●今週のあらすじ
ドリームトーナメント決勝戦、11回の表、10対8とリードしたウォーリアーズ。
ツーアウトランナーなしで、5番牛之介が打席に入る。


牛之介への初球は高めに浮いた。
スカイフォークと判断して落ちるところを叩きに行ったが、単なるスローボール。
サードゴロとなり、チェンジとなった。

 

11回の裏、スーパースターズの攻撃は、5番義経から。
延長での球数は多くないと、キャッチャー才蔵はストレートで押すことにした。

 

初球、160キロ。
義経はセーフティバント。
不意を突かれたサード微笑がダッシュ。
一塁へ送球するも、ヘッドスライディングの義経の手が早かった。

 

ノーアウト一塁で、6番長島。
長島は初球攻撃。

 

サードゴロとなり微笑が二塁へ送球。

ここでも義経はヘッドスライディングでセーフとなった。
セカンド真田が一塁へ送球、長島はアウトとなった。

ワンアウト二塁で6番山岡に打順が回った。


●走塁の持論、義経と球道の対比
スカイフォークと見せかけてのただのスローボール。
牛之介が一杯食わされたところを見ると、相当軌道が違うようだね。
一歩間違えば単なる失投になってしまいそう。
山田の度胸ある好リードだったということかな。

 

さて、今回は義経が目立っていた。
160キロの速球にセーフティバントを成功させた。

センター、リリーフ、バントヒット、スライディングと、二刀流の活躍が頼もしいよ。

 

そして、走塁については、球道から打ったところが実に味わい深いものだったと感じた。
間一髪の走塁は走り抜けるよりヘッドスライディングの方が速い。
義経の持論だそうだ。

義経のヘッドスライディングってあまり記憶がないのだが、ここ一番の間一髪の場面がなかっただけかな。

 

この走塁を見た球道がどう思ったのかを聞いてみたいね。
というのも、球道はまったく逆の考えを持っているからだ。

『球道くん』12巻にこんな場面がある。

 

千葉県大会決勝戦、9回の裏、1点差を追う青田高校は、ツーアウト一二塁のチャンスを迎えた。

次打者えーじは右中間を破るヒット、二塁ランナーは生還、一塁ランナー球道も一気にホームを狙う。

ホームのタイミングはきわどい。
球道の父、大介をはじめテレビ観戦していたファイターズの選手は、すべれと球道に向かって叫ぶ。

 

ところが、球道はスライディングはせずにまったく失速せず走り抜けた。

キャッチャーのタッチが間に合わずサヨナラとなった。


その後、ファイターズ大沢監督は、スライディングをしろと言った選手達を叱責した。

「すべる体勢をつくる分だけ一歩おくれる!!一直線に通りすぎないかぎり、セーフはなーい!!」

 

これはこれで納得。

このプレーに関して球道自身のコメントはなかったが、きっと大沢監督と同じ考えだったのだろう。


ヘッドスライディングの方が速い、駆け抜けたほうが速い。
奇しくも考えが違う両者が、投手と打者となり対決した。

義経も球道も何も語らなかったけど、深みがあるシーンだったな。

 

●次回以降の希望的予想

来週は合併号で休み。

今回はドキドキするよう終わり方ではなかったけど、待ち遠しいよね。

 

ワンアウト二塁ランナーの場面。
送りバントや犠牲フライでは、2点差を追うには厳しい。
だから、揺さぶってフォアボールというのも期待できそうにない。
二塁打で義経が生還できれば言うことないだろうけど、凡退の可能性も大きそう。

 

新キャラを登場させる展開につなげるなら、山岡に辛い役割が課せられるかも。
例えばこんなふうに。

 

山岡はベースにかぶさって投げにくくする。
のけぞらせようとインコースへ投げてきたら、身を引きつつデッドボールを受ける。
頭にボールを受けた山岡は無念の退場。
意識が戻ると、「いくんだ おれは守るんだ」と山岡はよろよろしながら医務室を出る。
そこへ駆け寄る山田達。
山岡さんのおかげで勝ったのだと。

 

そんなクリーンハイスクール戦の再現のようなことになったりして。(無印『ドカベン』26巻)
あれ?

もしそうなると、危険球で球道が退場になってしまい、作品としては大波乱になってしまうか。

その場合は、空草に投げてもらうか。

あるいは壬生が登場するとか。