インプリント〜ぼっけえ、きょうてい〜(日米合作・2006年) | Cinéma , Mon Amour.。.:*☆

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わたしの右脳は洋画で
左脳は邦画で出来ておりまする╰(*´︶`*)╯

こんばんは

先日、お付き合い頂いている
『こみたんの映写会』のライター
こみたん様  が レビューされた
『アンタッチャブル』を拝読し

いつもながらの鋭い洞察力に
感服いたした次第ですが
今作にはわたくしの大好きな
悪役界のレジェンド
 ビリー・ドラゴ兄が出ておりまして
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それで思い出した
『インプリント〜ぼっけえ、きょうてい〜』を
今宵はご紹介させて下さいませ
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こちらは世界の名だたる
ホラー映画監督13人が
米国のケーブルテレビ用に撮った
中の一編で

監督は、T・フーパーJ・カーペンター、
D・アルジェントといったビッグネームと共に
我が国から選出された三池崇史さんです

原作は岩井志麻子女史の
『ぼっけえ、きょうてい』

三池監督がアメリカ資本で撮った
(アメリカでの)デビュー作でもあります

と、前置きが長くなりましたが
お話にいっちゃいましょう

ーーーーー

時は明治時代の日本

アメリカ人記者クリストファー(ビリー・ドラゴ)は
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かつて愛した小桃(美知枝)と言う名の
遊女を探しに、とある浮島にやって来ました
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辿りついた遊郭で、小桃の行方を尋ねるものの
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誰もが知らないと言葉を濁す中

クリストファーは、顔半分が引き攣れた
遊女(工藤夕貴)から
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小桃が死んだことを聞かされます

小桃がどのようにして死んでいったのか
教えてくれと縋るクリストファーに遊女は答えます

小桃は醜いわたしにも優しくしてくれた
優しい女だった。

そして小桃は愛する男の迎えを待っていた。

だが、お内儀さん(根岸季衣)虎の子の
翡翠の指輪を盗んだ疑いをかけられ
寄ってたかって拷問された小桃は
その苦しみに堪え兼ねて首を吊ったのだと、、、

遅すぎた迎えを悔やむクリストファー

しかし遊女は真実を話してはおらず
この遊女こそが小桃殺しの犯人だったのです

『何故優しくしてくれた小桃を殺したのだ?!』
詰め寄るクリストファーに

『知らない方がいいこともあるのに、、、』と
窘めつつ、女郎が語ったこととは?

ーーーー

あの稀代の名作←名作でしょ?
である原作の本筋は踏襲しているものの
こちらは全編台詞が英語なんですね
(だってアメリカ資本だから)

よって原作を格上げした
岡山弁マジックは効を奏さず

その代わりと言っては何ですが
小桃に対する拷問シーンには
三池崇史監督、ひと針入魂
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これ、演じてる人は
原作者の岩井志麻子さんなんですよ

畳針(だよねぇ?)で
何処を突き刺すかって言ったらアータ
皮膚と爪の間に決まってますがな
(その後歯茎にも刺します、、、)
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線香持って墓参りじゃあないですよ
これは腋に押し付けるんです
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岩井さんが嬉々として演じた
この拷問シーンが余りに残虐だと
13人の監督の中で三池さんたら
唯一、放送中止の憂き目を見ておりまして
さすがは鬼畜道のトップランナー三池さん

やはりこの方はアングラ界隈でこそ
真価を発揮出来る監督さんです
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(大作になると、ねぇ、、、

そういったグロテスクな描写ばかり
話題に上がりますけれど

実はこれって
とっても哀しいお話なんですよ

工藤夕貴さん扮する遊女(名前はない)の
凄惨な過去は群を抜いていますが
当時の日本には、親に売られた
女性たちが沢山いたわけで

根幹にはびこる貧困は無知に繋がり

そこから発生する
大人たちの罪悪感の欠如と
倫理観の欠落

だてに『親の因果が子に報い』なんて
言い回しが残ってるわけではなく
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ちゃんと理由があってのこと。

風車が意味するものは何なのか?
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この作品は
観る側がどのポジションに立つかによって
存在意義が変わる気がします

もっともっとお話ししたいんだけど
長くなりますから、ちぃーとばかり
出演者をご紹介させて頂きます

主演の工藤夕貴さんがとにかく良かった
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彼女の線の細さこそが
ジャパニーズ・ホラーの骨頂であり
静から動への切り替えが本当に上手かった。

新人ながら、凄惨なリンチシーンを
全身で演じたいまるちゃん似の美知枝さんには
お疲れ様と針を抜いてあげたい。
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(リンチシーンの画像は自主規制いたします)

ワケあり感満載の遊女を演じた江口のりこさんに
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昔からビジュアルが全く変わらない
お内儀役の根岸季衣さん
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遊女(工藤さん)のDVな父親役は
地上波に出てきていいんかい?な
木下ほうかさんですし
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そらもう、ビリー兄がまともに見えたくらい
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役柄を一切構わない
日本の役者さんたちが揃ってるわけで

大きな声では言えませぬが
わたくしDVDを買い求めちゃうほど
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個人的に
気に入っている作品ではあります
(はい、変鯛のジェーンが通りますよーー)

駄菓子菓子

皆さまに積極的な鑑賞を
オススメすることは控えさせて頂きましょうね

同じく三池監督の手による
『オーディション』(2000年)が
大丈夫だった方には今作は余裕かと思いますが
鑑賞にあたっては自己責任でお願い致します

絵面もさることながら
油断ならないのが擬音でございまして

三池さんたら
最強のオノマトペ使いですから
そこらへんも合わせてご用心ご用心。

では最後にもう一枚
志麻子センセのショットをご覧頂いて

今回はここまで!



 

╰(*´︶`*)╯♡



  






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ちなみに  ぼっけえ、きょうていとは
岡山弁で ものすごくこわいという意味に
なります、、、