では特上卓第430戦中編の開始です。
東4局
この手は一応七対子もありますが、この持ち点であればとにかく現状の打点を上げる事を優先すべきですし、の暗カンは1翻分に匹敵するので新ドラが1枚乗るだけでもそれだけで3翻が確定した事となるんですよね。よって、ここは当然の暗カンとします。
はい。
新ドラ表示牌のが3枚も見えてしまった所、6ブロックとなる引き。
こうなれば例え新ドラであろうとも残すと苦しいカンターツを嫌うべきなので、切りとします。
はい。やはり、こう言った時にドラだと言うただそれだけの理由でカンターツを残すような人は下手なだけなんですよね。
この手はの暗カンなので出来れば面前でリーチと行きたい所ではありますが、流石にこれだけ愚形が多いと面前では厳しいので、ここから仕掛けて行きます。
先生はスルー寄りですか。
ここはもうオリようにも安牌など1枚たりともないので自分都合で打ちたいのですが、だからと言って流石にやなどの危険度の高い牌を一発で切った所で自身のアガリも微妙なので、ここはまだ危険度の多少低いツモ切りとしました。
はい。
ここはを切れば一応1巡は凌げますが、もう何度も言って来たように、ここで1巡凌いだ所で結局後が続かない可能性の方が極めて高いですし、この手は1シャンテンなので一応アガリの見通しは立っているとも言えるのです。よって、ここはを押します。
ちなみに、今回はまだ比較的危険度の低いでしたが、例えばなどの危険度の高い牌であったとしても、理屈は同じなので当然ツッパリました。要は今の状況をキチンと理解出来ているかどうかなんですよね。
はい。
これですね。
今の状況を理解出来ずを抑えて切りの保留などとしていた下手な人であれば、このでテンパイを逃した挙句、おそらく筋だからとツモ切って満貫放銃となり飛んでいたのではないでしょうか?
もちろん、が当たり牌だったのはたまたまの産物ですが、やはりそれでもキチンとすべき事をしての放銃回避と、下手に打った結果の放銃では意味合いが全く違って来るのが麻雀なんですよね。
結果は、対面から上家へリーチ七対子ドラ2で8000点の横移動となりました。
この局は上家に満貫放銃となろうが跳満をツモられていようが終了だったので、九死に一生を得ましたね。
このような時に実力者に引導を渡しておかなければ、何かが起こるのが麻雀なんですよね。
南1局
上家にドラのポンの仕掛けが入った所、リャンメンとリャンカンの1シャンテンとなる引き。
この手は一応ピンズへの渡りも見ていましたが、こうなれば当然受け入れを最大に構える切りとします。
上家がかなり脂っこい牌を連打しているのでテンパイでもおかしくはない所、一盃口完成となる引き。
これで満貫クラスのアガリも見えて来ましたね。
ちなみに、ここは例え上家にが通っていなくとも、この持ち点であればを切りました。
これは迷いますね。。。
メンツ手だけを見るのであればツモ切りですが、七対子も見るのであればか切りとなりますね。ここは迷いましたが、どうせリャンカン形なのであればどちらかの受けを拒否してでも縦の重なりでもテンパイ出来る七対子の目を残した方が受け入れが広がるかと思い、ここは七対子の目も残す切りとしました。
ちなみに、ツモ切りとした場合のテンパイチャンスはの4種に対し、七対子の目も残す切りとした場合のテンパイチャンスはの6種になりますね。
まぁわたしは以前からなどの赤引きはほぼ見ないのですが、流石にこの持ち点であれば藁にも縋る思いとなるので、万が一を引けた場合の事も考えてしまいますよね。。。
ここは上家にテンパイが入っていないと思えば当然の切りとなりますが、テンパイでも全然おかしくはないですし、その場合上家がソウズ待ちであればは大本命ですよね。。。
とは言え、仮に上家がテンパイだとしてもや、それにカン待ちや何なら愚形待ちの可能性だってありますし、待ちが残ればかなり勝算があるんですよね。。。よって、ここはもう腹をくくって切りとしました。
ここはそれが無難なんですかね。。。
まぁ15000点くらいあればここは先生の言うように無理はしませんが、流石に残り5300点ですからね。。。この局ノーテンとなれば更に苦しくなるのは見えていますし。
待ちは上家の現物ですが、この手は上家を交わす為に頑張ったのではなく満貫クラスのアガリを見ての頑張りだったので、ここは当然リーチに踏み切ります。
結果は、リーチピンフツモ一盃口で1300・2600のツモアガリとなりました。
これですね。
これを結果論とか妬むような人も居るでしょうが、この持ち点による最善を尽くした結果なんですよね。先ほども言いましたが、人によっては前局に上家に満貫放銃となってこの局すら行えなかった人も居ると思いますし、この局も上家が怖くてオリてしまってこのアガリを拾えなかった人だって居るのです。もちろん、を押したが為に満貫放銃となって飛んでいた未来もあったでしょうが、この持ち点であればそれくらいのリスクを背負わずして這い上がる事など出来ないんですよね。。。
ハッキリ言いますが、この持ち点からリスクを背負わず這い上がれた人の方が、それこそ運だけの結果論でしかないと思います。
おそらく、強者には納得して頂けると思います。
南2局
下家と上家から立て続けに早過ぎる2件リーチが掛かりました。
何だこの対局は。。。
まぁこのような2件リーチの時は二人がツモ切り状態となる分、苦しいのは最初の数巡だけとなる事が多いので、このような時は例え安牌がほとんどなくとも1巡でも凌ぐ事を優先すべきなんですよね。そうすれば案外凌げるモノなのです。よって、ここは唯一の現物を抜いてベタオリを開始します。
はい。
ここでも共通安全牌が無いので、こうなれば片方には現物でもう片方に通りそうな牌を切るしか道は無いですよね。候補は下家の現物で上家がリーチの1巡前にを切っているまたぎ筋となる、あるいは上家の現物で対面がを通した事から下家にも通りそうなとなりますね。
ではその比較ですが、下家は安牌となりそうな切りリーチと言う事は、リャンメン2つ残りのような既に形の決まった1シャンテンだった事が想定されるので(実際は違いますねw)、その直前のは一応先切りの可能性もあるのに対し、上家はなどの使い勝手の良さそうな牌よりもドラ表示牌のを残していた事から、が関連牌、あるいは苦し紛れの愚形での追い掛けリーチと言った感じもします(実際は全くの見当違いw)。よって、ここはやはり下家のリーチの方が良い待ちにも見えるので(わたしは卑怯者ではないので嘘はつきません)、ここは上家のまたぎ筋切りとしました。
はい。
結果は、上家にリーチツモで500・1000をツモられました。
ちなみに、上家の待ちを見た時は驚きましたが、「だから読みなど読むだけ無駄」と言うのは流石に極論でしかないと思います。
実際、読みから救われる事だっていくらでもありますし、例え読みが外れていようが読む事によって色々と考えたり発見があったりするので、読みは必ず雀力をアップさせてくれるのです。もちろん、過信は禁物ですが、わたしは読めない人よりも読みを屈指する人の方が遥かに強いと思っていますし、何より、麻雀は読むからこそ面白いゲームになるんですよね。ハッキリ言って、麻雀から読みを取ってしまえば、ただ数式に当て嵌めるだけのようなつまらないゲームに成り下がってしまうと思うのです。
では後編へ続きます。