昔購入した本を読んでいる。2014年から2019年までの週刊コラムをまとめたもの。
翻訳があれば、と思う。
Stephen F. CohenのWar with Russia? From Putin & Ukraine to Trump & Russiagate
今朝の孫崎享氏のメルマガ題名
ウクライナ軍消耗度合い、AP [ウクライナが兵隊を失う時、どれだけ長く戦い続けられるか?] 、ゼレンスキーは今週、ウクライナは戦闘で毎日60から100人の兵士を失っていると述べた。
SOS! 経済的ピンチのIWJにご支援を!/ベラルーシのルカシェンコ大統領とロシアメディアが、ウクライナでクーデターの可能性と主張!」
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我々の思考を支配したいと望んでいることを十回示した帝国の言説管理者
2022年5月29日
ケイトリン・ジョンストン
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我々社会で最も見過ごされ、過小評価されている局面の一つは、我々が世界に関して考える思考を操作するために、非常に権力を持った連中が常時活動している事実だ。それをプロパガンダや心理作戦、認識管理あるいは広報と呼ぼうと、それは常時起きている本当の事で、我々全員に起きている。
そして、その結果が、我々の世界全体を形づくる。
これは、ニュースや世の中の傾向やアイデアを検討する際、我々の注意の最前線にあるべきなのに、ほとんど言及されない。これは大規模心理操作が成功しているためだ。人がそれが起きていることを知らない場合にのみ、プロパガンダは機能する。
はっきりさせて置くが、私はここで何か風変わりな確証がない陰謀理論を語っているわけではない。私は陰謀の事実を話している。我々に対し権力を持った連中によって我々がプロパガン洗脳されていることは情報を熟知した誠実な人々に本格的に論争されていないが、長年、広範囲に記述され文書化されている。
それ以上に、欧米や、他の国々を支配するアメリカに中央集権化した帝国の支配者は、彼らが我々を洗脳し、我々を更に洗脳したいと望んでいることを単刀直入に我々に示している。彼らは、その行動で我々に示し、彼らは時に正面切って、彼らの言葉で我々に言うのだ。
以下は、そうしたものの一例だ。
1.オペレーション・モッキングバード
おそらく最もよく知られている例から始めよう。1977年に、オペレーション・モッキングバードとして知られる計画で、アメリカの影響力がある各報道機関にCIAが密かに潜入しており、400人以上の手先と見なせる記者がいると報じる「CIAとメディア」という題の記事をカール・バーンスタインが書いた。
それは大スキャンダルだったが、まさにそうだった。ニュース・メディアは、世界中で起きていることについて、スパイや戦争屋の狙いに沿うように大衆の認識を操るのではなく正直に報じるものと考えられている。
だが事態、それ以来もっと悪化している。
2.今や諜報機関工作員は、公然とメディアで働いている
最近CIA協力は公然と行われているが、これをスキャンダラスと認識するには人々は余りに洗脳されている。ニューヨーク・タイムズのような非常に影響力を持ったメデイアが無批判でCIA偽情報を伝えると、ケーブルニュースの評論家連中が、それを事実として歪曲する。ワシントン・ポストは、標準的ジャーナリズム規範に従って、アメリカ諜報機関について報告すべきなのに、唯一の所有者がCIA請負業者である事実を公表するのを終始拒否している。周知のCIA工作員であるNBCのケン・ディラニアンや、アンダーソン・クーパーのようなCIAインターンや、タッカー・カールソンのようなCIA希望者同様、ジョン・ブレナン、ジェームズ・クラッパー、チャック・ローゼンベルグ、マイケル・ヘイドン、フランク・フィグリウッツィ、フラン・タウンゼンド、スティーヴン・ホール、サマンサ・ヴィノグラド、アンドリュー・マッケーブ、ジョシュ・キャンベル、アシャ・ランガッパ、フィル・マッド、ジェームズ・ガリアーノ、ジェレミー・バッシ、スーザン・ヘネシー、ネッド・プライス、リック・フランコーナ、マイケル・モレル、ジョン・マクローリン、ジョン・サイファー、トーマス・ボサート、クリント・ウォッツ、ジェームズ・ベーカー、マイク・ベイカー、ダニエル・ホフマン、デイビッド・プライス、エバリン・ファーカス、マイク・ロジャースやマルコム・ナンスなどの諜報機関ベテランを今やマスメディアは堂々と雇用している。
オペレーション・モッキングバードでは、CIAがメディアに工作をしていた。我々が今目にしているのは、CIAが公然とメディア役を務めているのだ。CIAとニュース・メディア間のどんな意味のある分離も、本当にどんな分離の見せかけさえ放棄されている。
3.リチャード・ステンゲルのCFRでの対プロパガンダ発言
元アメリカ国務省当局者で「タイム」誌編集者リチャード・ステンゲルは、この上なく影響力があるシンクタンクの外交問題評議会CFRが企画した2018年の催しで、外国、国内の両聴衆へのプロパガンダ使用に対する明白な支援を表明した。
「基本的に、全ての国は自身の言説を作り出す」とステンゲルは言った。「国務省における私のかつての仕事は、人々が主席プロパガンダ官だと冗談を言うものだった。私はプロパガンダに反対ではない。あらゆる国がプロパガンダをする、彼らは自国民にプロパガンダをしなければならない。私は必ずしもそれが、それほどひどいとは思わない。」
興味深いことに、何年も前、オバマ政権下の国務省時代に、ステンゲルは実際に、まさに「プロパガンダ」という単語の意味を彼自身で定義したが、それは彼がCFRの聴衆に言ったほど無邪気なものではない。
「プロパガンダとは、聴衆に影響を与えるため、虚偽あるいは紛らわしいと知っている情報の意図的流布」とステンゲルは2014年に書いていた。
それは帝国経営者が同時に持つべき二つの非常に興味深い立場、特に現大統領の政権移行作業チームで働いた人のものだ。
4.プーチンに対する情報戦争に勝つため、ロシアに関する偽情報を報道機関に広めていると言うアメリカ当局者
先月、複数の匿名のアメリカ当局者が、バイデン政権がプーチンに対する情報戦争を行うため、ウクライナでのロシア計画に関する「低信頼度」や「確かな証拠というより分析に基づく」「諜報情報」を引用する報道や、全くのウソを急速に推進している話題をNBCニュースが報じた。
この目的のため、差し迫った化学兵器攻撃や、侵略を正当化するためのロシアによりドンバスでの偽旗攻撃計画や、プーチン顧問が彼に誤った情報を伝えたことや、ロシアが中国に武器供給を求めたことについて、アメリカ政府が意図的に、ウソや証拠不十分な主張を広めたと、この報道は言う。
だから連中はウソをついたのだ。連中は高尚な理由でウソをついたというかもしれないが、ウソをついたのだ。連中は承知の上で、信じる理由皆無の情報を広め、そのウソを、欧米世界で最も影響力があるメデイアが展開したのだ。
マスメディアが、絶えず「偽情報」の危険について大衆に警告する報道を大量に流す中、これが起きたのは、全員にとって皮肉なことだ。
5.反対意見を防ぐため、大衆の考えを操るのは、お前らの仕事だと上院議員がシリコンバレー幹部に言った
2017年にグーグル、フェースブックTtwitterの代表が上院司法委員会に召喚され「情報反乱を鎮め」なければならないと言われ、彼らのプラットホームで「反政府活動を煽動するのを防ぐ」誓約を表明する基本理念を考案するよう指示された。
「内戦は発砲では始まらず、言葉から始まる。アメリカ自身の戦争はすでに始まった。ソーシャル・メディアの戦場で、我々全員、あっという間に激しい対立を引き起こし、容易にアメリカ分裂国へと変えかねない情報反乱を鎮圧するために今行動しなくてはならない。」「虚偽情報の集中砲火がソーシャル・メディア・ユーザーに着弾するのを防ぐには、作り話を配布するメディアを沈黙させることだ。銃を沈黙させれば、一斉射撃は終わる。」と大手ソーシャルメディアはシンクタンク所員で元FBI職員クリント・ワッツに言われたのだ。
独占的億万長者企業が、本格的な独占禁止法違反訴訟まで含めた行動をとることで、簡単に、彼らの生活をずっと厳しく、ずっと利益が上がらないようにできる立法府の要求に直面する際、彼らは拒絶できない提案されているのだ。これは、2017年の聴聞会の際、ダイアン・ファインスタイン上院議員の、もしそれら企業が、公式に認められていない情報のオンライン普及を阻止し損ねたら介入するという脅迫で明らかにされた。
「あなた方は、それについて何かしなければならない。さもなければ我々がそうする」とファインスタインはオンラインプラットホームに言ったのだ。
6.国土安全保障省の「偽情報統治委員会」
国土安全保障省の激しい論争の的の偽情報統治委員会は、批判する人々が適切に、政府が運営する真実省だとレッテルを貼った大衆の抗議を考慮に入れ、見直しを待って業務を「中断した」。だがその見直しは、こともあろうに腐敗した帝国の沼の怪物マイケル・チャートフとジェイミー・ガレリクが率いるのだ。
政府機関は、絶対的現実の客観的調停者として大衆に奉仕することを託せる公正な全知の神ではないから、いかなる政府機関も、大衆のために、偽情報と情報を区分けする権限を自身に与える権利などない。あらゆる独裁政権がするのと同様、彼らは結局、確実に、何が真実であるかとは無関係に、何であれ彼らの権益の為になるよう、情報、誤報と偽情報に区分けすることになるはずだ。
何がその見直しで起きるにせよ、この委員会の任務が、現在の名前の下、あるいは何か他の一層入念に隠蔽する名前の下で続くのは確実だ。この機会を利用せずに過ごすには、帝国は大衆の思想の益々強力な支配に対する余りに多くの熱狂を表明している。
7.2012年のスミス-ムント近代化法
2012年12月、アメリカ議会は、政府が、アメリカ国民にプロパガンダするのを阻止するため適切に設定されていた制限を終わらせたと批判者たちが言った2013年の国防権限法の一部としてスミス-ムント法修正を成立させた。
この法律は、翌年、重要な話題に取り組んでいる最中に、不可解な自動車事故で亡くなったジャーナリスト、マイケル・ヘイスティングスがバズフィードニュース記事で最初に取り上げた。
「それはアメリカ人の保護を取り除く」と匿名国防総省当局者がヘイスティングスに言った。「それは、この情報を消したいと望んでいる人々への監督を無くす。ここにはチェックとバランスがない。誰も情報が正確か、部分的に正確か、完全に誤っているかどうか分からない。」
ヘイスティングスの報告はオンライン論争をひき起こし、2012年のスミス-ムント近代化法として知られるようになるものの彼の分析に多くが同意し、他の連中は懸念は根拠がないと言った。いずれにせよ、過去10年にわたり起きた全てで、アメリカ人が国内プロパガンダの劇的エスカレーションを懸念したのは正しかったことは今や明確だ。
8.レーガンの心理作戦
故ロバート・パリーは当時のイラン・コントラ疑惑のパリーの広範囲な仕事に直接関連していたレーガン政権の大規模心理操作作戦に関しコンソーシアムニュースに多数の記事を書いた。
中南米で展開しようとしていた下劣な狙いに、より多くの支持を得るため、ベトナム戦争後、国民の戦争疲れとアメリカ干渉主義不信に対処するのに、レーガンとこの政権のネオコン用心棒が、どれほどが取りつかれていたかパリーは記述した。ホワイトハウスが、公には「広報文化外交」、内密には「認識管理」に呼ぶ同意でっちあげという目標の上でウォルター・レイモンド・ジュニアという名の特におぞましい悪漢が重要だった。
「「認識管理」の勝利」という題の記事で、パリーは下記のように書いていた。
イラン・コントラ宣誓供述で、レイモンドは、こう言って、プロパガンダ構造の必要性を説明した。「アイデアの戦争に対処するため我々は効果的に構成されていなかった。」
この欠点の理由の一つは、連邦法が、税金が国内プロパガンダや議員に圧力をかけて従わせるための草の根ロビー運動に使われるのを禁止していたことだった。もちろん全ての大統領と彼のチームは公衆の前で自分の言い分を述べる膨大な資産を持っていたが伝統と法律によって、それは演説、証言と議員の1対1での説得に限定されていた。
だが事態は変化しようとしていた。1983年1月13日のメモで、NSC顧問クラークはこの目的を推進するため非政府資金が必要を予見した。「我々は民間資金を得るためのシナリオを開発する」とクラークが書いた。(レーガン図書館にファイルされている記録によれば、まさに五日後、レーガン大統領は秘密会議のため大統領執務室に自らメディア大君ルパート・マードックを迎えたのだ。)
政府高官連中が裕福な支援者と接触すると、この作戦が、外国の聴衆のみならず、合衆国世論、報道機関やニカラグア反政府派への資金供給に反対した民主党議員を狙ったのてで、国内プロパガンダに対する一線は間もなく越えられた。
9.Covid規制を一般人に心理作戦技術を試す機会として利用しているカナダ軍幹部
去年、大流行規制遵守確保という見せかけの下、カナダ軍が、Covid発生を、自国民に実際の軍の心理作戦技術を実験する口実として使用したとオタワ・シチズンが報じた。
若干の抜粋:
「コロナ大流行は疑うことを知らない大衆にプロパガンダ・テクニックを試す無類の機会だとカナダ軍幹部が見なしたと新たに発表されたカナダ軍報告が結論している。」
「CJOCとして知られるカナダ統合作戦軍が考案した計画は、アフガニスタン戦争中に使われたものに似たプロパガンダ技術に依拠していた。作戦は情報を「形成し」「利用する」ことを主張していた。情報作戦計画は、コロナ流行中のカナダ人による市民的抵抗を阻止し、大流行に関する政府メッセージを強化するため必要だったとCJOCは主張した。」
「CJOC計画とつながってはいないが、カナダ軍情報局員に監督された別のイニシアティブがオンタリオで、ソーシャルメデイアの記事から情報を選び出した。データは、平和的なBlack Lives Matter集会やBLM指導者に関しても集められた。」
「「これは本当に我々全員の学習機会で、情報作戦を我々の(カナダ軍-国防省)日常活動に組み込む好機だ」と海軍少将が述べた。」
「更にもう一つの報告は、カナダ軍広報部とその活動に集中した。去年広報部は軍の広報担当官がカナダ人の態度と行動を変えるためプロパガンダ使用を可能にし、公共ソーシャル・メディア・アカウントから情報を集め解析する物議を醸す計画に着手した。」
「この計画は、スタッフが、大衆とやりとりする伝統的な政府の方法から、カナダ人に対する情報戦争と影響戦術を使う一層積極的な戦略に動くことになる。」
だから帝国管理者は大衆に大規模心理作戦を使うだけでなく、作戦を実験し、それらから学んでいるのだ。
10.アメリカ政府、ウクライナ「独立」メディアに資金供与
最後に、ウクライナに送られた悪名高い400億ドルの代理戦争支援パッケージが「ロシアの偽情報とプロパガンダ言説に対処し、ロシアの人権侵害に対する説明責任を促進し、表現の自由を擁護するため、活動家、ジャーナリストと独立メディアを支援すべく」割り当てられた資金を含んでいるという事実がある。
だから情報戦争だ。アメリカ政府は、彼らを活動家、ジャーナリズムや独立メディアと呼んで、それら操作に隠れ蓑を与え、この戦争に対する大衆認識を操作するため情報戦争に資金供給している。
主流欧米報道機関が、無批判に、一片の証拠もなしで、ウクライナから出る最も奇妙な話さえ報じていることを考えれば、この政府に資金供給されたプロパガンダは欧米世界全体に広まると予想できる。
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