ある晴れた朝、ポリーは目を覚ました。ポリーは真っ赤な羽根を持つ元気なオウム。朝一番の仕事は、いつも窓辺に止まって、外の世界を観察することだ。ポリーの目の前には広い庭が広がり、そこには猫やリス、時々見かける野生のうさぎたちが住んでいる。ポリーにとって、ここはまさにエンターテインメントの宝庫だ。

「おはよう、ポリー!」とママが挨拶する。ポリーは得意げに「オハヨウ!」と完璧に真似して返す。ポリーの特技は、人間の言葉を覚えて真似すること。それがちょっとした問題を引き起こすことになるとは、この時はまだ誰も知らなかった。

その日の午前中、ポリーは台所でママが焼き立てのパンを取り出すのを見ていた。いい匂いに誘われて、ポリーはケージから出ていき、テーブルの上にひょいと飛び乗った。ママが目を離した隙に、ポリーはパンにかぶりつこうとくちばしを伸ばした。「ポリー、ダメ!」とママが叫ぶと、ポリーは急いで「ダメ!」と叫び返し、面白がってパンを転がし始めた。パンはテーブルを転がり、床に落ちた。ポリーはそれを追いかけ、さらに大きな声で「ダメ!ダメ!」と叫び続ける。ママは笑いを堪えながら、ポリーを追いかけた。

午後、ポリーは窓辺から庭を見下ろしていた。すると、隣の家の飼い犬、ブルドッグのブルーノがフェンス越しにやってきた。ブルーノはおっとりしていて、普段はあまり吠えないのだが、今日は何かに興奮している様子だった。「ワンワン!」と吠えた瞬間、ポリーは大きな声で「ワンワン!」と返した。ブルーノは驚いて、尻尾を振りながらポリーを見上げた。「ワンワン!」とブルーノが吠え、「ワンワン!」とポリーが真似する。この妙なやり取りは、やがてブルーノの飼い主を巻き込み、笑いの渦を巻き起こした。

夕方、ポリーは居間のソファに陣取って、テレビを見ていた。今日はポリーの好きな料理番組が放送される日だ。司会者が「おいしいシチューの作り方を教えます!」と言った瞬間、ポリーも「シチュー!」と叫んだ。ママがキッチンで何かを探していると、突然ポリーが「ジャガイモ!」と声を張り上げた。これはどうやらポリーがテレビから覚えた言葉らしい。ママは笑いながら「そうね、ジャガイモも入れないとね」と返した。

その夜、家族が夕食を囲んでいると、ポリーはテーブルの上で得意げに「美味しい!」と繰り返していた。みんなはポリーの芸達者ぶりに感心しながらも、次はどんな言葉を覚えるのか心配していた。パパが「明日は誰の真似をするのか楽しみだね」と言うと、ポリーは「楽しみ!」と返した。家族全員が大笑いし、ポリーも勝ち誇ったように胸を張った。

ポリーにとって、毎日が大冒険。どんな些細なことも大事件に変えてしまう彼は、家族のアイドルであり、笑いの源だ。誰もが彼の次の行動を楽しみにしながら、日々を過ごしている。ポリーの生活は、いつも驚きと笑いに満ちているのだった。