★「エネ計」の基本政策分科会では原発の新増設やリプレースの発言。経産相は否定しているが警戒要。
★被曝強制の日本政府の“帰還政策”とICRP2007年勧告の緊急被曝状況・現存被曝状況・計画被爆状況批判。100ミリシーベルトだったら一目でわかる健康被害はない(というのも実は嘘だが)しかしその数字は一生にわたる被曝の合計の数値である。
https://twitter.com/keroppu8649/status/1395656297169637376?s=20
★そういえば一昨年ICRPは公衆被曝限度(年間1mSv)を改悪しようとした。多くの反対で未遂に終わったか。
★菅政権のコロナ対策、オリンピック強行姿勢、イスラエル支援、ミャンマー支援への批判。
★東電株主代表訴訟証人尋問(5/27)、大間裁判院内集会(5/28)、「ストップODA!ダイ・イン @外務省前」(当日18時半~)の案内。
終了後、50名を超える参加者の多くは筋向いの外務省に向かう。私は雨脚が強くなった中で応援を得て椅子類の片づけ。重かったからか少々腰を痛めた、注意せねば。(K.M)
原子力ロビーによる放射線被曝の押付けを拒否しよう! その33
「脱核完了のための12項目~連邦環境省の基本姿勢」を読もう
~ドイツ連邦環境省が2021年3月11日に発表~
2021年5月24日 木村雅英
3.11東電福島原発事故後にいち早く脱核(脱原発)を決定したドイツ(連邦)が、2021年3月11日に「脱核完了のための12項目~連邦環境省の基本姿勢」を発表した。
ドイツ語原文の翻訳が「さようなら原発一千万人アクション」のホームページにアップされた(紹介:筑紫建彦さん、出典:ドイツ大使館、翻訳:奥道直子さん)。
是非読んでいただきたい。 =>http://sayonara-nukes.org
なお、ドイツの英語のプレスリリース(Ten years after Fukushima: Germany’s commitment to phasing out nuclear power continues)は次に。
https://www.bmu.de/en/pressrelease/ten-years-after-fukushima-germanys-commitment-to-phasing-out-nuclear-power-continues/
このドイツ連邦環境省の全12ページを読むと、日頃私たちが主張していることの正しさが確認できる。当たり前のことをきっちり主張するドイツ政府に感謝したくなる。以下には、翻訳からピックアップして紹介する。世界の原子力ロビーたちや経産省・資源エネルギー庁・電事連・電力会社・原子力学者たちも熟読して欲しい。
「脱核完了のための12項目~連邦環境省の基本姿勢」の前書きから
〇ドイツは、2011年3月11日の福島における原子炉災害の後、遅くとも2022年末までに原子力の商業利用から脱け出すことを、全政党の合意のもとに決めた。
〇連邦環境省は、脱核に向けたみずからの努力は終わった、とはまだまだ見ていない。
〇ドイツに、ヨーロッパに、そして世界じゅうに、首尾一貫した更なる措置を必要とする核リスクが残る。
〇原子力のリスクは国境でストップしない。
〇国境近くの地域では、隣国の老朽化した原子力発電所の稼働について多くの人々が心配している。
〇原子炉の運転年数が多くの場合、ほんらい許可された操業年数を超えて、かなり長く延長されようとしている。
〇原子力は気候保護のための解決策ではない。
〇原子力は常に残余リスクをはらんでいる。また、原子力はお金がかかりすぎる。まさに再生可能エネルギーに比べても高すぎ、加えて再生可能エネルギーの拡大をはばむ。
ガイドラインの3分野
A.ドイツの脱核を完了する:核工場を閉鎖する・最終処理を促進する・再生可能エネルギー拡大を加速する
B.ヨーロッパ内の核リスクを削減する・協働を強化する
C.核の安全性を全世界で高める・専門知識に基づいた能力を保持する・事実に即した情報を得る
12のガイドライン
1.リンゲンおよびグローナウの核工場を閉鎖する
2.風と太陽がより早く核と石炭の代替えとなるように再生可能エネルギーの拡大を加速する
3.最高の安全性に基づいた高レベル放射性廃棄物処理を決然と促進する
4.より多くの情報・より多くの市民参加を可能とする
5.核に対して批判的な国々との団結を求める
6.老朽化し過ぎた原発の安全性リスク:稼働期間延長に反対し、関与を請求する
7.欧州連合(EU)内外の原子力発電所のために公共金を出さない
8.国境近くにある原子力発電所 ― 二国間の委員会を強化する
9.ドイツの脱核後も放射線緊急事態防護を高いレベルで保持し、国際的な結びつきを深める
11.核にたいする責任を改善 ― 我々の優先順位は損害予防と犠牲者保護
12.専門知識に基づいた能力を保持し、国際的な核討論および新原子炉構想に確かな事実を提供する
最後の12では、日本でも検討されている小型モジュール原子炉(SMR)について。
小型モジュール原子炉(SMR)批判
◆小型モジュール原子炉(SMR)構想は、技術的にはたいがい新しい皮袋に入った古いぶどう酒のようなもの。
◆小型モジュール原子炉(SMR)の開発・建設・稼働・廃炉は、従来の原発に比べ、核安全性の面において、また、安全確保のための措置および核兵器非拡散分野において、さらに数多くの未解決問題とリスクを投げかける。
◆安全約束について、今までのところ負託にこたえうる証拠がない。
◆塩溶液や鉛などの新冷却材の使用によって、より多くの廃棄物ができるかもしれない。
◆小型モジュール原子炉(SMR)は、(数字で比較すれば)少数の大施設の核エネルギー生産の短所を、多数の小施設に移すのである。差引勘定してみれば、施設は小さくなるが、問題は総計ではむしろ大きくなる。
陸続きの隣国が原発を動かしている中で、ドイツが大変な苦労をしていることが良く分かる。一方、島国である日本は独自に脱核政策を実現することは簡単だ。広島・長崎・福島を経験した地震・火山大国である日本は直ちに「脱核」に舵をきるべきだ。
第6次「エネルギー基本計画」を検討している経産省は、ドイツが老朽原発の安全リスクを危惧して稼動延長を否定し、SMRを「新しい皮袋に入った古いぶどう酒」とより問題を大きくすると述べていることを重く受け止め、脱原発に舵を切れ。
【案内】「原発いらない金曜行動」
日時:2021年6月18日(金)18時30分~19時45分
場所:首相官邸前
主催:(仮名)「原発いらない金曜行動」実行委員会
発言予定:鎌田慧さん、落合恵子さん、佐高信さん、古今亭菊千代さん、神田香織さんほか
参加のお願い:
3・11後から10年間毎週金曜日に首相官邸前や国会正門前で反原発・再稼働阻止の抗議の「場」を提供してきた首都圏反原発連合(反原連)が本年3月末に金曜行動を休止しました。
そこで私たちは、政府に原発ゼロの実現を迫る新たな行動の「場」を首相官邸前に設ける決意をしました。月に一度(第3金曜日)ですが、首都圏の反原発運動を結集するとともに、全国で今も「金曜行動」を闘い続けている仲間たちと連帯し、東京で「原発いらない金曜行動」を多くの皆さんとともに訴えていきます。
ぜひご参加下さい。創意工夫のプラカードなど大歓迎です。
コロナ蔓延の折、蜜を避け、マスク着用・消毒にご留意願います。
「原発いらない金曜行動」呼びかけ人(あいうえお順):
青山晴江(詩人)、市原みちえ、落合恵子(作家)、鎌田慧(ルポライター)、神田香織(講談師)、菊地輝子、木村雅英(経産省前テントひろば)、久保清隆(再稼働阻止全国ネットワーク)、古今亭菊千代(落語家)、佐高信(評論家)、志田文広(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会)、下山保(パルシステム連合会初代理事長)、新居弥生(原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動)、橋本輝之(ピースサイクル全国ネットワーク)、武笠紀子(反原発自治体議員・市民連盟)、柳田 真(たんぽぽ舎)、横田朔子(たんぽぽ舎)、乱鬼龍(川柳人)、渡辺マリ(市川市在住)
主旨説明:
3.11東電福島第一原発事故後11年目に入り、反原発の闘いも新たな局面を迎えて来ています。
東電福島第一原発事故は全く終わっていません。「廃炉」の姿が見えず、30年~40年とされていたロードマップを誰も信じず、「廃炉」まで300年近くかかるかも知れないと予想されています。汚染水対策も破綻していて、菅政権が「海洋放出」を関係閣僚会議で決定しましたが、全漁連のみならず福島県内・国内・海外からの反対の声が燃え上がっています。また、未だに数万人の被害者は帰還できず、賠償も不十分で、被災者はADR仲裁和解案を拒絶している東電に対して30もの賠償請求裁判を起こしています。
一方で、事故原因の検証もしないまま、「緩やかに過ぎ合理性を欠く」新規制基準による審査で原発の再稼働が進み、六ヶ所再処理施設まで審査「合格」し、地層処分の候補地が名乗り出るなど、現菅政権はあたかも3.11以前の原発推進社会に戻そうとしているかの様です。大阪地裁・水戸地裁などの裁判所で稼働差止の判決が出されたのも当然です。
そればかりか、菅政権は、原発稼動を優先させて再生エネルギーを押さえつけ、40年超えの老朽原発の再稼働を目論み、小型原発の研究開発まで持ち出して、原発を推進しています。現在策定中の第6次「エネルギー基本計画」では、地球温暖化対策を口実に原発を残すばかりか、第5次「エネルギー基本計画」にあった文言「原発への依存度を可能な限り低くする」をカットするべきとのひどい意見が出たり、リプレース・新増設が提案されています。
3.11後早々に脱原発を決意したドイツは、本年3月11日に「脱原子力完了のための12項目―ドイツ連邦環境省の基本姿勢」を発表しました(http://sayonara-nukes.org)。
広島・長崎・福島を経験した日本でも原発ゼロを実現するべく、月に一度(第3金曜日)の行動の「場」を生かして闘い続けましょう。
6月2日(水)老朽原発稼働阻止 日本原電前抗議17時~
6月2日(水)東電本店前向後行動 18時45分~
6月3日(木)「アベ政治の継承を許さない」ポスターの日
13時:国会正門前でもおこなわれます
6月4日(金) 経産省前抗議集会(毎週)
17時~18時 経産省前テントひろば
お知らせ:渕上太郎遺稿集 発売中
経産省前テントひろばでも販売します。予約受け付中
書名:「脱原発 経産省前テント ここに在り!」
発売元:情況出版 価格:1500円