僕は赤ちゃん。名前はユウタ。今日もいつもと変わらないお昼前の世界だけど、僕にとっては新しい発見がたくさんある。まず、ベッドの柵の向こうに広がる景色。あれは「リビング」と呼ばれる場所らしい。大人たちがテレビを見たり、おやつを食べたりするところ。でも僕にとっては、広大な未開の地なんだ。

このリビングの探検を始めたのは、ある朝のことだった。ママが僕をベッドから出してくれた瞬間、世界が広がった気がした。床の上を転がって、匍匐前進していると、大きな青いボールが見えてきた。あれはパパの趣味のサッカーボールだ。触ると冷たくて、でも弾む。僕は興奮して手を伸ばして触ってみた。あまりの弾力にびっくりして、思わず笑ってしまった。

次に目に入ったのは、キラキラと光る何か。光の正体は、ママのネックレスだった。テーブルの上に無造作に置かれていて、光を反射している。僕はその光に惹かれて、よちよちと近づいた。手を伸ばして掴もうとしたその瞬間、ママの声が聞こえた。「ユウタ、ダメよ!」でもママの声は、僕にはただの風の音みたい。手を伸ばし続けると、突然ネックレスが持ち上がった!あれ、なんで?

振り返ると、ママが笑顔で僕を見ていた。なんだ、そういうことか。僕が危ないものに触らないように、見守ってくれているんだね。ママの笑顔を見たら、何だか安心してしまった。赤ちゃんの僕にとって、ママの笑顔は世界の一番の宝物なんだ。

午後になって、お昼寝の時間がやってきた。ベッドに戻されて、ふかふかの毛布に包まれていると、探検の疲れがどっと出てきた。まぶたが重くなって、気がつくと夢の中。夢の中でも僕は大冒険をしている。今日は何か不思議な動物が出てきたよ。どうしてあんなに長い鼻をしているんだろう?

目が覚めると、もう夕方。窓の外はオレンジ色に染まっていて、鳥の声が聞こえる。ベッドの柵の向こうには、ママとパパが仲良く話している姿が見えた。僕は彼らのところへ行きたくて、ベッドの中でバタバタと足を動かした。するとママが僕を抱き上げてくれて、暖かい抱擁の中で安心感を感じた。

赤ちゃんの僕には、毎日が新しい発見の連続。大人にとっては当たり前のことでも、僕にはまるで魔法みたいに感じるんだ。そんな小さな冒険の中で、僕は少しずつ成長していく。明日はどんな発見が待っているのか、今から楽しみだな。