●今週のあらすじ
ドリームトーナメント決勝戦、8対8の同点で迎えた11回の表ウォーリアーズの攻撃が続いている。
ノーアウトで一塁に大楽を置き、2番真田はワンボールワンストライクの場面から。

3球目、カーブを見送ってツーボール。
4球目、チェンジアップを見送ってスリーボールとなる。
5球目以降、真田はストレートをファールにして粘る。
そして8球目、低めに148キロのストレートを見送り、判定はボール。
フォアボールでノーアウト一二塁となった。

ここでウォーリアーズ微笑監督が動く。
二塁ランナー大楽に代わり背番号0の空草を代走に送った。
さらに、送りバントと思われる3番中西が右打席に入る。

●二つの意外
先週のおさらいをすると、両チームとも送りバント崩れで大楽アウト、一球出塁を想定していた。
ここでウォーリアーズが選んだ作戦は、フォアボール狙いだったのだ。
これは読めなかった。


送りバントさせないために外してくると読んだのか、里中をバテさせるためファールで粘るためだったのか。
なるほど、これなら大楽が走ってアウトになる可能性は低い。
ノーアウト一二塁にできると踏んでいたのかな。

 

そして、もう一つの意外なこと。

それは、代走空草だ。

 

空草一平、参上
さてさて、いよいよ大楽が交代したのだが、その代わりは空草。
てっきりリリーフとして控えていたと思っていたけど、まさか代走要員だったとは驚いたよ。

原作『球道くん』ではそんなに俊足のイメージはなかった。
『大甲子園』では1番打者を任されていたから、そこそこ足は速いのだろうか。

これまでの空草を振り返ってみよう。

 

・フルネームは空草一平、ニックネームは「神ちゃん」。中西球道とともに青田高校野球部に入部。当時は訛りが強かった。(『球道くん』9巻)

 

・守備位置は、サードが多い。青空晴太や才蔵がサードのときはショート、えーじが入団前はキャッチャーの経験もあり。(『球道くん』10巻、16巻、『大甲子園』16巻など)

 

・打順は9番が多い。三年の夏には1番バッターに。(『球道くん』9巻以降、『大甲子園』16巻以降など)

 

・部員を集めるためサッカー部の座間にPK勝負を挑み勝利した。(『球道くん』14巻)

 

・対どんたく戦で、時間稼ぎのためにあの手この手と繰り出し、さらには相手ピッチャーを巧みに挑発、才蔵に「柄はこまいが腹ァでけえぜ」と言わしめた。(『球道くん』13巻)

 

・対明訓戦で、ホームラン性の打球ながら山田を打ち取った球道に「金属バットなら入っていた」という監督の発言に対し、「もうかったようないい方は球道に失礼」と毅然と反論した。(『大甲子園』17巻)。

 

・対明訓戦で、青田ナインが前進守備で守る中、高代のプッシュバントをただ一人見破りファインプレーでピンチを凌いだ。ピピピッて感じたそうだ。(『大甲子園』20巻)

 

・ドリームトーナメント準決勝では、ブルペンにいた。(『ドリームトーナメント編』22巻)


どちらかというと青田の主力とは呼べなかった存在ではあるが、要所要所でいい仕事をしてきた選手でもある。


気になるのは守備にも就くのかということ。
大楽の代わりならレフトなのだろうけど、空草は肩は弱いはず。
千葉県大会決勝では、クリーンハイスクールがダブルスチールを仕掛ける時、影丸がこんなことを言っていた。
「勝又と空草のどちらかがセカンドに入っても バックホームの肩と機敏な動きはない」

(『大甲子園』4巻)

その後成長したのかもしれないけど、外野手には向いてない気がするが。
遠投が苦手そうな花園を外野手に起用した微笑監督だから空草も外野手にするのかもね。

●次回以降の希望的予想
球道が右打席に入った意味は何だろう。
ここは、ダブルスチールを仕掛けてくると予想。
空草の盗塁を少しでも助けるために、山田が三塁へ送球しにくいように球道は右打席に立ったのではないだろうか。

山田の三塁送球といえば、青田戦での暴投が印象的。(『大甲子園』20巻)
球道はあの場面の再現を狙っているのかも。