2022年6月2日
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ウクライナでロシアに決断の時が来た
ポール・クレイグ・ロバーツ
私は、クレムリンがウクライナへの限定的な介入は誤りであったと結論づけたのではないかと思っている。 クレムリンが、ドンバスからすべてのウクライナ軍部隊を追い出す努力に失敗するという意味ではない。 クレムリンが犯した間違いは、軍事介入を限定的なものにできると考えたことだ。
米国とNATOは現在、紛争に関与している。 ウクライナには重火器が提供され、その使い方の訓練も行われている。 米国は現在、ロシア領土を攻撃できるミサイルを送る手配をしている。 明らかに、この紛争には何の制限もない。
ロシアにとってのジレンマは、軍事行動をウクライナ東部のドンバス地域に限定することによって、西側の兵器がウクライナ西部に集積し、ロシアがドンバスで破壊している軍隊に代わる軍隊を調達することが可能になっていることである。 クレムリンはドンバスの解放には成功するが、介入をウクライナ全土に拡大しない限り、ウクライナの非軍事化、中立国化を目指すことはできない。
さらに、中立国フィンランドとスウェーデンのNATO加盟要請によって、紛争も拡大している。フィンランドがNATOに加盟すれば、ウクライナ介入が阻止しようと意図したロシア国境でのNATOのプレゼンスが大きく拡大する。
クレムリンは、紛争に介入する国は戦闘員として扱われると警告しているが、何の行動も起こしていない。ロシアの脅威は無視され、軍事的に重要でないデンマークでさえ、公然とウクライナに武器を送っている。 その結果、米国とNATOによる介入がさらに進むことになる。
危険な状況は、クレムリンが実施しないレッドラインを宣言したことによって作り出された。 ワシントンの挑発行為に対するロシアの対応が遅れ、限定的であることが現在の紛争の原因であり、対応の遅れと限定性が現在の紛争が制御不能に陥りそうな理由である。
クレムリンが、欧米の介入による戦争の拡大を防ぎ、NATO以外のヨーロッパが中立を放棄するよう威嚇するために、ウクライナを迅速かつ完全に征服する必要があることは明らかであった。 それどころか、ロシアの限定的な行動によって、ワシントンは紛争を拡大し、ドンバスでウクライナが敗北した後も紛争を継続させるための数カ月を得たのである。 西側のプロパガンダは、ウクライナが戦争に勝っていると西側住民に信じ込ませることにさえ成功している。
クレムリンは、平和的・外交的な解決策がないことを理解できていないようだ。 ミンスク合意というクレムリンの誤った希望が、ドンバス共和国を奪還するためにウクライナ軍を訓練し装備するための8年間を、ワシントンに与えたのだ。 もしクレムリンがドンバスがクリミアのようにロシアに再統合されるという要求を受け入れていれば、すべての紛争は避けられたはずだ。 クレムリンのこの戦略的ミスは、ワシントンがウクライナ政府を転覆させ、ロシアに敵対する傀儡政権を樹立するのをクレムリンが傍観した、より大きな、より以前のミスに続くものである。
私は、クレムリンの自制心と暴力に訴えることのない姿勢を賞賛している。 問題は、この行動が、ワシントンの覇権を阻む国々に対して、ウォルフォウィッツ・ドクトリンでより積極的に行動することを促すかどうかである。
ロシアは、これまでの8年間と同じように、ワシントンがウクライナ軍を再び増派し訓練する間、再び手をこまねいているか、ウクライナに素早くノックアウトの一撃を与え、政府を交代させ、ナチスとCIAの要素をすべて追い詰めて抹殺するか、あるいはやめるかであろう。 そうでなければ、欧米の介入を強めることで、紛争が制御不能に陥る可能性が高くなる。
クレムリンはこのことを自ら見抜き、核戦争の可能性を警告しているが、この可能性を阻むために必要な行動を取らない。
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https://www.paulcraigroberts.org/2022/06/02/decision-time-has-come-for-russia-in-ukraine/