漢方方剤約150種類のうち、おおよそ70%が甘草を含有している。
甘草にはグリチルリチンが含まれ、甘草が1日あたり2.5gを超えると、偽アルドステロン症を起こしやすいとされる。
グリチルリチンは配糖体であり、腸内細菌によって利用されてから吸収されるため、偽アルドステロン症を起こす用量には個人差が大きい。
抑肝散5g/日(甘草1g/日含有)で偽アルドステロン症を起こした報告もある。
確実に安全と考えられているのは0.2mg/kg/日のグリチルリチン(甘草0.005g/kg/日)のみ。
維持期でも3~6ヶ月に1回カリウム値のチェックが望ましい。
グリチルレチン酸はアルドステロンと比較すると、ミネラルコルチコイド受容体に対して1/10,000の親和性しかない。それでも偽アルドステロン症を来す理由は、甘草がコルチゾールからコルチゾンに変換する11β-ヒドロキシラーゼを阻害する事で、コルチゾール過剰を来す為と考えられている。
甘草投与を中止しても、1週間は体液電解質バランスが元に戻らず、レニンアルドステロン系については数週~数ヶ月は殆ど改善を認めず、130日後にも完全には回復しないと言う報告がある。カリウム剤の投与がしばしば行われる。スピロノラクトンやエプレレノン常用量の投与が有効である。数週間の経過で臨床症状は消失し、カリウム値も回復する。
20170814作成
