『西の魔女が死んだ』(2008年・日本) | Cinéma , Mon Amour.。.:*☆

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わたしの右脳は洋画で
左脳は邦画で出来ておりまする╰(*´︶`*)╯

こんにちは


今日 ご紹介する映画は


『西の魔女が死んだ』



映画の初っ端で

『西の魔女が倒れた、もうダメみたい、、、』

車のハンドルを握り締め
今にも泣きそうなママ(りょう)が呟き

助手席でわたし(高橋真悠)は



西の魔女こと 
おばあちゃんと過ごした
ひと月余りの日々を思い出していた

後悔でいっぱいだった、、、


*・゜゚・*:.。..。.:*・':.。. .。.:*・゜゚・*


ー  二年前  ー
中学生になって直ぐ不登校を決めたわたし、まいに

何か言いたげなママは、それでも理由も聞かずに

しばらくおばあちゃん家で過ごせば?と
提案してきた

でもママはわたしが聞き耳を立てているとも知らず
電話の相手に『あの子は感受性が強くって、昔から
扱いにくい子だったから、、、』と本音を語っていた

ママの電話の相手であろう
人里離れた一軒家に住むおばあちゃん
サチ・パーカー)は

いつもと同じように『まい、来ましたね』と
静かに迎えてくれた

イギリスから日本の学校へ
英語教師としてやって来たおばあちゃん
教師だったおじいちゃんと結婚し
おじいちゃんが亡くなった今も、此処にいる

優しくて、色んなモノを
紡ぎ出す手を持つおばあちゃんに
『おばあちゃん、大好き』と伝えると
おばあちゃんは決まって
『I know』と返してくれる

そうして始まった二人暮らしは
学校での嫌なことを忘れさせてくれたけれど

隣家(と言っても離れているが)に住む
ゲンジさん(チコちゃん、じゃないやキム兄)に

『お前か、ここの孫言うんわ
    学校サボって良い身分やのー』と
初対面なのに酷い言葉を浴びせられ
気分サイアク( ̄(工) ̄)

おばあちゃんはゲンジさんに
大工仕事など手伝ってもらっていたが
わたしに対する非友好的な態度はどゆこと?

けれどそれ以外は大好きなこの場所


ある夜のこと、おばあちゃんから
おばあちゃんのおばあちゃんが魔女だったと
打ち明けられる

おばあちゃんのおばあちゃんには
予知能力と透視能力があって、水難に遭った恋人の
命を救ったことがあったそうだ

うちが魔女の家系だとしたら
わたしが他の子と違っていてトーゼン
扱いにくい子なのも当たり前
そう確信したわたしはおばあちゃんに
魔女になりたいと修行を願い出た

魔女になるには、相当努力をしなくては
なりませんよとおばあちゃん

修行は、早寝早起きと規則正しい生活を
送ることです

え?それだけなの?と、不満なわたしに
それだけのことが、まいには出来ていますか?
と問われ、夜中の2時3時まで起きているわたしは
返す言葉もなかった(*´ω`*)

次の日から早朝に起き夜は11時に就寝する毎日が
始まって、何だか体良くお手伝いをさせられている
気もするけれど  笑笑

それでも修行は楽しかった

だけど、あることが原因で
わたしはおばあちゃんと言い争いになり
仲直りできぬまま、おばあちゃんと別れた

いつもの
『おばあちゃん、大好き』も言わないで

おばあちゃんを置き去りにしてしまったのだ、、、



*・゜゚・*:.。..。.:*・'*:.。. .。.:*・゜゚・*


1994年に刊行された
梨木香歩さん原作のベストセラー小説
『西の魔女が死んだ』

タイトルは不穏ですが
でもそれゆえに惹きつけられ
読後、すぐさまジェーンの
お気に入りブックリスト入りを果たし
その流れで映画化された作品も
何度も繰り返し観ております

『女子の付き合いって面倒くさい』
だから試しにクラスメイトと迎合することを
止めてみたら、あっという間に一人ぼっちになった
主人公の、まい

ハーフ特有の見た目のため
学校生活で苦労した先駆者のママは

あっさりとまいを
おばあちゃん家に送り出します

おばあちゃんとの毎日は
野いちご摘みからの、ジャム作りに

ラベンダーの上にシーツを広げたりと

いい年こいてなんですが
わたくしこういった描写が大好きでして
観てるとこーーんな顔→  (*゚▽゚*)  になります

さらに魔女の家系であることを知ったまいは
おばあちゃんの指南通りに修行に励むといった
メルヘンチックなお話なんですけども

原作者の梨木さんが、結構シビアな現実を
突きつけてくるんですねぇ

その最たる礫である
木村祐一さん扮するゲンジ

おばあちゃんにとって知古のゲンジは
まいにとっては会ったことがなかった人物で
黄ばんだランニングにラメ入り腹巻き、首には
外仕事定番の(多分粗品かなんかの)タオルを巻き
話す言葉は関西弁

しかも友人役は 諏訪太郎氏とキタモンダー

そればかりかゴミ集積場に
エロ本(それも昭和レトロな)を、
大量に処分してはるし!

思春期真っ最中の少女にとっては
最も避けたい人種でしょう

案の定このゲンジが原因で
まいはおばあちゃんと袂を別つことと
なりますが『トイレの神様』にほろっと
した方は(わたしだな)、こちらのラストでも
ほろろーーっとするんじゃないかな

実はわたしもおばあちゃん子で
おやつの準備から(厳しい)しつけに至るまで
お世話になったにも関わらず、彼女の死に目に
会えなかったことを、未だに後悔しています

いつだって会いに行けたのに
あの頃のわたしは自分を優先した、、、

それでもおばあちゃんなら
許してくれると思ってた、、、

そのせいで
『おばあちゃんありがとうね』が
言えなかった、、、

ことを痛痒とともに思い出します

だから、高橋真悠ちゃん演じる
まいの気持ちがよく分かります

親の愛が『親愛』なら

祖母(祖父)の愛は、きっと『慈愛』

その『慈愛』を余すところなくリリースした
まいのおばあちゃん役のサチ・パーカーさん



ご存知の方もいらっしゃると存じますが
サチ・パーカーさんはハリウッドの名女優
シャーリー・マクレーンさんの実娘であり
ウォーレン・ベイティさんの姪っ子さん
でもあります

女優としてのサチさんは、正直言いまして
それほど目立った活躍をなされてはおりませぬが

しかし今作でのおばあちゃん役は
彼女のために用意されたと言って過言でないほど
見事に当てはまっておりました


教師という役どころだったため
丁寧な『ですます調』は説得力があって

(日本語、お上手です)

不登校になった理由を
おばあちゃんに告白したまいに対しては

自分が楽に生きられる場所を求めたからといって
   後ろめたく感じる必要はありませんよ

   サボテンは水の中に生える必要はないし
   ハスの花は空中では咲かない

   シロクマがハワイより北極で生きる方を
   選んだからといって、誰がシロクマを責めますか?』

まんま、仰るとーりです

またまいは
『死んだらどうなるのか?』という
少女特有のギモンを、おばあちゃんにぶつけます

それに対するおばあちゃんの答えは
まいの育成を考えた、シンプル且つ深遠なもの

反対に見た目はのほほんとしたパパ(大森南朋)が



『死んだら最後
   もう何も分からなくなって
   自分というものもなくなる
   まいが死んでも、朝になったら太陽が出て
   皆んなは普通の生活を続ける 』と

身もふたもない答えを提示し
まいを戸惑わせるけれど

人の数だけ答えがあって
どれが正しくて、どれが間違いだなんて
一概に言えないことを、彼女は学んでいくのです

そして
人は見かけや発する言葉で
判断してはいけないことも、、、



そうやって皆んな


大人になっていくのです







*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*






地のサチさんは
やはりお母様に似てますね

サチさんの本名は
ステファニー・サチコ・パーカー

ミドルネームのサチコ
その頃アメリカにいてシャーリー・マクレーン
親交のあった小森和子さんが命名されたそうな。


小森和子さんは今、

アメーバ横丁の一角で

話題のお人です、、、