2010年3月にJANIC事務局長として入局して以来、ちょうど5年が経ちました。この間、会員や支援者、ボランティア、理事、スタッフの皆さんに支えられてなんとか務めることができました。
みなさまのご協力に深く感謝いたします。

5年間を振り返ると、やはり東日本大震災が最も大きな出来事でした
この未曽有の大災害に際して、多くのNGOが素早く現地に駆け付けて様々な救援活動をされ、それをJANICとしても支援させていただいたことが、一番印象に残っています。
途上国での活動が中心であるNGOが、日本国内でも大規模災害においてもその力を発揮して多くの被災者を支援できたことは、日本のNGOの歴史にとって画期的なことでした。将来起こることが懸念されている国内大規模災害や、地球温暖化の影響もあって頻発する世界中の災害に対して、東日本大震災の経験が活かされることを願っています。

その他、25周年を記念して会員団体の方々といっしょに作った「JANICビジョン2022」、2010年から本格的に取り組んだ「MDGs」「援助効果と開発効果」、昨年から今年にかけて力を入れた「ODA大綱の見直し」「特定秘密保護法」等に関する提言活動、2014年から本格化した「NGO認知度向上プロジェクト」など、様々な事業が思い起こされます。

今後は、定松新事務局長の元で、さらに発展することを心より願っています。

世界は、格差拡大や気候変動、各地で発生する紛争やテロの脅威など混沌としています。日本国内では、周辺国との軋轢をきっかけとして、積極的平和主義の名のもとに集団的自衛権の行使容認、武器輸出三原則の緩和など、日本の平和主義が揺らぐ状況が進みつつあります。

一方で、開発と環境と人権を含む新たな開発課題であるSDGsが9月の国連総会で採択される予定など、世界の国々や市民社会が共通の目標の下に取り組む動きも強化されています。その際に、重要なことは、NGOだけでなく、企業や政府・自治体、労働組合、生活協同組合を含めた、マルチセクターの連携です。

JANICがそれらの連携のひとつの結節点となり、平和で公正で持続可能な社会の実現に一歩一歩着実に近づくことを願ってやみません。

どうぞ、これからもJANICおよび日本のNGOへのご支援、ご協力をお願いいたします。


(JANICに寄付した事務所入り口に掲示するサインプレートを、定松新事務局長に手渡しました)