どこか遠い国で少年が死んだ
どこか遠い国で少女が生まれた
僕の住む世界ではこのことは「連鎖」と呼ぶらしい
でもそんなことを僕は知らない
知らないで今まで生きてきた
だからきっとこれからも知らずに生きていくんだろう
そう思いながら足下に転がる「何か」を拾い上げる
何だろう ナンダロウ 固い カタイ かちかち かちかち 言っている
それで試しにちょっと遊んでみたら
さっきまで一緒にいたあの子がいなくなってしまった
間抜けな音を立てて 動物みたいな声を出して そのままいなくなってしまった
ねえ、僕は何も悪いことしてないでしょう?
だからまだこの「何か」で遊んでいてもいいでしょう?
どこか遠い国で少年が生まれた
どこか遠い国で少女が死んだ
僕の頭の上を「何か」が通っていく
前までの僕ならあれは何だろうかと見ていたに違いない
でも今の僕は「あんなもの」には興味ない
今の僕が興味があるのは「連鎖」という玩具
やっと見つけた僕の大切な玩具
誰にも壊されたくない 誰にも取られたくない 誰にも渡したくない 誰にも知られたくない
だから僕はそれを抱える
抱えて滲み出てくる「何か」になんて興味ない
だって玩具はそういうものだってママから聞いたよ
「自分の玩具は自分で大切にしなきゃダメよ」
そうでしょうママ
だから僕はそれを守り抜こうとしてるだけなのに
どうして分かってくれないの
どうして僕からそれを奪おうとするの
そんなことをするなら
みんな 僕の手で 僕のこの手で「壊しちゃう」からね
みんな 所詮は僕の玩具なんだもの
今の玩具が壊れても次の玩具があるもの
どんなに壊したって次の玩具をまたママが買ってきてくれるもの
だから ねえ 僕に教えてよ
「連鎖って何ですか?」
