そのためには、まず第一に『清潔な民主政治の確立』を図らなければならない。具体的には『平和憲法を守る』『議会制民主主義を確立する』『言論、結社、信教の自由を守る』ことを実現していくべきです。
次に内政面においては、『大衆福祉で豊かな生活』をスローガンに、『相互扶助で福祉経済を確立する』『最大の社会保障制度を確立する』『人間性豊かな文化を建設する』。以上を目標に、前進していただきたい』
一方、外交面においては、『戦争のない平和な世界』をめざし、『核兵器の全面廃止を実現する』『国連を改革し、世界完全軍縮を実現する』ことなどを語っていった。
彼は、さらに、中道政治についても論じた。
『私どものめざす中道政治とは、一言でいえば、仏法の中道主義を根底にし、その生命哲学にもとづく、人間性尊重、慈悲の政治ということになります。
人間性尊重とは、人間生命の限りない尊厳にもとづき、各人各人の個性を重んじ、あらゆる人が最大限の幸福生活を満喫していけるようにすることにほかなりません。社会のいっさいの機構も、文化も、そのためにあるものと考え、政治を行うのが、人間性尊重の政治であり、それによって築かれる社会こそ、われらの理想社会であると思うのであります』
次いで彼は、資本主義も共産主義も、ともに『人間不在』の政治に陥り、本末転倒の姿となっていることに、本源的な行き詰まりがあると指摘していった。
『資本主義社会においては、利潤の追求が第一義であって、そのため、人間一人ひとりの幸福が犠牲にされることも少なくない。共産主義社会においても、画一的な経済体制、全体主義的な国家形態のもとに、個々の人間の自由は強く抑圧されている。
この結果、資本主義は、大衆の犠牲をなんとか少なくしようとする方向へ、修正を余儀なくされております。また、共産主義社会も、個人の自由を認めるように、大幅な修正を加えざるをえなくなっております。
世界の時代の趨勢は、真に人間性に立脚した中道主義、中道政治を求めて動いていることは明らかです。まさに、中道主義によって、平和と繁栄の新社会を築くことを、全民衆が心から待望する時代に入ったと私は確信するものであります』
地鳴りのような大拍手が場内を揺るがした。
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