「この世界の片隅に」ウエッブサイトより

 

 

 

以前から観たかった映画「この世界の片隅に」を次女と観ました。

 

戦時下、広島から呉へ嫁いだ、絵を描くことが好きな「すず」という主人公の毎日をテーマにしたお話です。

 

戦時中のお話なので、家族が戦死したり、空襲や原爆の被害にあったり、、、ということは起こるのですが、お話の中心は「すずの日常」。でも別に「戦時下を『必死に頑張って健気に』生きるといった、堅苦しさはなく、のんびり屋さんで、ちょっとぼーっとした所のある「すず」が、毎日を当たり前に、出来ることをして過ごしている、、、そんな感じのほのぼの映画です。

 

最近読んだ「禅とジブリ」という本に、以下のような一節がありました。

 

 

本来人間というのは衣食住、この三つがあれば生きていけるわけじゃないですか。(中略)今の時代、衣食住はあって当たり前、そうすると後はみんな付加価値で生きているわけです。そこにどれだけ意味がないかを(「火垂るの墓」という)映画でやってみたかったんですよね。(117−118ページ)

 

 

「この世界の片隅に」でも、戦争末期が近づくにつれて、「衣食住」が脅かされるようになってきます。幸いすずの家は空襲でも焼け落ちることなく、少ないながらも食べ物はあり、飢えることはありませんでしたが、すずのご近所さんでも家を亡くした人は沢山いましたし、最後は原爆孤児を家に引き取るシーンもありました。(その子はすずの家族に引き取られなければ、餓死していたかもしれません。)

 

毎日やらなくてはいけないことを淡々とこなしていく。そしてそこに幸せを見出す。すずとは違い、ありがたいことに衣食住に困らない環境に育った私でも、すずと同じ生き方は、選択すれば多分出来るはず。続編も是非観てみたいと思います。