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ドラマなんかで刷り込まれていたのかな。
『ちょっと大事な話がありまして』
重い声の医師が患者の家族を電話で呼び出す。
『実は⚪︎⚪︎さんの病状ですが。。。』
大事な家族がガンに罹患したことを知り涙する家族。
で、病状の深刻さや患者本人の性格を踏まえて家族から本人への告知。
昔観たドラマはそんな感じだったので医師からダイレクトに告知を受けた際はショックだった。
個人情報のこともあるのだろう。
また、一昔前と違いガンは治る病気なので告知くらいで挫けず早目にガンと向き合ってもらいたい、というような医師心もあるのかもしれない。
今後のことについて熱心に話される医師の声を聞きながら
奥さんに何て説明しよう。。。
そればかりを考えていた。
妻は若い頃に大切な人を癌で失っていた。
どう伝えればショックが和らぐだろう?
答えはわかっていた。
ショックが和らぐ告知方法なんて無いのだ。
とめどもなくため息がでる。
『病気のことだけを考えてください』
最後に医師は言った。
でも振り返ってみると
病気のことだけを考えていられる時間なんて殆ど無かった。