ウィーンのムジークフェラインデビューを前に、モーツァルトの協奏曲24番といえばクララ・ハスキルのコンクールを思いつく真央くんファンも多いのではないでしょうか。この24番c-mollはクララ・ハスキル自身もレパートリーとしていた曲で、2017年にスイスのVevey-ヴヴェイ-で開かれた第27回クララ・ハスキル国際コンクルールにおいて真央くんはこの曲を弾いて一位を勝ち取りましたね!
一位しか出さないコンクールなので、ただ一人の受賞者ということになります。
冒頭に貼った動画はコンクールの公式チャンネルで公開しているファイナルの出場者全員の演奏です。
真央くんのモーツァルトは1:22:08から1:51:55
続いて課題曲の演奏が1:53:50から1:59:45
驚くのはモーツァルトの協奏曲で、すでに自作のカデンツァを披露しています。
課題曲の演奏終了後、30分後にremise des prixといって受賞者の発表があり、その様子も動画に収められています。
この授賞式の司会をしたメガネのおじさんが、(やや寒い)芝居がかった演出をしたものだから、フランス語話者ではないコンテスタント達はポカンと置いてきぼりです。最初に様々な副賞が発表され、課題曲の最優秀演奏者に作曲者本人から与えられる「モダン・タイムス賞」を真央くんが受賞した後に、ようやく一位のクララ・ハスキル大賞が発表されます。
まずは司会者が審査委員長であったザカリアスを呼び出し
-司会「ザカリアスさん、あなたはすべてやらねばならないのですね。オーケストラを指揮して(ファイナルの協奏曲で指揮者を務めた)、審査委員長を務めて、まだ他に何かあるんですか?」
-ザカリアス「一位を発表しますよ」
-司会「そうですか。ではついでに皆んなが帰ったあと、時間があったら椅子を片付けて掃除もして行ってください」
と冗談を言い、続いてザカリアスが一位を発表をします。
-ザカリアス「皆さんもご存知のように、過去2回のコンクールでは一位該当者がいませんでした。しかし今年は喜ばしいことに、一位を発表することができます。(受賞者の名前が書いてある)封筒を開ける必要もありません。審査員はほぼ満場一致で決定しました。もう皆さん、わかりますよね?MAO FUJITA!!」
このコンクールで、後に真央くんのキャリアを助けてくれることとなるマーティン・エングシュトローム氏と出会ったエピソードは、確かどこかにご本人が書いていたか、インタビューで話していたと思います・・・運命的。
クララ・ハスキルの録音
コンクールの審査委員長であったザカリアスによる全集
ザカリアスによる23番と24番の録音🍎