JI企画の代表との打ち合わせの途中でソギが酔ってしまい、代表と一緒に消えたと同席させていたスタッフから連絡が入った。
何で俺が居ない時に・・・。
ソギの携帯は繋がらず、JI企画の代表とも繋がらない。
苛立ちを抑えきれずに手元の書類を握りつぶした。
事務所を飛び出し、タイヤ音を響かせながら車を走らせる。
夜の街を睨みつけながら脳裏にはソギの顔が浮かぶ。
新しい作品選びに悩んでいたソギ。
今期のJI企画の打ち出したドラマは予算も脚本も他のとは桁違いの視聴率間違いなし。
汚い手を使えばなんとでもなるこの世界…。
変なこと考えるなよ…ソギ…。
JI企画の事務所に残っていたスタッフを捕まえて代表の居場所を聞き出す。
焦る気持ちを抑えて体が震える。
「遅くに申し訳ないですが、代表は今どこに居らっしゃるんでしょうか?どうしてもお会いしたいので…。」
「プライベートなことは口外出来ないんです。明日またいらしてください。」
めんどくさそうに俺の目も見ずに対応するスタッフの胸ぐらを掴んだ。
「なら今すぐ…あなたが死ぬか…どちらにしますか?」
抑えた声を耳元で囁きながら凶悪に自分の唇の端が上がるのが分かる。
脳が焼き切れそうな怒りと焦り。
胸ぐらを掴んでいた手はいつの間にかスタッフを持ち上げるように首を締め上げていた。
「ひっ……」
青ざめた男があっけなく代表の常宿のホテルを吐いた。
「すみませんね、少し急いでいるもので…。」
へなへなと座り込む男の胸元を手早く整えてホテルへと急ぐ。
車を乗り捨ててロビーへ飛び込んだら、エレベーターからソギが歩いてきた。
「ソギ!」
「あ、ヒョーン♪」
俺を見つけて無邪気に笑いかけるソギ。
「ソギ…ッ!」
「ンンンッ…苦しい…!なに!?」
気がついたらソギを強く抱きしめていた。
「ソギ……大丈夫か…?」
声が震えてる。
胸の中のソギを抱く手も震えている。
「大丈夫だよー。ちょっと飲み過ぎて休ませてもらっただけ。」
そう言うソギの瞳は潤んでいてオーラが妖しく濡れている。
何があったかは聞かなくても分かる…。
遅かったか……
もう一度ソギの体を強く抱きしめた。
俺がもっとしっかりしていれば、俺にもっと力があれば…
個人事務所だからってこんな目に合わせなくて済んだのに。
「ソギ…!すまん……すまん!」
「何謝ってるの?変なヒョン。」
俺の背中をゆっくり抱きしめ返したソギの声が少し変わった。
「こっちこそ…ごめん、俺、またヒョンに心配かけたんだね。」
抱きしめる腕を緩めてソギの顔を覗き込んだ。
「全部俺が悪い…体は大丈夫か…?」
「ん?なんか勘違いしてる?そんな事より次のドラマ選び!ヒョンこれから一緒に選ぼうよ!」
「へ…?JI企画のじゃないのか…?」
「えーー?JI企画のは売れるかもだけど面白くないもん。ヤダ。俺がやりたいのをやるんだから。」
拍子抜けした俺の手をソギが引っ張る。
「はーやーくー!オファー来た資料全部ヒョン持ってるだろ?今日はヒョンん家に泊まるー♪」
「ええ…!?ソギ…?」
「朝まで二人会議しよ?あ、夜食作ってあげるから!」
早く早くと催促するソギに急かされて車に乗り込む。
狭い空間に二人きりになった途端少しの沈黙。
「ヒョン…俺、やりたいことやってもいいよね?」
キラキラした瞳で運転する俺の腕を掴むソギ。
ホテルで何があったかは俺には分からないけれどソギが生き生きと笑っている。
「もちろん…お前はやりたいことやってる時が一番輝いてる。」
「うんっ!」
ああ、俺はこの輝きにどうしようもなく惹きつけられている。
出会った時からずっと……。
そしてこれからも、その輝きを守らせてほしい。
そのままのソギを…。
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遅くなってしまいましたが
改めましてようさんお誕生日おめでとうございまーす♪♪♪
ゴン様声に代えて、お祝い申し上げます≧(´▽`)≦