時の流れは留まる事無く

流れ出しては消えて行く









なんて謳う歌手が全盛だったのも今は昔。




移り行く四季の「変化」に美しさを感じたりもすれば、




幼い頃から変わらない町並みに美しさを感じる。



「変わる」から美しい物と

「変わらない」から美しい物。




2年程前、仕事中の事故により死にかけ入院し、神の意志に反しながらも奇跡的に助かり退院し実家に帰って来た。



だが、ここは生まれ育った落ち着ける場所ではない。

小学生の時に転居、中学で親が離婚し転居、母がマンションを購入し転居、一人暮らしを経て、事故から回復し、今に至る。


そんな中、自分の家じゃないのに妙に落ち着く「精神と時の部屋」が、以前は近所の酒屋の2階にあった。



その部屋の時計は、

常に4時5分だった。




年がら年中、4時5分。



イラッとして別の時計に目をやると



こちらは春夏秋冬、2時15分。




「時間に縛られたくないから。」



と、部屋の主は語る。



壊れていたのは人間の方だ。




毎回、漫画や雑誌(なぜか女性ファッション誌がある)を掻き分け、何とか場所を作り座る。


散らかり方は変わらないのに、手に取る雑誌のグラビアは、不思議と常に「旬」だった。


散乱してても洗練されていた。



たまに食事も出してくれた。母親特性ミートソースや、醤油ラーメン等々。


その際必ず、



「シェフが数日間煮込みました」


とか


「中国で厳選された食材を使った」


とか


素敵な嘘を聞きながら食べた味は最高に旨かった。




あの部屋は世界で2番目に落ち着く場所だった。








時は流れ、


その酒屋は、

立派なマンションに建て変わり



壊れていた住人は



世間と同じ時を刻む時計を小綺麗な部屋に置き、俺の何倍もの給料を貰う様になっていた。







「変わる」から美しい物。





そしてその小綺麗な部屋に無造作に置かれていた物
「おいでやす」あい飢え雄オフィシャルブログ by Ameba-201001221908000.jpg




「変わらない」から美しい物。