ブリキの心臓


無差別にドリルで 削られた心は

痛くて面倒だし 捨てて来たんだ

もう誰も もう何も 信じられない



頭ん中じゃもう 第一級殺人犯で

左手に拳銃 右手にはナイフ

傷付く前に 振りかざすんだ


だって この世はフェイク 何を信じたらいい


簡単に殺すんだ 人が人を殺すんだ

こめかみに拳銃あてた僕を

抱きしめてくれたのは あなたでした


僕は ずっとずっと 泣きたくて 泣けなくて


あなたを愛し愛されたら 世界を敵に回して

戦うのは怖くないんだけど あなたを失う事が怖くて

ブリキでできた心臓なのに こんなに苦しい

この想いが 人を愛する事だと知りました


嫌いな太陽遮る 手のひら

蒼く透ける静脈 赤い赤い血が流れてる

こんな僕でも


「生きたいのに生きれぬ人に 死にたいなら命あげて

誰もが皆 寂しいんだよ 誰もが皆 苦しいんだよ」


あなたを愛し愛されたら 世界を敵に回して

戦うのは怖くないんだけど あなたを失う事が怖くて

この傷だらけの右手にはもう 武器なんていらない

自分よりも大切な あなたの左手 ギュッと握るよ

小さな恋の物語


ねえ永久に居たいと思う事だけ

許して欲しい私の全てを受け入れられなくても

蝋が全部溶けたらすぐ

あなたの思考はスローに苦痛も無く





ねえ永遠の愛って母乳みたいに

何の見返りも無い

ただそこに静かに流れるもの

そんな目で見つめないで欲しい

手足を縛った理由は

深い海のような愛

あなたを助けたい





遠くにあなたを捜す声が

いくつも聞こえてくるの

誰にもわからない

この場所も

私の本当の愛も全て





紫檀の棺

蝋を流し込んで

あなたを沈める

永久にその姿を残す

老いる事無く生きる





鮮やかに切り取る

あなたの美しい瞬間の命を

手に入れた深海で今

私以外の愛にもう囚われずに





その時 ドアが開いて

私は取り押さえられたの

食い込むほど

蛇の様に締まるロープ

助けられた満身創痍のあなたは

私を棺の中へ





蝋の中で次第に 止んでく喧騒と鼓動の音

2人の愛の物語 こんな事で終わらない





今やっと気付いたの

身体を持たない私がしてあげられる事は

あなたに降りかかる

誘惑を全て祓ってあげるの 永遠に