●今週のあらすじ
ドリームトーナメント決勝戦、11回の表、9対8とリードしたウォーリアーズはさらなる追加点のチャンス。
ノーアウトで三塁に真田、一塁に中西、打席には4番微笑の場面。

里中は、初球、投球モーションの途中で地面に手をこすりつけてしまう。
こぼれた投球はゴロとなり、本塁と一塁の間へと転がっていく。
ランナーは一斉にスタート、同時にキャッチャー山田がボールを取りに行く。
ファールラインギリギリのところでボールを止めた。
審判の判定はボーク。
ファールラインを越えた場合は暴投扱いで走者の進塁は自由、しかしフェアラインの場合はボーク扱いとなり進塁は一つだけとなる。
この結果、三塁ランナー真田はホームイン、一塁ランナー中西は二塁へ進んだ。

里中を案じ、岩鬼がマウンドに駆け寄る。
そしておもむろに里中の傷を舐めた。
かすり傷は舐めるのが一番だと言って。

10対8、ノーアウト二塁となり、改めて微笑への初球。
微笑はピッチャー返し、里中はこれをキャッチ。
すかさず二塁へ送球、中西は戻れずダブルプレーとなった。

ツーアウトランナーなしとなり、5番牛之介が打席に入る。

●里中、痛恨のボーク
ファールラインを越えたかどうかでボークと暴投に分かれるとは。
山田が必死に取りに行ったのは、球道が三塁まで進むのを防ぐためだったんだね。
勉強になりました。

里中のボークって珍しいよね。
パッと浮かぶのは、明訓対中山畜産戦で投球モーションに入った後に脇坂がタイムをかけ、投げるのをやめてしまった時くらいしか思い出せない。
(無印『ドカベン』44巻)

それにしても、里中が右手を地面に擦ってしまったのは不思議だ。
里中にとってベストなマウンドになったはずなのに。
藤村甲子園のじっちゃんは泣いてるぞ。

まさか、微笑の仕業では?
明訓対横浜学院戦で、土門の足を下す辺りをわざと掘っておいた前歴があるからね。

(無印36巻)


●岩鬼の治療法を振り返る
いい歳した男がいい歳した男の手の傷を舐める。
スタンドにいる里中ファンの女性から悲鳴が上がりそうなシーンだね。

こんな治療方法は岩鬼はごく普通に思っているのかもしれないね。
ここで、岩鬼の怪我とその治療法を振り返ってみよう。

〇肋骨骨折
中学時代、アメリカ代表チームとの柔道の試合で、肋骨を骨折した岩鬼。
入院中にセメダインを飲んで治そうとした。
ナースに大笑いされたけど、本人は至って真剣だった。
(無印4巻)

〇額の傷
鷹丘中対東郷学園戦で、デッドボールを受け、岩鬼は額に傷を負った。
ベンチで医師が針で縫うと、岩鬼は平然と試合に戻った。
高校入学直前まで傷跡が残っていたのに、かすり傷くらいにしか感じていなかったのかな。
(無印9巻)

〇背中の傷
明訓対青田高校戦で岩鬼が投手をしていたときのこと。
岩鬼の頭上高く上がったボールをいち早くとるため、サードの里中に自分を土台にしてジャンプするよう指示。
スパイクで踏まれた背中は血だらけとなったが、地面に傷口をこすりつけて手当てした。
(『大甲子園』22巻)

〇〇〇〇〇
この試合で急所に打球を受けた岩鬼。
脂あせを流しながらプレーし続けた。
特に治療もせず。

(『ドリームトーナメント編』29巻)

うーん、並みの人間には真似できない。

そんな鉄人岩鬼の唾には人並み外れた治癒能力があるのかも。

よかったね、里中。

 

今週は、ルール解説、里中のボーク、岩鬼の治療といろいろあって、いつもと一味違った面白さがあったよ。


●次回以降の希望的予想
スーパースターズとしては、2点は入ったけどひと山越えた感じだね。
里中はボークを引きずるどころか、自らのファインプレーでピンチを凌ぎ、気分良く投げられそう。

11回の裏のスーパースターズは5番義経から。
2点差を追う展開となると、ツーアウト満塁で岩鬼に回るのが一番ドラマチックかな。

その前にランナーがたまったら、「代打俺」があるかも。