●今週のあらすじ
ドリームトーナメント決勝戦、8対7とウォーリアーズリードで迎えた9回の裏、スーパースターズはツーアウトで一塁に里中を置き9番賀間の打席。
2球目、里中の盗塁を察知した中西がクイックで投げる。
里中が刺されるとみた賀間は咄嗟に打ちに行った。
打球は一二塁間へ。
ファースト牛之介、セカンド真田とも追いつけずポテンヒットに。
里中は三塁まで進んだ。
ツーアウト一三塁で一番岩鬼に打順が回った。
初球、低めへのストレート。
岩鬼は打ちに行った。
打球は一塁後方へ、ライン上に落ちてフェアに。
里中が還って8対8の同点。
賀間は一気に三塁へ。
そして岩鬼も二塁へ突進。
これは明らかに暴走。
しかし、岩鬼は囮となり、賀間をホームへ還そうとしている。
ライト花園が打球に追いつき返球。
その瞬間、賀間はホームへ突入した。
●打者の機転
急展開、スリリングになってきたね。
賀間の打球がどうなるかと思ってたけど、またしても一二塁間へのヒット。
一球の守備範囲なら追いつきそうなものだけど、盗塁に備えて二塁ベース寄りにいたのかな。
そこを狙ったのなら、賀間の勝利といったところか。
走ったランナーを咄嗟の判断でアシストした好プレーといえば、明訓対赤城山高校戦が思い浮かぶ。
満塁で三塁ランナーの岩鬼が独断でホームスチール、それがアウトになると判断した山田がセーフティバントを敢行し、岩鬼は無事ホームインできた。
（無印『ドカベン』27巻）
今回里中が走ったのはサイン通りの盗塁だったのだろうけど、山田と同じように賀間の機転が効いたね。
怪力の賀間がポテンヒットとはイメージと違うけど、いいプレーだった。
●走者の機転
さて、あの目立ちたがり屋の岩鬼が自ら囮になるって珍しいよね。
チームを勝たせるのもまたヒーローの役割なのかな。
賀間も岩鬼の意図を見抜いてホームに走ったし、こうなると次週はサヨナラか延長かが決まるだろうね。
ランナーが囮になるといえば、『白球の詩』にもあった。
1回の表、ノーアウト満塁で4番マックスがスクイズ。
これが決まり三塁ランナー生還。
しかし、一塁ランナー三原が二塁をオーバーランしてしまう。
すかさず二塁へ送球、三原はタッチアウトとなる。
ところが、この間に二塁ランナーがホームインしていたのだ。
三原は失敗を装って、実は囮を演じていたのだ。
（『白球の詩』1巻）
今回の岩鬼の意図と同じだよね。
さあ、岩鬼の作戦は実るのだろうか。
●次回以降の希望的予想
岩鬼と賀間の意思疎通はバッチリだが、ウォーリーアーズはどうだろうか。
岩鬼の意図を見抜いているのではないだろうか。
この場面、当然考えるべきはサヨナラの阻止。
『白球の詩』のケースとは違い9回の裏1点差、バックホームを最優先するのではないだろうか。
だとすれば、挟まれるのは岩鬼でなく賀間。
岩鬼の作戦は実らずアウトでチェンジ、延長突入になるのでは。
もし、花園が二塁に返球したのなら、一球の見せ場だ。
矢のような送球でバックホームしてタッチアウトしてくれそうだ。
さらに、そのクロスプレーでキャッチャー才蔵が怪我でベンチに下がるなんて展開があるかも。
代わりのキャッチャーとして小林満が登場するなら、あの親子の登場も期待できるよね。