今回はかなりのボリュームとなるので例の如く二部制にしたいと思います。
では特上卓第185戦前編の開始です。
東1局
ここは素直に打つのであれば切りかもしれませんが、やはりこのような時は後の変化を考慮して打つべきだと思います。と言うのは、もしもここでを切ってしまえば、おそらくこの手はを引いてののシャンポン待ちが残るか、あるいはのポンテン待ち1000点となるのがオチでしょう。だったら、このような時はくっ付きに良さげなタンピン一盃口などの目があるを残し、どうせを引いても切る事となるを切っておいた方が良いのです。よって、ここはを切ります。
これですね。
まぁを切らなければ引いていないでしたが、そんな結果論的な事は問題ではなく、やはりこの手はこう構えて正解でしたね。
そして、こうなれば当然リャンメン2つの1シャンテンに構える為にどちらかの対子を嫌いますが、このような時はが待ちとして残った時の事を考え、ここはではなくの対子を切るべきなのです。理由は言うまでもなく、と切ってしまえば、ピンズ待ちであれば待ち一点読みとなってしまうからです。ですが、ここでの対子落としとしておけば、わたしはしか切っていないので~まで全てのピンズが普通に当たり得る牌となり、相手も切れない牌が増える分を切ってもらえる可能性は高くなるとさえ言えてしまうのです。
まぁこれを鳴くのは無いですよね。
もちろん、鳴くのが絶対に悪いとは言えませんが、満貫が見えるこのチャンス手を、7巡目に2000点で良しとしてしまうのは流石に勿体ない限りだからです。仮にとカンの1シャンテンであればを鳴くのは全然アリだと思いますが、流石にリャンメン2つの1シャンテンですからね。
結果は、下家から親の上家へタンヤオ赤1で2900点の横移動となりました。
結果こそアガれませんでしたしテンパイすら入りませんでしたが、やはりこの局はこの手順こそが最適だと思います。
東1局1本場
この手は愚形残りの2シャンテンなので、テンパイするかどうかさえ分かりません。そんな手から押し返すのは無謀でしかありません。よって、これにてベタオリを開始する切りとしました。
結果は、親の上家にリーチタンヤオピンフツモ赤1で4000(4100)オールをツモられました。
東1局2本場
これでこの手はアガリ切りたくなりましたね。
とは言え、流石に愚形が多過ぎる上に仕掛けも効かないような手なので、ここはやはり七対子の目を残しますが、一応とが振り替わりさえすれば喰いタンも見えなくはないので、ここはとりあえず切りとしました。
これは案外鳴いても面白そうですね。
もちろん、褒められた仕掛けでない事は確かでしょうが、ドラ3のチャンス手ともなれば多少無理をしてでも全力でアガリに向かった方が良いと思い、ここはカンを仕掛けて喰いタンとする出来メンツの切りとしました。
結果は、下家へ役1赤2で5200(5800)点の放銃となりました。
うーん。。。このダマは回避不可能ですよね。
ちなみに、これはわたしが変なを鳴いたせいだと思う人も居るかもしれませんが、わたし的にはこのチーは変でも何でもありませんし、一応アガリ形は出来ていますよね?よって、これはわたしが鳴いたせい云々の話ではないと思います。まぁ明らかに異常過ぎる鳴きのせいであれば、それは鳴いたのが悪いと言えると思いますが。
東2局
対面に役1ドラ1で700・1300をツモられました。
東3局
これは、親の下家からリーチを受けたトップ目の上家が、対面から出た現物のにチーテンを入れ、勝負とした局面です。
いや~これは素晴らしいですね。
と言うのは、上家の手牌であれば下家の現物や安牌となりそうな牌など1枚たりとも無いのですから、ここはわたしがいつも言っているように、安牌がないような時は勝手な思い込みから手を曲げず、自分都合で手を進めるべきだからです。
上家はそれを見事に実行していますよね。
いや~素晴らしい。完璧ですね(笑)
おそらく、あまり麻雀が分かっていない人からすれば、「トップ目が仕掛けて親リーチにドラまで切って全ツッパとは。。。このど素人が!」と見えてしまうのかもしれませんが、実はこの上家の押しは上手いが故なんですよね。これは麻雀の本質を理解出来ている者だからこそのドラの切りなのです。逆に言えば、ここで「流石にドラはなぁ。。。」と前巡通したを抜いてオリてしまう人や、勝手な思い込みから全く通ってもいないの対子落としをして放銃してしまうような人こそ下手な人なのです。もちろん、もっと巡目が深ければドラは流石に切れないとを抜くのはアリでしょうが、この巡目から安牌0でオリ切れる保証など何処にもありませんからね。。。
安全な牌だけを切っていた所、何とテンパイが入りました。
しかもリーチを掛ければ満貫確定リャンメン待ちテンパイです。
こうなれば当然追い掛けるのみですね。
これは、2件の無筋である(わたしの入り目)を掴んだ上家が、対面が通したばかりのを抜いてオリた局面です。
まぁある程度打てる人からすれば当然のオリだと思うでしょうが、その当たり前が出来ていない人が圧倒的に多いので、ここでの上家の押し引きは完璧ですね。ここは絶対に上家のようにオリるべきなのです。
なぜなら、やはり2件リーチに無筋を切ればどちらかには刺さってしまう可能性も高いですし、2件リーチであれば二人が何でもツモ切る事によって安牌が増えるケースも多々あるからです。
先ほどは下家の1件リーチかつ安牌0な上に、巡目が残り過ぎていたので攻めた方が得だった訳なのですが、2件リーチとなった上に確実たる安牌があり、巡目も終盤を迎えているのであれば、ここは1巡でも凌ぎに行く事こそ正しい選択だとわたしは思います。
結果は、上家から親の下家へリーチピンフ赤1裏1()で11600点の横移動となりました。
これは結果こそ悲惨な結末となりましたし、別に上家を弁護する気は一切ありませんが、この放銃は致し方ないと思います。なぜなら、上家の前巡のは絶対に切れませんし、やはりを抜いてオリるのが正解だと思うので、オリた以上は一番安全そうな牌を選択する必要があるからです。それで言えば、上家の選択肢としては親の下家には通っているを切るのか、あるいは親リーチに押し返して来たわたしの現物である端牌のを切るのかの2択となりますが、ここで知ったかぶりをする中級者とキチンと状況を理解出来ている上級者の差を言いますと、親リーチに打つ方が損に決まっていると安直に考えるのが知ったか中級者なのです。もちろん、フラットな点棒状況であればその考えで間違いはないのですが、今回は既に点棒が大幅に動いているのですから、ラス回避が最優先となる天鳳では、ラス目のわたしのリーチに打って丸く(全員接戦になる事)なってしまうよりも、例え親リーチでもラス目ではない人に打った方がわたしをラスにしておける分まだマシなのです。よって、ここはラス目のわたしに打つ方が嫌なので、わたしの現物かつ1枚通れば2枚通せる理論からも切りが正解となると思います。
まぁ上家がそこまで考えての切りかは分かりませんが、打ち方を見ていれば上家は相当打てる事は分かります。
東3局1本場
これは、上家のリーチを受けた親の下家がテンパイを入れ、ピンズであればここしかないと言った()を一発で勝負した局面です。
ここは難しい局面ですよね。
確かに、後の変化を見るのであれば、ここはのどちらが雀頭になっても良いように構えた方が良いのかもしれませんが、それ以前に一発放銃となってしまっては何もなりませんからね。。。よって、わたしであればここはよりは安全に見える切りカンテンパイに受けたように思います。もちろん、先切りの待ちがない訳ではありませんが。。。
結果は、親の下家から上家へリーチ赤1で2600(2900)点の横移動となりました。
これは微妙な横移動となりましたね。
と言うのは、流石にトップ目が安牌が数枚あるような手牌から一発放銃となってもおかしくないようなを勝負したかと思えば、続いて上家が1枚も切っていないソウズのど真ん中などを勝負しての放銃ですからね。
仮にこれがラス目のわたしや3着目の対面の立場であれば致し方ないで済みますが、トップ目の立場ならテンパイだからなどは何の言い訳にもならないのです。
ちなみに、それでも下家の手からを勝負するのであれば、ここは絶対に追い掛けリーチとすべきなのです。理由は言うまでもなく、ここでなどの強烈な牌を勝負すると言う事はオリる気はないと言う意思表示なので、だったら安目で5800点にしかならない手で勝負に出るのではなく、安目が出ても親満、高目なら裏1で親っパネとなる本手で勝負すべきだからです。やはり、このような事をキチンと理解出来ているかいないかで、実力が分かってしまうものなのです。
東4局
とが対子のマンズが多い手牌だったのでホンイツ一直線としていた所、対面からが出ました。
当然仕掛けて行きます。
理由は言うまでもなく、これを鳴いても一手進むからです。
これは当然のチーテンに取りますが、この切りは解せないですね。。。
先ほど上家をあれだけべた褒めしましたが、流石にこれは切るべき牌ではありません。その理由は以前にも何度か言いましたが、ラス目が明らかな一色手などの高打点となる可能性の高い手役を狙っている時は、それに援助して得となる事など絶対に何一つとして無いからです。そう言えば白鳥翔プロも同じような理解不能な打牌をしてましたよね。。。
ここでわたしにテンパイを入れさせてしまえば、おそらくラス目のわたしに打つのはバカバカしいので誰も勝負して来ないでしょう。そしてそのまま流局すれば問題ないかもしれませんが、もしもわたしに満貫を引かれ(ツモられ)でもすれば、せっかくのラス候補者が復活して来てしまうのです。そうなれば、上家が次に放銃でもしてしまえば一気にラス候補となってしまう危険性が出て来るのです。だからこそ、このようなラス目の高打点の可能性のある仕掛けに対し、援助してしまうような甘い牌は切ってはいけないのです。
上家には少しガッカリさせられましたね。。。
ここは迷いますね。と言うのは、現状のドラのカン待ちでも満貫確定しているのですが、役2ホンイツにしても満貫となるからです。ただ、その場合はドラ表示牌の単騎にせざるを得ませんね。
と言っても、どうせドラ表示牌の単騎でもドラのカンでも他家から出て来る事など絶対に有り得ないので、だったら、ここは最も高くなる可能性を秘めた打ち方をすべきだと思います。それは、やはりの加カンをする事ですね。先ほども言いましたが、この手は出アガリは有り得ないので、どれだけ派手に暴れようがツモ専なのであれば、万が一の期待をして加カンした方が明らかに得だと言う事ですね。
そしてこれは余談ですが、カンしてドラを増やす事によって(裏ドラも)、他家のリーチを誘発出来る事もあるのです。そうなれば、本来出アガリなど有り得ないと思っていた所が、相手がまんまと罠に掛かってくれる事もあると言う事なのです。もちろん、逆に相手に満貫跳満を放銃する可能性も大いにありますが、ラス目だからこそそう言ったギャンブルが必要になって来るのだとわたしは思います。
はい。言った尻からトップ目の下家が罠に掛かりました(笑)
これなんですよね。
もちろん、この局面でリーチを掛ける者の待ちが悪い訳がないのですが、ラス目が復活する兆しとなるのはやはりこう言った局面からなのです。
そして、ここで一番大事な事を是非皆さんに理解してもらいたいのですが、ここは絶対にオリてはいけませんし、放銃を恐れるのではなく自身のアガリ易さだけを優先しなければいけません。
「なんだ、そんなの当たり前」と思った人も居るでしょうが、ハッキリ言いますと、それを出来ている人などほとんど居ません。今からそれをわたしが実践して見せます。
これは、対面と上家にの切りが早いので、は山に残っていそうな牌ですね(実際2枚残り)。それに対し、ドラ表示牌のは対面以外に使われていてもおかしくありません(実際山に0枚)。よって、ここは自分のアガリだけを考えて切りに単騎に受け替えます。
まぁここは当たり前ですね。
このはにもにも当たり得るので、安全度だけで言えば切りの一手ですが、はこれで3枚見えているので残り1枚しかありません。よって、ここは当然の方がアガリ易いのでのツモ切りとします。
まぁここも当たり前ですね。
まぁこれは想像でしかありませんが、おそらくここで「流石にこれは。。。」と前巡にを通した事もあり、を切り切れずを切ってしまう人も多いのではないでしょうか?
ですが、も目に見えているだけで3枚目なので、マックスでも残り1枚しかありません。よって、ここはもツモ切ります。
ちなみに、仮にがと同条件で1枚しか見えておらず、下家の捨て牌的にが本命に見える捨て牌であったとしても、ここはノータイムでをツモ切りました。やはりそれこそが、「勝負手の時は放銃など恐れず、自身のアガリ易い待ち取りをすべき」に該当すると思っているからです。
げふっ
うーん。。。下手な人ならアガっていた可能性もありますね。
結果は、わたしと下家の二人テンパイ流局となりました。
うーん。。。アガれませんでしたか。
単騎に受け替えた時点で山に2枚居たので、ツモアガリや下家が掴む事も十分あったのですが。。。出来れば、まんまと罠に掛かってリーチを掛けて来た下家から出アガリしてやりたかったですね。。。
ちなみに、わざわざネタバレをする必要はないかと思いますが、タイトルにもあるように、この対局はここからトップを奪還します。
では、後編をお楽しみに。