『いけない』シリーズより、こちらの方が好きです。

 

道尾秀介さんの『きこえる』を読んでみました。

ネタバレなしで感想のみ綴ってみます。

 

 

作品中のところどころに二次元コードが掲載されていて、それを聞いて小説を読み進める形式です。

 

この作品は全5章です(公式サイトより)

突然死んでしまったシンガーソングライターが残した「デモテープ」
家庭に問題を抱える少女の家の「生活音」
言えない過去を抱えた二人の男の「秘密の会話」
夫婦仲に悩む女性が親友に託した「最後の証拠」
古い納屋から見つかったレコーダーに残されていた「カセットテープ」

 

 

「デモテープ」は最後の音声一発でゾッととさせられました。

この先がグッと楽しみになりました。

 

何より衝撃を受けたのは「秘密の会話」

そういうことだったのか!度合いが一番強かったです。

真相がわかってから再読しましたが、実に味があります。

 

「カセットテープ」は悲しいです。

音声の使い方も他と違うアプローチでよかったです。

この企画の深みを感じました。

 

「生活音」は初めはピンときませんでしたが、少し考えて意味が分かりました。

文字でなく音声での表現が実に効果的。

物語で語られていない部分が想像できてしまいます。

 

「最後の証拠」は、他の4章と違う意味で驚きました。

そう来ましたか、これまで張られた伏線が見事です。

さすが道尾秀介さんです。

 

エンタメ性が気に入りました。

求む第二弾。