2日後に社長が記者会見して、「意図を持って表示し、利益を得ようとした事実はない」と偽装を否定し、「誤表示」を強調した。
しかし、客はメニューを信用して注文する。表示と実際の食材が異なっているのは、客をだましたことになる。「誤表示」と言うのは強弁だ。結果的には、この発言が問題を大きくし、阪急阪神のブランドイメージを損ね、次の会見で社長は辞任表明をせざるをえなくなった。
謝罪会見の失敗例として思い出すのは、かつて集団食中毒事件を起こした雪印乳業の社長が「私は寝てないんだ」と失言したのと、船場吉兆の女将(おかみ)が長男にあれこれ指示する声が筒抜けになってしまったケースである。
トップの記者会見にあたっては、想定問答を作り、事前に模擬会見でリハーサルする。服装は地味なスーツか業種によっては作業服で、派手なネクタイは避ける,エルメスリング。会見場の設(しつら)えやカメラの撮影位置にも気を配る。危機管理では常識である。
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