週刊カンガルー -3ページ目

週刊カンガルー

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市内の某高級ホテルの一室、バスルームから  聴こえる音にソワソワしながら俺はベッドに腰掛けその  時を待っていた。

正直、今回の相手は気が気じゃない…大天使サマはどんな意図があってこの人を選んだんだろ?

マジムカつくんだけど。

まぁ、顔は悪くないってか俺でも認めざる得をない程のイケメンだしスタイルも良いしそこは問題ない。


けど、何であのJI企画の代表なんだよ…次回作の候補の製作会社なのに。


昔はそういう誘い もあった…あの時断っていなかったらもっと早く駆け上がる事が出来たかもしれないし、それに沢山の賞も取って世間の評価も今と違っていたかもしれない。


でも俺は自身の演技…実力だけでここまで来た。


なのにこれじゃあまるで  枕 じゃん…今までの俺のプライドとか色んなもんが崩れるじゃん!そんなのは嫌だし!

『ちょっと!さっきからブツブツ文句ばっかりうるさいわね!言っとくけど、あんたの才能は本物だし実力で充分勝負できる。それは自分でもよーく分かってるでしょ?』


分かってるけど…なんか媚び 媚びみたいでイヤだ。あの人何考えてるかわかんねーオーラヤバいし。

ハラメーニャと心の中で小競り合いをしているうちに、ドアの開く音がして、黒いバスローブ姿のジョン・イン代表がやって来た…。

さっきまでガチガチにセットされていた髪は濡れて片目を隠す程に垂れ下がり、ポタポタと落ちる水滴…その視覚的なギャップに不覚にもドキッとしてしまった。

ダメだぞ、あくまでこいつと ヤ  るのが俺の使命なんだから余計な感情なんて捨てないと。


「大丈夫ですか?少しは楽になりました?」

「は、はい…シャワー浴びたら覚めたんで。ありがとうございます」

「それはら構いませんが、グンソクさん意外に酒に弱いんですね?」

「折角の打合せだったのに、こんなホテルまで運んでもらって…ここって代表がいつも借りてるんですか?」

「ええ、会社から近いですし立て込んでいる時はここに帰ってくるんです」


そう言って代表は水を飲みながら窓から広がる市内の夜景を眺めている。

何コレ、ムードもクソも無いしなんならこのまま仕事の話になるんじゃねーの!?ハァン!?


『大丈夫よ!ジョン・インはガチ ホ     
モだからあんたが適当に色目使って誘えばコッチのモンよ!ハニー  トラップって知らないの?ほら、はやく!』


クッソ、他人事だと思って…。


悪態をつきながら、夜景を眺める代表の隣にそっと近付き肩に指先が当たる程度に触れてそのまま  下へ とスッとなぞる。

大人の オトコ  ならこれがどういう意味かわかるだろ…相当な鈍感野郎でもない限り。


「グンソクさん…酔いはもう覚めたんですか?」

「ん…わかんない。コレも酔ってる所為なのかな?」


さっきとは別人の目付きで振り向いた代表の首 に腕を回し、大胆すぎるかと思ったけどそのまま キス をした。

大天使サマがいるから、大丈夫…きっと上手い方向に行くだろ。

触れるだけの軽い キスをして、恐る恐る顔を離しほんの少しの身長差だが上目遣いで代表の顔色を伺う…。


すると一切感情が読み取れない普段の表情から一転して、優しく微笑んだ彼は俺の腰  に  手を  回しグッと引き寄せ、先程とは比べものにならない深い深い キスを お返しされた。


「ん…んっ…ふ」

「…随分と大胆ですね?グンソクさんらしいというか…続きはお望みですか?」

「当たり前…代表、はやく…もう待てない」


あたかも、打ち合わせ中からアンタとヤ  りたくて堪り  ませんでした!って感じなベタなセリフにもかかわらずあっさりとベッド に押し 倒さ れてあとはもう されるがまま。




「あっ…んんっ…代表…ぁ…そこ、もっと…!」

「最中 にそう呼ばれるのも悪くないですね…」

「いぁッ…あ…だい…ひょ、激 し…駄目だっ…!」


代表、一見顔色もなんか悪いしどうせヒョロヒョロ体型なんだろーなとか思ってた自分が馬鹿だった。

お堅いスーツに隠されたその身体はそれはそれは…そこらの芸能人と引けを取らない完璧なもので俺は一気にソノ 気になってしまった。

しかもイイ感じに 激 しくて、俺好みの セッ  クス。

人って見かけによらないんだな…。
コレは女も男もほっとかねーな。


「ん…ぁ、駄目もう…あッ、ぁ…んんん…!」
 

首筋を  ゆっくりと 舐 め上げられながら、膨 張  しきった ソコ に手を伸ばされ 激 しく突き立て  られもう 耐え切れず 吐き出し てしまった。


少し遅れて代表も、僅か に唸 った後 俺の腹に 欲を 散らす。

ナカ で出さないあたり、一応線引きはしてんだな。

行為 が 終わると代表は丁寧に後始末をしてくれて、乱 れた衣服までをも着せてくれて何だか恥ずかしかった。

紳士的なのもいいけど、ここまでされるとちょっと吹き出しそうになる。


「普段はこの様なことは断じて無いのですが…どうやら魔が差してしまったみたいです」

「俺から誘っ  たんだから気にしないでよ。俺だって普段からお偉いさんと 寝 てるわけじゃないですから」

「わかってます。貴方はそんな手でのし上がろうとする 俳優ではないと。正直、利益の為に俺に近づいてくる俳優は数え切れない程居ましたよ」

「じゃあ何で…」

「それは俺にもわかりません、本当に魔が差したとしか言いようが無いですね。それ程に貴方が人として魅力的だったんです」


ジョン・イン代表…俺とたいして歳も変わらないし、どうせチャラいボンボンで椅子に座ってるだけの社長かと思ったけどそうじゃなかった。

俺の俳優業に賭ける信念…他の奴らは鼻で笑うかもしれない、数字が全てだって言うかもしれない。

けどそんなもの抜きで俺を評価してくれた気がする。

この業界  は金…数字や人気が全てじゃない、そう自分に言い聞かせてきたのは間違いじゃなかったって改めて認識することが出来た。


もう走るのをやめたくなった時もあったけど…俺はずっとこれからも直進。


ヒョン、貴方はあまり無理するな気にするなって言ってくれるけど無視するよ。


俺はもう止まらない。

変な噂も中傷も気にもしない。


ヒョンといつまでも泣いたり笑ったりしていたいんだ。ヒョンが喜んでくれるだけで俺は幸せ。


だから俺は死 ぬまで走り続けるよ。
俳優チャン・グンソクとして。