【号外第11弾】英国の独立系メディア『Morning Star』がまたしてもスクープ! #アゾフ連隊のリーダーの一人、アルチョーム・ムラホフスキーがドネツク人民共和国軍に殺害された! #アゾフ連隊は、ドイツを含む海外の極右組織とつながりを持ち、ウクライナ国内の警察や軍隊にファシストが潜り込んでいるという正しい指摘も!
英国の独立系メディア『Morning Star』が、ドンバス地方で#アゾフ連隊が24日大敗し、その際、#アゾフ連隊のリーダーの一人がドネツク人民共和国軍に殺害されたと25日伝えました。
※Leader of Neonazi Azov Battalion reportedly killed(Morning Star、2022年3月25日)
この『Morning Star』の記事で注目すべきはもう一つあります。
#アゾフ連隊はドイツを含む海外の極右組織とつながりを持っており、ウクライナ国内の警察や軍隊にファシストが潜り込んでいるという指摘です。
さらに、#アゾフ連隊の本部はマリウポリにあり、戦争犯罪をドンバス地方で犯してきたという正しい報道をしている点です。
日本の大手メディアは、米国・NATOの顔色をうかがった忖度報道で、#アゾフ連隊の凶悪さとファシストであるその本質を矮小化することに終始しています。
以下が25日の『Morning Star』の記事全文仮訳です。
「悪名高いネオナチ軍の#アゾフ連隊は、激しい戦闘が続くウクライナで、木曜日(3月24日)に大敗を喫したという。
ドネツク人民共和国軍は、ウクライナ東部ドンバス地方のアヴディフカ市での戦闘で、ファシスト部隊のリーダーの一人、アルチョーム・ムラホフスキー(*)を殺害したと主張した」
訳注*)アルチョーム・ムラホフスキーは、ユーロ・マイダン・クーデターの後、ドンバス戦争の開始とともに、#アゾフ連隊に加わり、ドネプロペトロフスクのネオナチ運動の指導者の一人になった。2022年2月、ムラホフスキーはウクライナ軍の第25シケスラフ旅団(第25独立空挺旅団)に動員された。
※СМИ: на Украине ликвидировали одного из лидеров ?Азова? Мураховского(NEWS.RU、2022年3月23日)
https://news.ru/world/na-ukraine-likvidirovali-odnogo-iz-liderov-azova/
「同連隊はまた、包囲された黒海の港町マリウポリで、2月24日にロシアの侵攻が始まって以来最大の損失を被ったという。
#アゾフ連隊は同市に本部を置き、ロシア軍からの防衛を続けている。
戦争が始まる前、ネオナチ連隊は市民民兵の一員としてマリウポリで地元の人々を訓練しており、この訓練は西側主要メディアで広く報道された。
しかし、ほとんどのメディアは、『バブーシュカ』(ロシア語で女性が頭を覆うのに用いるスカーフのこと。転じて、「老婦人・祖母」の意)に戦闘用ライフルの使い方を教えている写真を撮った兵士が、実際にはドンバス地方で恐ろしい犯罪を犯したファシストであることを説明しなかった。
ロシアのプーチン大統領は、ロシアのウクライナ侵攻を、ウクライナの非ナチ化および非武装化を目的とした『特別作戦』であると述べている。
西側諸国はプーチン氏の主張を非難し、各国政府やBBCなどのメディアはウクライナにおけるファシスト勢力の影響力を軽視している(*)」
訳注※)ウクライナにおけるアゾフ連隊などのファシスト勢力の影響力については、IWJ【号外第9弾】【号外第8弾】【号外第4弾】【日刊IWJガイド号外】を御覧ください。また、岩上安身はウクライナの極右ネオナチ組織、アゾフ連隊について、かねてより危機感を示していた国際政治学者の六辻彰二氏に2回連続のインタビューを行っています。是非御覧ください。
※【号外第9弾】<ウクライナのネオナチはロシアのプロパガンダではない! その2>ポロシェンコ政権、ゼレンスキー政権、米国とウクライナネオナチとの関係を英調査報道機関『べリングキャット』が2019年に詳細に報告していた!! 退役軍人省を利用して地位と利権を貪るネオナチ! アゾフ大隊元司令官ビレツキーは政党「ナショナル・コープス党」を率いて2019年まで国会議員だった!! 2022.3.29
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/504129
※【号外第8弾】ウクライナ軍がロシア兵捕虜を拷問!? ロシア兵の足を撃ち、激しく殴打! カメラ前でショック死も!! 映像がネットで公開され、ロシア、ウクライナ両当局が調査を表明! ウクライナ側は「ロシアの偽造映像」と示唆!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/504120
※【号外第4弾】「テロリズム・アナリスト」リタ・カッツ氏がワシントン・ポストに寄稿!「欧米のネオナチは『超国家主義的民族国家』を作るためにウクライナに集まっている」!!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503642
※【日刊IWJガイド号外】岩上安身です。ウクライナ関連のスクープです。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503569
※米国主導で大量の武器が送られるウクライナで育つ外国人戦闘員が戦後『白人テロ』拡大の危険を招く!~岩上安身によるインタビュー 第1070回 ゲスト 国際政治学者 六辻彰二氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503870
※米国主導で大量の武器が送られるウクライナで育つ外国人戦闘員が戦後「白人テロ」拡大の危険を招く! 岩上安身による国際政治学者 六辻彰二氏インタビュー 第2弾
https://www.youtube.com/watch?v=lBl_KnzzXAk
「極右勢力の影響に関する議論は、しばしば 『親プーチンのプロパガンダ』として退けられる。
マイダンのクーデターを受けて2014年にウクライナ軍に統合された#アゾフ連隊は、ネオナチ活動が復活したドイツを含む海外の極右組織とつながりを持っており、国内の警察や軍隊にファシストが潜り込んでいるという。
国連の最新統計によると、ロシアの侵攻が始まってから約4週間で、1081人の民間人の死亡が確認されているが、死者数はもっと多いという。
マリウポリでは集団墓地が発見され、国連ウクライナ人権監視団のマチルダ・ボグナー代表は、チームが評価を実施していると述べた。
『ある集団墓地では衛星からの情報を得ることができ、その墓地には約200人が収容されていると推定している』と述べた。
国連は、ドネツクでのウクライナ軍による無差別砲撃の疑いや、親ロシア派と見られる人々が警察に殴られたことについても調査していると述べた」
以上が、3月25日付『Moring Star』の記事全文の仮訳になりますが、ここで、注目したいのは、プーチン大統領が、ウクライナ侵攻の目的の一つとして掲げたウクライナの「非ナチ化」および「非武装化」と、#アゾフ連隊の指導者たちの排除の関係です。
ロシアの将官が7人殺害されたという点にフォーカスする西側メディア(日本のマスメディアを含む)が多い中で、『Morning Star』はプーチン大統領の目的達成と#アゾフ連隊の指導者の排除を関連付けて報道しています。
日本でも欧米でも、こうした観点からの報道がほとんどないのは、ロシアの「スポークスマン」あるいは 「親プーチンのプロパガンダ」として見なされるからです。
ウクライナの「非ナチ化」と「非武装化」という観点から、日本ではまったく報道されていない注目すべきもう一つのニュースがあります。
それは、3月16日に、アゾフ連隊の主要な思想家として知られるニコライ・クラフチェンコが、ロシア軍によってドンバス地方で排除されたというニュースです。
※На Донбассе ликвидирован главный идеолог батальона ?Азов?(レポーター、3月16日)
https://topcor.ru/24505-na-donbasse-likvidirovan-glavnyj-ideolog-batalona-azov.html
理由の如何を問わず、一国が主権をもった他国を軍事的に侵攻することは許されません。
しかし、こうしたロシアの目的とその行動結果を冷静に比較検証することで、いったい、なぜ、ロシアがウクライナに侵攻したのか、その本当の理由が明らかになってくるのではないでしょうか。
それは、どうすれば、同じことが防げるのかに関する確固たる知見を与えるはずです。