「日本の神話と神様手帖」

 

 

しばらく前から「古事記」に興味があったのですが、今回初めてそれに纏わる本を1冊完読しました。

 

「イザナギの命とイザナミの命の国生み」、「アマテラス大御神と天の石屋戸開きの話」、「スサノオの命のヤマタノオロチ退治の話」、「大国主神(おおくにぬしのかみ)と稲羽の白兎の話」など、細切れに聞き知っている話はあるものの、それらが体系的に繋がっておらず、また何故伊勢神宮や出雲大社が特別な神社なのかということも知りませんでした。

 

世界には沢山の国がありますが、アメリカやニュージーランドのように移民開拓によって出来た、比較的新しい国も多く、またはヨーロッパのように統治者が歴史上何度も変わってきた国も多い中、日本のように1つの統治体として長い歴史を誇ってきた国は世界でも稀なケースです。

 

そして長い歴史を誇る共同体には、大抵の場合「国造りの神話」なるものが存在します。ニュージーランドの原住民であるマオリ人然り。既に滅びましたが、古代ローマ帝国然り。自分の国こそ長い期間持たなかったものの、日本人同様長い歴史を誇るユダヤ人の「ユダヤ暦」では、今年は5784年。そしてユダヤ人にとっては旧約聖書が「ユダヤ人のルーツ」に当たります。(「旧約聖書」はキリスト教の書物なので、ユダヤ教では「トラー」や「タルムード」と言いますが。)

 

日本人のルーツや「国造り神話」と言えば、古事記と日本書紀。縁あって友人から「日本の神話と神様手帖」という本を頂いたので、取り敢えずここから始めてみました。

 

読み進めていくうちになんとなく分かってきたのは、本に出てくる登場人物は皆「神様」ですが、出雲の国を治められた「大国主神(おおくにぬしのかみ)」や、天照(アマテラス)大御神の孫とされている「邇邇芸命(ニニギノミコト)」など、おそらくそれらの神様は、歴史のどこかに存在していた「統治者」だったという点。

 

特に興味深かったのは、以前読んだことのある、この本との繋がりでした。

 

 

じゃん!! 手塚治虫の「火の鳥(黎明編)」です。

 

今回読んだ本に「猿田毘古(さるたびこ)神」と「天宇受売(あめのうずめ)神」という夫婦の神様が出てくるのですが、、、

 

 

「火の鳥」にも2人が登場しています!

「猿田彦」と「ウズメ」、やはり結婚して夫婦になります。

 

 

そしてこちらが高天原族のニニギ。

古事記では天照大神の孫なので、「天孫」という扱いで、

神武天皇の曾祖父ということらしい。。。

 

今回よかったのは、神話に登場する神様を主祭神として祀る神社が、本の中にリストアップされてされている点。(例えば、伊勢神宮の内宮の主祭神は天照大御神、そして出雲大社のそれは大国主神です。)そうやって歴史や神話と絡めながら神社を参拝したら、また面白さも増すのではないかと思いました。
 
それにしても神話に出てくる日本の神様の名前は、とても複雑。例えば天照の子供の1人である「正勝吾勝勝速日(まさかつあがつかちはやひ)天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)」。「正勝吾勝勝速日」という言葉は、合気道の関連で知っていたのですが、ここが語源とは初めて知りました!
 
日本神話奥深い。。。まだまだ分からないことばかりですが、これからも機会があれば少しずつ齧っていこうと思います。