久しぶりでございます。
私の変形性股関節症の人工関節置換手術の後、すでに4週間たちました。
いまだに、患部の加重は50%に制限されたままです。
まぁ、骨移植というものは難儀なものです。
ところで、変形性関節症といえば、股関節以外に、膝関節のものが有名で、多くの、特に女性で、膝痛に困っている方々は多いのではないでしょうか。
そこに、すごいニュースが入ってきました。
画期的新薬の登場です。
4月18~22日にオーストリア・ウイーンで国際変形性関節症学会が開催されたのですが、そこで、変形性膝関節症(膝OA)患者に対するlorecivivintという薬の長期の臨床試験の結果が出されました。
この薬のすごいところですが・・・。
鎮痛効果のみならず、骨保護・再生作用が実証できたとのことなのです。
いままでの常識では、軟骨は再生しない・・と言われていたので、いかに画期的な薬であるかわかると思います。
今回取り上げた論文では、ステロイド関節内注射薬とlorecivivintを7日間隔で関節内注射してみたというものです。
このLorecivivintの作用機序はこれまでに詳細に検討されておいます。
この薬剤がstructure modification(DMOAD作用)とsymptom modification(鎮痛作用をはじめとする臨床症状改善作用)を併せ持つというもので、それが軟骨細胞と滑膜細胞の両方に作用しているからということなわけです。
しかし、この薬に問題点が・・・。
アジアでは既に韓国と中国の会社とライセンス契約を結んでいるのですが、同じ時期に日本にも打診があったのに日本の製薬企業が提示した金額は韓国や中国より1~2桁も安かったために撤退したということらしいのです。
つまり・・、日本では使用できない可能性が・・・
日本の製薬企業には「日本の医療は保険診療が原則のため、保険で認められていないものは売れない」という固定観念が根強く残っています。
保険収載のためには薬事承認が必要であるのですが、厚労省・医薬品医療機器総合機構(PMDA)は旧態依然とした独特の承認システムに固執しており、極めて煩雑で無駄が多いのです。
また、整形外科については、PMDAの審査員や専門委員の顔触れを見ると、高いレベルで適切な科学的評価ができるとは思えないらしいのです。
で「ウダウダ」と非科学的で理不尽な難癖をつけられた末にやっと承認されたとしても、中央社会保険医療協議会(中医協)で医療保険財政の逼迫を理由に「ゴリゴリ」に値切られる。
つまり開発した会社が、コスパ最悪の日本市場に興味を示さなくなるのは当然なんですね。
日本名物の「ドラッグ・ロス」
まずは自由診療市場に出すことが、この革新的な治療法を膝OA患者に届ける最短の方法といえるのですが、一部の裕福な患者が、高額な自由診療でメリットを享受する。
こんなアホなことはないでしょう。
金がないヤツは、人工関節に・・ってか?
手術を否定はしませんが、その前の治療の選択肢は、当然あっていいものと思います。
これは、整形外科関連の学会が、国や製薬会社などに働きかけてほしいと思います。
日本という国、政治の問題でしょうか・・・。
様々なことに、鈍感になっている気がします。
もう腹立ちます・・・。
皆さん、だまされちゃいけません。
ということで、腹立ったので、書いちゃいました。
薬より、そっちの方が問題なんで・・、。
でわでわ