれ以上色々考えるのが億劫になり、眠気に任せてそのまま再び目を閉じた。

 

 

 

 

 

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スキルス胃がん胃の全摘出に向けて➁です。

 

 

2021年3月手術予定日の4日前から入院することになった。

 

「大きな手術になるのだろうが4日前から入院する必要があるのかなー。

前日の入院ぐらいで良いのではないかなー」

などと思いながら準備をする。ダッシュ

 

多少の差額ベット代がかかるが、6人一部屋のカーテンで仕切りがある病室を選択。病院

これは前回腹腔鏡の検査の際入院した時と同じ。

一般病室と比較して少し広めのスペースが確保されていること。(一般病室は8人部屋)

カーテンではあるが他のベットと仕切りがあること。

パジャマなどが毎日用意され洗濯等を自分でする必要がないことなどなど、

少しでも快適な入院生活を送れるようにと入院費は少し奮発してみた。

 

ケチな自分に「生きるか死ぬかの時ぐらい多少の贅沢はしても良いだろう。」と言い聞かせながら。

(さすがに個室は費用負担が大きすぎて金額を見ただけで諦めました)

 

4日間の入院生活では特に変わったことはなく、何事もなく月日は過ぎていった。

 

理由を問うことはしなかったが、一つだけ今でもわからないことがあった。

それは手術時に着用するT字帯※を自分で用意しなければいけないということ。

(何処の病院でもそうなのかなー。T大学付属病院だけなのかなーなどどと考えながら)

病院の方で用意してくれれば良いのにと思いながらも、

病院1階にある売店に買いに行った。

 

外出のついでに(外出と言っても入院フロアーから1階に行くだけだが・・・)

病院内のタリーズでコーヒーを購入。

味気ない入院生活における細やかな幸せ。

 

※T字帯とは

ふんどしを簡単にしたようなもの、手術前後や出産前後に医療者が陰部を見やすいように作られた下着のこと

 

 

 

 

 

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スキルス胃がん胃の全摘出に向けて➀です。

 

 

胃全摘手術に向けて、まずは抗がん剤治療を始めていくことになった。

いろいろと先生に尋ねたりしなかったので詳しいことはわからないが、

手術前の抗がん剤治療には癌細胞を小さくする目的があるらしい。

 

既に心に決めた通りT大学付属病院の先生の言うとおりに治療を進めていく。

 

スキルス胃がんは手術による治療を目指せないケースがほとんどのようなので、

まずは手術が出来ることを願いながら治療と向き合う。

 

手術前の抗がん剤治療は週1回ペースで通院して行った。

毎回ほぼ決まった治療内容で1日のスケジュールはおおよそ以下の通りである。

 

 

➀病院はAM8時から開くのだが、毎回数十人は並んでいる。

8時ちょうどくらいに病院に行くが自動受付機による受付は8:20くらいになる。

受付が終わるとまずは血液検査。

ここも毎回多少の人数が並んでいるが8:30頃には終わる。

 

➁次は身長・体重・血圧・体温(コロナ渦の影響により)などを測定。

それが終わると胃食道外科の受付。

ここまででだいたい9時前後

 

➂先生の問診予約は毎回11:00~11:30

予約時間から少し遅れて呼ばれることもあるが、

問診を終えるとだいたい12:00少し前。

 

➃それからフロアーの違う抗がん剤治療の受付に向かう。

抗がん剤治療の点滴を行う病床は約30床あるが、

12:00くらいに受付をするとだいたい毎回10~20人程度の順番待ち状態。

一人一人の治療時間が長いので1~2時間はやはり待つことになる。

 

 

その間に昼食を取るおにぎり

 

 

➄治療開始はだいたい14:00前後

看護師さんによる健康状態の簡単な問診から始まる。

腕から点滴用の針を刺し、4段階で点滴を入れていく。

まずは吐き気止め、アレルギー予防用の(おそらく麻酔効果などもある)点滴から。

次に生理食塩水。次に抗がん剤(パクリタキセル)、最後にまた生理食塩水という流れ。

全体で2時間~2時間半の予定。

 

⑥そこから清算事務の受付に並び、自分の番号が電光掲示板に出るのを待ち、

番号が出てきたら自動精算機に並ぶ。

病院での清算が終わると薬局に向かい薬を処方してもらう。

待ち時間が多いが全て終わると夕方6時前後

 

 

本当に1日がかりの治療スケジュールとなる。

 

 

 

 

 

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更新が遅くなり申し訳ありませんアセアセ

 

今回はスキルス胃がんの治療➃です。

 

 

腹腔鏡の検査は生死にかかわるほどの手術ではないが、

大学病院の手術室というのは中に入るだけで緊張感が高まる。。

 

テレビに出てくるような手術設備に圧倒されるからなのか?

一体いくつ同時にオペが出来るのかというくらい多くの手術室が併設されている。

その内の一つに案内される。

 

手術の失敗などは想像していなかったので

「まさか今見ている風景がこの世の見納めになることはないよなー」

などと思いながら、上から照らされている眩しすぎる照明を眺めていた。

がんの転移がない事だけを祈りながら麻酔により徐々に意識を失っていった。

 

腹腔鏡検査の結果が出た。

腹膜に3つ転移が確認された。

 

どういう単位かわからないのだが

3つのがんはレベル1が2つ、レベル3が1つと告げられた。

 

腹腔内に癌細胞が散らばっているということではなさそうだが、転移はあった。

 

スキルス胃がんの腹膜播種に関して調べたことの一部を紹介させていただく。(色々と調べないと決心していたのに・・・)

 

【スキルス胃がんの播種転移とは】

多くのスキルス胃がんは、相応に進行してから発見され、ほとんどが「腹膜播種」という特殊な転移状態になっています。

腹膜播種とは、腹腔内にがん細胞がばらまかれるように広がってしまう状態です。

そのため手術が困難で、一般的には手術による治癒を目指せる段階ではありません。

どうしても化学療法により病状の進行を抑えることが中心となり、

担当医は患者さんが期待する“治癒・完治”とは別の目標を念頭に置くことにならざるを得ません。

つまり、腹膜播種の状態では完治が見込めないことがほとんどです。

 

スキルス胃がんは胃全体に拡がっているために、

行われる手術は胃全摘であることがほとんどです。

胃全摘後には食事摂取量が確実に減り、

胃切除後症候群と総称される術後障害の頻度が最も高いことが知られています。

後遺症に悩ませられながら抗がん剤投与というのは困難なケースが多く、

実際に十分な抗がん剤治療が出来ないことも多く経験します。

 

 

「うーん やはり絶望的」新しい治療研究に関しても腹膜播種が確認されると研究の対象外となるらしい。

研究中の治療は受けられないのかと少し落胆した。

 

3か所の転移が確認されたが手術による胃の全摘はまだ可能性があるらしい。

(癌細胞が腹腔内に散らばっていなかったのが不幸中の幸いなのか?)

 

検査・病名確定が終わり、いよいよスキルス胃がんとの闘いに臨んでいくことになった。

 

 

 

 

 

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