では特上卓第369戦前編の開始です。
東1局
この手は出来れば面前で仕上げたいのですが、上家に既に2副露されてしまっていますし、下家もドラを切って来た事からのんびり打っている猶予はないと、ここは仕掛けて行きます。
先生は意外にもスルーなんですね。。。
これは、ドラを重ねて七対子ドラ2のテンパイが入った対面が、何を思ったのか絶好の1枚切れの待ちリーチとせずに、待ちダマに構えた局面です。
いやいやいやいや。。。これは絶対にないですね。
おそらく対面は待ちダマに構えたと言う事はが危険牌だと思ったのでしょうが、これは結果論ではなく、完全に読み違いですね。まぁ仮に本当にが危険牌だったとしても、このような勝負手の時は放銃など恐れずに、自身のアガリ易い待ち取りをすべきなのです。よって、ここは1枚切れの待ち即リーチ以外の選択肢はないとさえ言えるでしょう。
ちなみに、この捨て牌で対面からリーチが掛かっても七対子などと読める訳がないので、その場合はで一発放銃となっていた可能性が極めて高かったと思います。
はい。当然ですよね。
この局面で待ちリーチ以外の選択をすると言う人は、かなりマズいと思います。
結果は、上家にタンヤオ三色赤1で1000・2000をツモられました。
まぁ対面が待ちリーチとしていても上家のツモアガリとなるので助かりましたが、それは結果論でしかなく、もしもわたしにツモ番が回って来ていれば跳満の一発放銃となっていた可能性が極めて高かったんですよね。
東2局
これは、が暗刻となりリャンメン2つの1シャンテンとなった上家が、かのどちらの対子を落とすかの選択で、対子落としを選択した局面です。
これは素晴らしい判断ですよね。
と言うのは、上家は現状リャンメン2つの1シャンテンなので、ここはを雀頭にしようがを雀頭にしようがほとんど大差はないのですが(一応符ハネの可能性はありますが)、上家のように対子落としとする事によって、もしも次になどを引いた場合、
となり、今度はのポンテンにも対応出来るようになったり、状況次第では待ちではなくとのシャンポン待ちリーチを打ったりする事も出来るようになるのです。それに、もしも他家から先制されてしまった時でも、やはり数牌のよりも字牌のの方が安全度が高いので、攻守に渡ってを残した方が明らかに優秀なんですよね。
はい。
って、流石にこれは鳴きたくないですよね。
ところが、先生はこれを鳴くと言うのです。
もちろん、意味は分かります。
上家の手はが暗刻なので、次に何を引いて(鳴いて)テンパイしようが必ずリャンメン待ちに受ける事が出来ますし、リャンメン2つの1シャンテンとは言え、リーチのみとなってしまう可能性も十分ある手牌なので、だったら仕掛けて受け入れを最大にした方が得と言うのでしょう。しかも一応でもトップ目ですし。。。
ただ、それでもここは鳴きたくないですよね。。。まぁこれは完全にわたしの主観となりますが。。。
これは、対面にタンピン赤2のテンパイが入り、ダマテンに構えた局面です。
これは素晴らしいダマですよね。
やはり、このようなダマで満貫となる手の時は、余程の事がない限りはダマに構えた方が良いと思います。もちろん、リーチを掛けようが出る時は出ると言う考えも間違えではないかもしれませんが、要は可能性の問題ですよね。
リーチ相手に向かうのは、基本的に自身もテンパイが入った時や勝負手の時、あるいは安牌が全くないような時になると思いますが、相手がそれ以外の手だった場合はオリられてしまう可能性が高くなってしまうのですから、自らオリられてしまうような状況を作るのは損じゃありませんか?と言う話なのです。
はい。先生もここはリーチなど有り得ないとさえ言っているようですよね。わたしもそう思います。
これは見えているからではなく、対面がの対子落としとして来たのでダマテンが入った可能性もあるなとは思ったのですが、ここはアガリに掛けるのであれば例えドラ入りターツであろうとも2枚切れのカンを嫌うべきだと、を仕掛けて切りとしました。
はい。先生もここは鳴きますよね。
はい。そして微妙ではありますが、やはり先生もアガリを見るからには2枚切れのカンを嫌う切りですよね。
ちなみに、相手がテンパイかどうかも分からない時は、より切り辛い牌から先に切った方が良い場面も多いのですが、今回は愚形ターツが2つも残ってしまう手牌なので、そのような手からドラを切って放銃となったりポンでもされたりすれば大変な事となると言う事ですね。
結果は、対面にタンヤオピンフツモ一盃口赤2で3000・6000をツモられました。
ちなみに、このような時に「リーチをしていれば。。。」などの結果論を持ち出すのはもう止めにしましょう。テンパイが入った時の最善策がダマだったのですから、ツモった事は単なる結果論でしかないのです。
東3局
これは、役2が対子で入っている上家が、早くもペンから仕掛けた局面です。
上家はかなり打てますね。
理由は言うまでもなく、このような役2が対子の手牌は仕掛けて行くべきなので、だったらせっかく出た一番苦しいペンを仕掛けないのは損でしかないからです。上家はそれをキチンと理解している打ち手と言う事ですね。
ハッキリ言って、このような牌をスルーとするような人は正直怖くも何ともないですね。やはり、鳴くべき牌はキチンと鳴いたり、愚形でも安易には嫌わずテンパイが入れば愚形待ちでもキチンと即リーチを打ったり、普段は効率を重視していても仕上がると踏んだ時だけキチンと手役を狙って来たりするような人は、やはり上手くて強いので怖さがありますよね。
これは、2副露して1シャンテンの上家が、かの選択でツモ切りとした局面です。
えっと、上家をまた褒めるのも何ですが、わたしは忖度などはなく、キチンと褒めるべきモノは褒めたいだけなのでご了承下さい(笑)
と言うのは、ここは上家のように絶対にツモ切りが正解なんですよね。なぜなら、これだとやをチーした時に必ずが出ない形となりますし、やをポンした時でもやはりを必ず使い切る事が出来るのです。それに対し、もしもここで切りとしてしまえば、となるので、やのポンテンとなった時にが出て行ってしまうのです。よって、ここはツモ切りこそが正着打となるんですよね。
かなりアガリが見える手牌なので真っ直ぐ打っていた所、上家からが出ました。
上家にスピードを合わせる為にも鳴く手はありますが、この手は面前だからこそ押す価値があると思うので、ここは歯を食いしばってスルーとします。
はい。先生もそうですが、いつでもスピード重視として何でも鳴くと言う訳ではないんですよね。
だって、それこそいつでもどんな時でも手役を狙ったり愚形を嫌ったりドラを大事にしたりする人と同じになってしまうのですから。
結果は、下家から上家へ役1ドラ1赤1で3900点の横移動となりました。
素晴らしいアガリですね。やはり、こう言った隙のない打ち手が一番上手くて強いのだと思います。いつでも面前で高打点を狙うような人は、やはり足が遅いのでほとんど無警戒で打つ事が出来ますし、リーチが来た時はその人には絶対に打たないようにすれば良いだけなんですよね。
東4局
これは、早くも1シャンテンとなった上家が、素直に孤立牌のを切った局面です。
これも素晴らしいとしか言い様がないですね(笑)
この手は既に赤2なので打点は十分見込めますし、何より、カンをしくってテンパイを逃すのは痛過ぎますからね。
はい。こうして素直に打つべきなんですよね。
麻雀は時には理想を追う事も大事ですが、大半は確率を重視して打つべきゲームなんですよね。それを理解出来るかどうかです。
まず、このような仕掛けは役牌のバックかホンイツ(今回であればピンズ)の可能性が高いので、どらにも危険となるドラのは切れませんね。しかも下家はラス目なので、このような時は絶対に甘い牌を切ってはいけません。よって、これにてピンズと鳴かれそうな字牌は絶対に切らない対子落としとします。
ちなみに、ここはそう決めたのであればベタオリとするなんかでも良かったですね。
ここは完全安全牌のもありますが、先ほども言ったようにピンズと鳴かれそうな字牌を切る気は一切ないので、ここはまだ今の内に打てる切りとしました。
先生はとの事ですが、ハッキリ言って、ここでを切るのは損でしかありません。理由は言うまでもなく、もう既にもも1枚切れのさえも切れないのですから、ここで全員に安牌となるカードを切るのは勿体ないからです。
これは、を切ればタンヤオ赤2の役ありテンパイにも取れた親の上家が、敢えて形式テンパイとする切りとした局面です。
いや~これはもう素晴らしいとしか言い様がないですね(笑)
もちろん、これは切り間違えなどではなく、下家のホンイツテンパイが分かっているからこその(しかもかなりの確率でドラを対子以上で持っていそう)、敢えて現物となったを切ったのです。上家の目から見ればはのワンチャンスなのですが、それに甘えず親の5800点テンパイを拒否してでもを切るのはなかなか出来る事ではありません。まぁわたしもおそらくここはを切りますし、次に危険牌(など)を引けばオリると思います。
結果は、対面から下家へ役1ホンイツドラ2で8000点の横移動となりました。
え?対面が放銃?(笑)
いやいや、流石にこの局面でテンパイも入っていない者が無筋のピンズを切って放銃など有り得ません。しかも対面の目からはがワンチャンスと言う訳でもないんですよね。
こう言っては何ですが、同じ六段でも上家と対面の雀力は歴然だと思われます。
では中編へ続きます。