『ドカベン』最終回当日、とうとうこの日が来てしまいました。
これまで楽しませてくれた『ドリームトーナメント編』に感謝し、カウントダウン企画として「あのシーンをもう一度」と題し、作品を振り返ってきました。
第7弾にして最後となる今回のテーマは、「ドリームホークス」。
準決勝第2試合のウォーリアーズ対ホークス戦を振り返ります。
水島新司作品でホークスと言えば、あぶさん。
『あぶさん』から誰か出てくれるだろうと、ドキドキしながらページをめくりました。
ホークスの選手は、期待通り水島キャラで埋め尽くされていました。
しかし、彼らは『ドカベン』シリーズ既出の選手がほとんど。
池畑だけが選手としては初出場だったのが救いでした。
対するウォーリアーズも二回戦までに出たメンツのみ。
これまでの試合のような新鮮味が乏しかったのはちょっと残念でした。
とはいえ、試合が始まれば見どころはいくつもありました。
その見どころを独断でランキングにしてみました。
1位 1番ピッチャー真田一球の完投勝利
2位 ドリームホークスの投手リレー
3位 怪力達の珍プレー
3位は、怪力自慢の選手が引き起こした珍プレーです。
この試合では力自慢の選手が多く出場していました。
ウォーリアーズでは才蔵、牛之介、九郎、ホークスでは村雨、音武田、大垣など。
その中でも「えっ!?」と思うようなプレーを見せてくれたのは大垣と九郎です。
・一塁ランナーの大垣は、次打者根倉の打球をセンターが捕ろうとした瞬間四股を踏み、その地響きで落球を誘いました(23巻)
・九郎は、空振りした拍子にバットを離してしまい、そのバットが銀傘の上に乗ってしまいました(23巻)
・再び大垣、花園の打球にフェンス際に追いついたまではよかったのですが、取り損ねてボールがフェンスを越えてホームランに(24巻)
僕のお気に入りは、大垣の四股です。
緊迫した展開の中でいいアクセントになったと思います。
2位はホークスの面々の投手リレーです。
投手経験者が多いならではのホークスが、個性溢れる投手リレーを見せてくれました。
一番手の池畑は、あの大回転投法で微笑を三振に仕留めました。(23巻)
二番手の村雨は、内野ゴロ二つに三振一つと完璧に抑えました。(23巻)
三番手の荒木は、1イニングス目は左投げ、2イニングス目は右投げと、両投げが健在でした。(23巻、24巻)
無言で火花散る一球との対決は見応えありましたね。
四番手の根倉は、ピッチャーゴロで走らなかった沖田を小バカにするように足で一塁送球しましたね。(24巻)
性格の悪さがよく出ていました。
五番手の白川は、本人によく似た酔っぱらったようなナックルを得意としてました(25巻)
六番手の音武田も、150キロ台の速球で、三振を含む三者凡退でピシャリと締めました。(25巻)
原作ではマウンドに上がることはなかったのですが、なかなかよかったと思います。
6人で6失点でしたが、いろんな投球を見られて面白かったです。
栄えある1位は、真田一球の二刀流、特にピッチャーとしての活躍です。
1番ピッチャーで完投勝利、これ自体がドリームです。
打者33人に9安打、5失点。
一球は「5点も取られたとはかなりの屈辱だよな」とこぼしていましたが、十分好投だったと思います。
奪三振は4つと少ないですが、村雨、乱丸、池畑はノーヒットに抑えました。
2巡目もほぼ完ぺきに抑えました。
唯一白川にだけ打たれましたが、味方のお見合いによるものでしたね。
特に圧巻は8回の裏。
敢えてどまん中ストレートに投げ、三者連続ピッチャーライナーに仕留めました。
一球の身体能力があってこその作戦です。
打者としても荒木から打ったホームランは、たった一球でしたが真っ向勝負で気持ちよかったです。
一球の魅力を存分に味わえる試合でした。
さあ、いよいよ決勝戦も決着のときです。
このカウントダウン企画のためにコミックスをすべて読み返しましたが、やっぱり面白かったです。
見どころを綴り始めるとだんだん長くなってしまい、寂しさよりも楽しさに満ちあふれた一週間を過ごせました。