『ドカベン』最終回まであと4日。

これまで楽しませてくれた『ドリームトーナメント編』に感謝し、カウントダウン企画として「あのシーンをもう一度」と題して作品を振り返っています。

 

第3弾となる今回のテーマは「新潟ドルフィンズ対東京スーパースターズ」です。

一つの試合に絞って、その中の名場面を独断でランキングにしてみました。

 

この試合は、トーナメント一回戦第一試合であり、作品の方向性を明確に示してくれました。

数々の水島新司作品の主人公を始め、多くの選手が次々に『ドカベン』に移籍してくれたのです。

『ドリームトーナメント編』では、架空のチームと実在のチームが混在していますが、16球団のうち7球団が水島キャラだけで構成された選手で試合が行われました。

ここで、スーパースターズとアイアンドッグス以外の5球団に所属する選手の出身作品を振り返ってみましょう。

 

ドルフィンズ:『野球狂の詩』、『光の小次郎』、『おはようKジロー』、『へい!ジャンボ』、『ダントツ』、『虹を呼ぶ男』の6作品

ドリームタイガース:『男どアホウ甲子園』、『ストッパー』、『新野球狂の詩』、『野球狂の詩』の4作品

ウォーリアーズ:『球道くん』、『一球さん』、『ダントツ』の3作品

ドリームカープ:『野球狂の詩』、『極道くん』、『アルプスくん』、『おはようKジロー』の4作品

ドリームホークス:『新野球狂の詩』、『ダントツ』、『男どアホウ甲子園』の3作品

 

このように出身作品が群を抜いて多いのがドルフィンズの特徴です。

多彩な選手がどんどん出てきたおかげで、目が離せなくなりましたよ。

 

新キャラがいたことも、他のチームにない、ドルフィンズのもう一つの特徴です。

スタメンに5人もいましたよね。

 

そんなドルフィンズとの試合での名場面を、敢えて三つに絞ってみました。

 

1位 投手新田小次郎対打者山田太郎

2位 投手岩田鉄五郎対打者山田太郎

3位 走者Kジロー対捕手山田太郎

 

3位は、13回の表、Kジローの盗塁のシーンです。(7巻)

2012年9月20日のブログ「Kジロー、盗塁成功率100%の行方は」にも書きましたが、Kジローは原作『おはようKジロー』では盗塁を失敗したシーンが一度もありません。

それだけに山田が二塁盗塁を阻止できるかというのが大きな注目ポイントでした。

 

余談ですが、Kジローはこの試合の三振は一つもありませんでした。

新人でいきなりの4番の起用、ピッチャーとキャッチャーの二刀流で打撃と走塁のセンスも抜群。

2012年のセ・リーグ新人賞はきっとKジローだったでしょうね。

 

 

2位は、遂に実現した、老雄岩田鉄五郎と山田の直接対決です。(6巻)

スーパースターズ対メッツは、『スーパースターズ編』11巻で対決していますが、あの試合では鉄つぁんは岩鬼にしか投げていません。

水島作品と代表する二人が初めて勝負したのです。

 

ツーアウトランナー三塁、一打サヨナラの場面でマウンドに上がった鉄つぁん。

気迫がビンビン伝わってきましたね。

球速の出ないストレートや変化球で山田を追い詰めた後の決め球には驚かされました。

 

対決が終わった後の山田のポーズは強烈に印象に残っています。

『ドカベン』史上、貴重な山田の姿だと思います。

 

これも余談ですが、「代打俺」、「リリーフわし」と両監督が途中出場したのは、唯一この試合だけです。

そういう意味でも、なかなかお目にかかれない貴重な試合になりました。

 

 

栄えある1位は、新田小次郎ですね。(5巻)

9回の裏、ノーアウト満塁、一打サヨナラの場面、しかも迎えるは殿馬、星王、山田と続く上位打線での登板でした。

肩の調子で10球という球数制限の中で、ストレートだけで勝負する小次郎に手に汗握りながらページをめくりました。

 

手首だけでボールを高く飛ばす仕草や投球フォーム、そして小次郎の代名詞ともいえる160キロ。

あの新田小次郎がマウンドに帰ってきたのです。ワクワクが止まりませんでした。

 

 

そして迎えた山田との対決、『光の小次郎』対『ドカベン』の対決、ド迫力でしたね。

そのときは完全に小次郎贔屓で見守りました。

原作『光の小次郎』では明かされなかった光る球の球速も遂に知ることもできたのは、驚きであり喜びでした。

 

 

敢えてランキングを付けるとこれらのシーンですが、もちろん他にも見どころ満載でした。

ジンクスにこだわるジンクス、長身で快速のジャンボ、豪傑七夕竹之丞、スラッガー藤娘国立玉一郎などなど。

読み返し始めると、止まらないんですよね。