二十四時間の情事(日・仏合作/1959年) | Cinéma , Mon Amour.。.:*☆

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わたしの右脳は洋画で
左脳は邦画で出来ておりまする╰(*´︶`*)╯

こんばんは


今宵ご紹介する映画は『二十四時間の情事』
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お話の舞台は
原爆が投下されてから14年後の広島

この地で出会った
フランス人の女(エマニュエル・リヴァ)と
日本人の男(岡田英次
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ご覧のとおり
既に一線を超えちゃってますが
寝物語に女が

『わたし、広島で何もかもを見たわ』と言い

男は『君は広島で何も見ていない』と
それを否します

『いいえ、わたしは広島を見たわ
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 病院へ行って、博物館へ行って…
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 だって、見ないですませられるはずがないわ』

と、反論する女は
反戦映画の撮影のため
広島を訪れたフランス人女優
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男は自称建築士
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女『あなたは被曝しなかったの?』
男『家族はここに居たが、僕は戦地に居た』
女『幸運だったのね』

なにを持ってして幸運と言えるのか
よくわかりませんが

女の滞在時間はわずか二十四時間

二人は行きずりの関係のはずでした

核廃絶を訴えるデモ行進を撮影中
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待機する女を見つけ
もう少し広島に残ってくれと懇願する男
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それを受け、男の家を訪ねる女
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女『わたしの夫は優しい人なのよ』
男『妻は僕には過ぎた女だ』

だったら、二人は何故こんな事を?

女『まさかここであなたに会えるなんて
       思いもしなかった』
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そう告げる女には、
実はとてもとても辛い過去がありました





若かりし彼女は
故郷ヌヴェールで、進駐していた
ナチス将校と恋に堕ちます

『わたしの恋は、フランスの敵』

だから二人は
駆け落ちをすることにしますが
約束の場所に向かった女が
見たもの、それは
銃で撃たれた愛しい男の姿

もがき苦しみながら
『なかなか死なない彼』の側を離れない女

その日の夜、ヌヴェールは解放され

『敵と寝た女』を待っていたものは
隣人からの侮蔑の眼差しと嘲笑と、そしてリンチ

狂った女は両親によって地下室に匿われ
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頭の上を社会が通り過ぎ、人々が
平日は急ぎ足で、休日はユックリと
往来し合う足下を見つめ続けて幾星霜……
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『死んだ』ことになっていた女が
両親によって、パリへと送り出された
その二日後
広島に原爆が投下されたのです

今もジクジクとした膿を出し続ける
疵を抱え、此処へとやって来た女は

原爆投下によって、
家族を亡くした男と出会い

そして、こんな風に言うんです

『広島は恋の町ね、あなたとまた出会えた』と。

どうも、死んだドイツ人の恋人と
錯覚してるような感じがしますが

男は、女が
自分の夫にすら秘密にしていた過去を
自分にだけ打ち明けてくれたことを喜び
ここに残ってくれと懇願します

逡巡と共に、広島最後の夜を彷徨う女と

影のように付き従いながら
彼女が出す答えを待つ男

しかしもう、結果は出ていました
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二人はお互いの名も知らぬまま

けれど最後に……


女『あなたの名前は ヒロシマ よ』

男『じゃあ君は ヌヴェール だ……。』





狐につままれた感が残る
ラストですが
なにせ監督はあの、アラン・レネです

レネ監督は 本作を撮った四年前に
映画史上初めて
アウシュビッツ強制収容所に於ける
ナチスのホロコーストを描いたとされる
『夜と霧』を監督した、いわば筋金入りですね

本作(原題は  イロシマ、モナムール)では

『フランス人である我々が 日本人が体験した
   原爆被害をどこまで知ることが出来るのか』を
コンセプトに、ヌーヴォー・ロマン派の作家
マルグリット・デュラスが脚本を担当しています

デュラス氏と言えばわたし
『愛人』で挫けてしまって
他作は読んだことはないんですけど

今作もやはり、
セリフを咀嚼するレベルには
到達出来なくて、、

でもね

あともう少しで分かりそう
いや分かりたいから
鑑賞を再チャレンジしてみたくなる

わたしにとってはそんな気分に
持ってってくれる作品ではありました

劇中にて、原爆投下後の広島の
リアルな映像が使用されております
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それらを見るにつけ、日本人としては
本当に遣る瀬無い思いが溢れてきます

さらにそのリアルな資料映像と並行して
関川秀雄監督作品の『ひろしま』からの
映像も登場します
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もちろんセリフは大切ですけど

映像は、有無を言わさず
観る者全てを捩じ伏せてくるのですわ
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名無しのフランス人女性を演じた
エマニュエル・リヴァは四年前に主演した
『愛、アムール』が、良かったなぁ
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リヴァさんが、今作のロケで広島を訪れた時
プライベートフォトをお撮りになっていて
それが写真集になってます

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そして、リヴァさんの
相手役を務めた岡田英次さん

流暢に
おフランス語を操り
おフランス人女優の
隣に寝て、立って、座って
全く遜色がないその容貌は、凄いですねぇーー
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うちの高齢の母親が
『また逢う日まで』
(1950年公開)に於ける

久我美子さんと岡田さんの
ガラス越しのキスシーンは
未だに忘れられん、言いますもん
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何々岡田英次さんは

『和製ジャン・マレー』とな?


おおぅっ!  確かにマレーっぽい
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